2024年7月 3日 06:00
何をやっても上手くいかない人の特徴の一つに自身の行動に対して何事も事前事後の確認と他者への通知を行わないという誤った思考による身勝手な自己完結人間であるという事実があげられます、個人事業であればこれで良いでしょう、一人しかいないのですから全部自分の責任で自己完結でやればよいのです、どんな結果であろうともミスも自分で拭えばよいだけです。
しかし組織の中にあってはこれは大問題です、例えば公的書類の作成など経営上極めて重要な事項であるにも関わらず事前事後で経営陣に確認もせずに公的機関に書いたらすぐ考えも無しに申請してしまいます、またその報告も経営陣に聞かれるまでは行いません。
結果的に不備を指摘されて再提出となり経営陣や同僚の怒りを買います、それはそうです一人のミスが自分たちの生活に直結するのですから、たった数分で終わる確認や報告をしなかった為に再提出によって認可が下りるのが数週間遅れお金が振り込まれるのが1ヶ月遅れてしまうのです。
予定していた資金が入らなければどうなるかは言うまでもありません、これが全社員の生活に直結する問題だということです、報告書などの文章も誤字脱字だからです、本人は確認しているつもりでしょう、でも結果的に誤字脱字に加えて日本語の言葉使いや文法がおかしいし妙な段落や改行などで何を言いたいのかが解りません。
更には物事のファンダメンタルズを得ていないのか理解していないのか誤った理論や解釈を平気で公言してしまっています、これは自分の株を下げる効果以外には何もありません、私はよく「たかがブログ、されどブログ」と言います、その本質は「私文書でありながら自身の考えを文章化できない人に公的書類を扱うビジネスなどできるはずはない」ということです。
各種申請書もそうですがビジネスには企画書や提案書、また事業計画書など多くのビジネスドキュメントが必要になります、こういった書類は営業推進だけではなく資金調達や事業提携などに極めて重要なポジションを占めるのです。
本来であれば何度も何度も読み直し更に他者にも事前事後で確認してもらいながら修正してはこの繰り返しで寝る間も惜しんで数十回も読んでは書き直して最終形を磨きあげていきます、最終的には頭に全ての図や表と共に文章が記憶できるほどになっているのが本来のプロの仕事です。
したがって他者に渡した書類を自身は見ることなく全てきっちり説明できます、だから信用され信頼感からクロージングもお願いすることもなく一発で決まるのです、このたった一つの文章やドキュメントの裏にどれほどの時間と神経を使っていたのか読んだ人にはすぐ解ります、そして感動と信頼を与えるのです。
実は他者に文章を読んでもらったりドキュメントを渡す行為は極めてリスクが高いのです、何故ならその人の「人となりとビジネスに対する姿勢」に加えてそのドキュメントの信憑性がもろに表面化するからです、ブログなどは私文書なのですから生き方と人となりが見事に現れてしまいます、成功している人は例えブログでさえも何度も何度も見直し修正を加えたうえでアップしています。
ここにはいい加減な文章を公開できないという真のプロ意識があるからに他なりません、これが「たかがブログ、されどブログ」の真意なのです、ブログに限らず社内連絡さえもきっちり仕事をする人は何度も何度も読んで誤解されないかなどを気にしながら編集を重ねて初めてアップしています、でもこれが普通の社会人の常識であり社会通念なのです。
では適当に読んだだけで間違いないと思い込んであっさりと文章や書類を公開してしまう人とは何なのでしょう、「自分は誤りをしない」というナルシストな自信でもあるのでしょうか、そのナルシスト的発想での思い込みとミスしても誰かがカバーしてくれるという手抜き作業こそ組織においては他者に不要な作業をさせてしまう大きな障害になるのです。
こんな極めて単純な人間関係の基本中の基本事項でさえも真に理解できない人が驚くことに実際に世の中にいるのです、「何事もやっつけで適当にやるズルイ人」という評価を下された瞬間にその人の末路は決まってしまいます、この評価を修正するには評価を下された10倍もの期間と努力が必要になります。
ビジネスとは厳しい世界なのです、面倒な事から逃げ結果的に面倒な事を他者に押し付けて自分は自分事だけして楽して生きている人に成功や夢の実現など一生を通しても成し得ないでしょう、ミスした人が家族と団欒している間にリカバリーする人は徹夜で仕事をしている、この事実を知る人は「やっつけ人間」を決して許すはずはありません、むしろ恨みさえも覚えるでしょう。
「一事が万事」で不正確な業務をするという烙印を押された人と一緒に苦労したいという人は皆無です、何故なら不必要な業務を結果的にやらされるはめになるからです、事前事後確認を怠り、でたらめに重要な組織の公務を右から左へと流れ作業で私物化するような人は他者の協力など得られずはずはなく何をやっても上手くいかないのは至極当然の結果です、「一つの事象は人生全ての縮図」です、これが「一事が万事」という格言の本質です。