「多くの人は現状を見て、なぜこうなのかと問う、私は現実にない状況を夢見て、なぜそうではないのだろうと問う」
何だろ、この一見複雑そうな言葉の中に含まれる明快な暗示は?
流石、一流劇作家バーナード・ショーの名セリフは深いです。
どんな世界でも実績を上げている人は、みんな同じことを言います、それは「シミュレーション(イメージトレーニング)を何度もしている」なのです。
プロ野球の天才バッター落合博満も、常に頭の中でイメージトレーニングしていたといいます。
経験とは実際にやってみたことをいいますが、実は脳は実際の行動の数十倍のスピードで思考し、仮想経験でも実際の経験と劣らないほどの効果が有るという実験結果が出ています。
例えば、夢の中の1分間の出来事は実際の数十分から数時間に相当しています。
交渉もプレゼンテーションも、何度も何度も別の角度から頭の中でイメージトレーニングしておけば、実際の場であらゆる状況が生じても既に経験しているかのように対処ができます。
時々、自分が想定していないことが起こるとパニックに陥る人がいます。
人にはそれぞれに癖もあるし思考が異なります、要は相手によって方法が異なるわけで一辺倒には行かないのが当たり前なのです。
いかに、日頃から多方面でのシミュレーションをしておくことが重要かということです。
成功する人はイメージトレーニングが極自然にできる人です、だからどんなシーンに出くわしても常に冷静に対処ができるのです。
できるかできないかを思考するのではなく、
やるかやらないかを決断するのが先決である。
一度でもやると決めたら、
実現できる方法を後でじっくり考えればよい。
一度でもやらないと決めたら、
後で何が起きても後悔しないことが肝要だ。
できるからやる、できないからやらない。
決断とはそういう次元ではなく、
何事も「伸るか反るか」の決断が肝要。
もっと言えば決断の結果責任を取れるか否かだ。
※耳順(じじゅん)とは、孔子論語の「六十にして人の話しを素直に聞けるようになった」という節を起源とする60歳代の呼び名である。
私にとっての最高のロジカルシンキングタイムは、朝早く起きてから出社準備までの約3時間です。
この間はコーヒーをたっぷり淹れてジャズを聞きタバコを燻らせます、こうしてボケーッとしていると自然に頭の中で複数のロジカルシンキングがフル回転し始めます。
こういったことが40年以上も続いています、そうするとこれが一つのライフサイクルとなってくるのです。
海外出張のときでもそうです、多くは早くても10時ごろからミーティングが用意されていますので出かけるまでの時間は部屋で大人しくワンカップ用のドリップコーヒーと、ホテルに備え付けのケーブル放送のジャズを聞きながらロジカルシンキングに耽っています、こうしているとあっという間に数時間が経ってしまうのです。
ロジカルシンキングするときは目を瞑ります、これは視覚情報が入ってくるのを阻止するためです、目からの視覚情報は脳の90%以上の領域を使うことが知られています。
目を瞑るとこれまで感じなかった音が聞こえてきたり、感じなかった味が感じるようになったりと身体の五感が極まります。
この状況下でのロジカルシンキングは現世とは別世界にいるような感覚さえ覚えます、まるで映画を観ているような感覚の中で具体的なビジョンが複数同時に広がっていくのです。
また出願特許の多くはこの瞬間にバラバラだった情報が一つになり、これまでになかった解決方法を思いつくのです。
朝のコーヒー&ジャズ、私のロジカルシンキングの最高のエネルギー源なのかもしれません。
気に入っていた食器を割ってしまって落ち込む。
取っておいた料理にカビが生えてショックを受ける。
頼りにしていた人に去られて途方に暮れる。
虎の子の貯金が無くなり不安が募る。
いつまでも在ると考えているからそうなるのは当然だ。
いっそ、いつかは無くなるものだと考えたらどうだ?
最初から持って生まれてきたわけじゃないのだから。
「それは最初から無かったもの」
そう考えれば失う怖さから常に解放されて生きられる。
そして自然に補完するように循環して自身に戻ってくる。
1年かけて丁寧に描いた絵が売れず、
数時間で適当に描いた絵が売れたりする。
ビジネスも人生も同じようなものだ。
では、何が勝者と敗者とに分けるのだろうか?
勝者はそれを体験して認め、
敗者はそれを受け入れないところだ。
※長いビジネス人生、多くの人と出会い、多くの善悪を学びました。