2024年7月17日 07:00
ホームシアターを実際に体験してみると解るのですが、サラウンドスピーカーの音質って意外と重要なことに気付かされます。
音が出ればよいか程度に考えて安価なもので済まそうとすると、ほとんど効果が期待できない結果となることが多いです。
音質というか設置方法だと思うのですが、ちょっと視聴位置をずらすだけでまったくサラウンドからの音がしてこないということが起こります。
オーディオ全般に言えることですが音は空気の波であり空間で合成されます、この時に同位相だと強調され逆位相だと相殺されて音が聞こえなくなるのです。
サラウンドスピーカーは、フロントスピーカーと直接音がぶつからないように斜め後ろから角度をかなり内側にして設置するとこういった現象が起きずらくなります。
尚、低音域は中高音域に比べて波長が長いので音が相殺される割合も多く、その為にサラウンド用に小型ブックシェルフを使う場合は必ずバスレフダクトにスポンジを詰めてバスレフダクトから音が出ないようにする必要があります。
サラウンド専用に作られた小型スピーカーはそのまま使用しても、再生帯域が調整されているので問題ありません、その意味では私がサラウンド用として多用しているのが小型の業務用スピーカーです。
低音域が丁度良くカットされていて、中高音域の張り出しが良く指向性もあって難なくサラウンド用に使えるからです。
また、フロントスピーカーに比べてあまりにも音圧が低いと音量調節だけではサラウンドの音を調節不可能となります、フロントスピーカーと比べて音圧レベルが極端に低くないスピーカーを合わせる必要があります。
少なくてもサラウンドスピーカーはセンタースピーカー同様にホームシアターシステムの要のスピーカーですから適当に考えてはいけません、フロントスピーカーには神経を使うのですがセンタースピーカーとサラウンドスピーカーはおまけ程度にしか考えていない人が実に多いです。
これは逆です、センタースピーカーとサラウンドスピーカーがしっかりしていればフロントスピーカーは好みのものを選んでも案外音量調整だけですんなりと迫力あるサラウンドが楽しめます。
フロントスピーカーを先に決めて、後からセンタースピーカーとサラウンドスピーカーを合わせようとするとなかなか上手く調整できないものなのです。
ホームシアターシステムというくらいですから、人間の組織と同様に後方支援部隊がしっかりしていれば前線部隊は安心して活躍できるというのと同じなのです。