「エネルギー不変の法則」という今も尚仮説の領域を出ませんが範囲を限定すると確立されている物理学の理論があります、これは「吸収するエネルギーと放出されるエネルギーは常に等しく宇宙の始まりから現在までの総エネルギー量は常に不変である」というものです。
これは物理学的に解いた仮説であり地球上での実際の話ではありません、数学も物理学も法則を解くための定義としては摩擦など物質によって差異が出る事項については「とりあえずこれを計算しないでおこう」という前提があります。
実際にお湯を沸かすことを考えるとガスコンロでお湯を沸かすとき水に加わる有効な熱エネルギーはガスコンロの出す熱エネルギーの平均で20%程度です、残りは空気中に放射されて無駄になります、これをエネルギーロスと呼びます。
宇宙全体にこのエネルギーロスという存在があります、また地球上の全ての事柄にも存在します、しかしこれは各論であり総論でみるとやはり総エネルギー量は常に一定だと考えられています。
さらに人間にもまたそれを構成する企業にも当然に各論的にはこのロスが存在しています、したがって企業経営ではこの事業ロスを事前に計算し事業計画を行えるか否かが重要になります。
ここでいう事業ロスとは利益に反映しない無駄なコストや行動と解釈して間違いはありません、更には人間の人生でいえば無駄な消費や行動をいうのですが私個人的にはこの人生のロスという感覚が実に心地よいと思えるのです、だからこその愉しめる人生なのだと思うようにしています。
生きていくためには不要な消費や行動、でもそれがあるから有効な消費や行動に時間を専念することができると思うのです。
無駄のない人生なんて愉しくありません、そしてクリティカルとロスのバランスを取れる人がストレスもなく人生をまっとうできる人なのではないかと思うのです。
株主の一人に大阪で有名な不動産王がいます、この人の資産はどれほどなのか想像がつかないのですが、最近では岐阜に山一つを買取り杉や松の木は材木商に売り根っ子の部分は工芸品問屋に売って病院付きの終身老人介護センターを建設しました。
買った物を一切無駄にしないところは流石に見習うべきなのですが、もっと感心するのはこの人は何時見てもとても資産家には見えないところです、これが彼の身を守るための知恵だと先日教えられたのです。
彼は何時も現金を持ち歩いています、それは良い物件が有るとその場で手付金を支払う為です、こうすることで30%以上安く買えるそうです、人はその場にお金を積まれると弱い立場になるのだそうです。
面白いのは1千万円以上のお金をどのようにして持ち歩いているかということです、なんと彼は何時もデパートなどで貰う紙袋にそのまま入れているのです。
その理由を聞くと「人は絶対にこん中にお金入っているとは思わないねん、ひったくりに会うとしたらまずこっちの手提げねらうやろ」、続けて「紙袋はな引っ張るとやぶれるやろ、お金がその場に落ちて絶対に持ち逃げされないんや」・・・なるほど。
また普段靴はスニーカーです、それも安いノーブランド品、身なりもどう見ても高そうなものは一切着ていません、これも理由があるそうで金持ちだと思われないこと、そしてスニーカーはもしも引ったくりなどに会っても走りやすいからだと、これは逃げるも追うにもということでしょう。
これが彼の身を守る生きる知恵なのです、そしてこれはアフリカ大富豪の人を見る感覚の話にも通じているので面白いと思うのです、私のように一般人には解りませんがそういう世界の人には経験上からくる「生きるための知恵」があるのです。
50ccのバイクはアクセル全開でも法定速度は関係ないとしても70km/hのスピードを出せるか出せないかです、方や750ccのバイクならトップギアを使うまでもなく余裕で150km/h以上のスピードを出せてしまいます。
速度だけなら確かに750ccの方が能力が上です、しかし市街地などでは信号が在るし横断歩道も在ります、更には速度制限などで速度能力よりも燃費や小回りなどの扱いやすさで50ccのバイクの方が断然有利です。
これはあくまでも例えの話しですが、これを人間に置き換えてみても人は様々な能力や性格などの個性というものを持っています、この個性に合った仕事に従事することができたなら本人も採用した側も幸福な状況になります。
かなり前の話ですが芸能人の実姉がパートから上場企業の社長に就任したことが話題になりました、自分に向いていた仕事に従事し人一倍の頑張りも手伝って能力発揮できた結果です。
個性はその本人が正確に把握するのは非常に難しいものです、何故ならそこには自分への「思い入れ」や「思い込み」などのフィルターが入ってしまうからです、そうです「好きな色」と「似合う色」は違うのです。
ビジネスも同じことで「自分のやりたい仕事」と「自分に相応しい仕事」は多くの場合に違うのです、だから自分のやりたい仕事に従事できたのにも関わらず「こんな筈ではなかった」と悩むことになりかねないのです。
自分の事は自分で思う以上に解らないものです、冷静にできるだけ多くの第3者の意見を聞いてそれを基に自分をまずは正確に知ることです。
そして本当に自分に合った仕事に従事できれば不満も解消しストレスも無く成果も出ると思います、まずは自分に対する「思い入れ」と「思い込み」を排除することが肝要です。
名を取るか実を取るか、これもまた人によって様々で面白い価値観の一つだと思います。
例えば連日のようにテレビによく出るタレントや芸人さん、露出度や人気から想像してさぞかし年収もすごいんだろうと思って調べると驚くほど安かったりします。
番組制作側も予算内で盛り上げるために頭数合わせに苦労します、当然ギャラが安い人を多数選択するのが常だろうから納得の年収額です。
本当にギャラの高い人は露出度の高いテレビや雑誌ではなく公演で稼ぎまくっています、これもまた易々と姿を人前には出さないという希少価値を作り上げる戦略の常です。
企業や組織を考えるとホームページを見ただけで組織の実情が見事に解ってしまいます、同様にしっかり稼いでいる経営者はSNSなどで滅多に情報開示などするはずもありません、露出を下げることが逆に存在感を示すことにも繋がっていることを解っているからです。
しっかりした組織であればある程代表の顔はなかなか見えてきません、顔となれる社員やパートナーが不在だとやはり代表自ら前面に出ていくしかないのです。
自分を売りたいのか、それとも企業や事業を成長させることを売りとするのか、経営者の露出度で将来どのようになるのかは容易に想像できてしまいます。
組織を組成して事業を行っていくのであれば代表者ではなく組織名や商材名を前面に出していくべきです、そして顔となる社員を育て上げる事が長期に継続できる組織となるのです。
何故なら代表を売っている組織では代表が問題を起こしたり退いた途端に衰退するケースが定石ともなっています、これもまた経営の常なのです。
露出して名を残したいなら、潔く経営者ではなく個人事業主としてやっていくのが正解であり成功する可能性が極めて高くなります、法人を設立して経営者として生きていくなら名ではなく実を取ることに専念すべきだと思います。
営業や技術部門などにもいろいろな業務があります、第一線で営業したり高性能な商品を開発したり直接的な利益につなげる人もいればそういう人の業務を陰でしっかり支える人もいます。
スポーツの世界で言えば野球は全員4番でピッチャーでしょうか、サッカーは全員センターフォワードでしょうか?
有能なキャッチャーも代打者もいなくては野球の世界では勝つことはできません、ディフェンスやアシストがいなくてはサッカーでは勝つことができません。
営業部門や開発部門の一線で活躍する人をサポートする人もまた、同じように企業成長には重要な人材なのです。
例えば代打でたった1発のホームランで優勝を決めた活躍ならば、この1発のホームランを打った代打者は毎試合出ているレギュラーより報酬を多く受け取ってもおかしくはありません。
同じようにその人の支えがあって営業や開発がスムースに行え利益が出るのであれば、そのサポーターは誰よりも報酬をもらってもおかしくはありません。
要は自分は表面に出る人間なのか、それともそういう人を陰で支え更に利益が出せるようにサポートする人間なのか、自分を自身がどこまで理解しているかということが肝要なのです。
陰の支えあっての利益であれば、そのサポートする人は第一線で活躍する人と同等の報酬をもらって然るべきです、それを正確に評価できる経営者が強い社員を集める経営者といえます。
何事も自分を知ることとそれに合った業務に徹することです、厳しいようですが妙なプライドで中途半端なポジションにいるから何時までも結果が出せないのです。
できない言い訳をいくら言っても納得するのは自分だけであって周囲はまったく納得してないのです、それよりできることを正々堂々と宣言しそれに徹して堂々と報酬をもらう、それが真のプロのプライドというものです。
できない言い訳ほど見苦しいものはありません、真のプロのプライドとはできることで勝負する、妙な「自尊心」ではなく自分にしかできない真の「誇り」を持つことです。