2024年10月28日 07:00
オーディオ機器のサイズって、どうして同年代に各社が揃って同じくらいのサイズになっているのでしょうか?
アンプ・チューナー・カセットデッキ・レコードプレーヤーが独立したコンポーネントステレオと呼ばれるスタイルが日本に誕生した時に、既に製品化されていたアメリカのアンプのサイズを参考にしたと考えられます。
当時のアメリカにはUS電気規格に19インチラックがありました、放送局用のアンプや送信機、PAオーディオや測定機などを収める業務用電気設備ラックです。
この幅が48Cmです、ここから取り付け用の羽板を取ると本体の横幅は42~43Cm程度となります。
このサイズが現在までのコンポーネントオーディオ製品の横幅として各社の暗黙の了解となっているのです、何故なら各社各様の製品をラックに収める時に同じ大きさにする必要があるからです。
この規格を外れた製品を出したら標準ラックに収まらないので買われない可能性があるからです、ですから「暗黙の了解」ということなのです。
この横幅42~43Cmのコンポーネントは、90年代に入り横幅30Cm前後のコンパクトサイズが流行り出した際に「ミニコンポ」と称されたことから後付けで「フルサイズコンポ」もしくは「標準サイズコンポ」と呼ばれるようになりました。
また95年辺りから21Cm前後のハーフサイズのコンポが出始めます、このハーフサイズのコンポは出始めた当初は「ミニミニコンポ」と称されましたが、後に「ハーフサイズコンポ」とか「マイクロコンポ」と呼ばれるようになりました。
更に2000年以降に安価なカーオーディオアンプなどを使ったハガキサイズのD級アンプやヘッドホンアンプが誕生してきました、このハガキ大の大きさの製品は「ナノコンポ」などと呼ばれています、と言うことは最近出始めている更に小さな名刺大の製品はこの流れから察すると「ピココンポ」と呼ばれるのでしょうか?
ちなみにサイズに関らず「ハイコンポ」と呼ばれる製品群があります、これはミニコンポ以下のサイズでハイファイスペックを持ち、更にシステム販売と並行して単体でも販売しているグレードの高いシステムコンポの製品を統括して指しています。
時代はどんどん小型軽量化していきます、音質はアンプの大きさでは決まらないのですが20Kg以上もあるフルサイズコンポで何時までも音楽を聴きたいと思うのです。
これは私だけの気持ちの問題ですが、BGM用とかデスクトップなど用途を限った場合は別にしてメインの常用オーディオセットにフルサイズ以下のサイズを使ったことは皆無です。
その理由は気持ちが大らかにならないからです、オーディオから影響される精神的な事項って私の場合は自身で思っている以上に大きいのです、オーディオに限らず記憶に刷り込まれた拘りとか思い入れってこういうことだと思うのです。