2021年11月 7日 00:00
突然ですが、最後に面白い生物の話しをしましょう。
皆さんの周辺には、シラミのように虫眼鏡を使わないと見えないほどの小さな緩歩動物である「クマムシ」という生物が存在しています。
「クマムシ」は苔や腐葉土などに多数生息しており地球上のどこにでも生息しています、そして現在多くの生物学者の研究テーマともなっています。
この「クマムシ」の生態が恐ろしいのです、何と空気も水も無い場所で何百年もシスト化(乾燥冬眠)して生き続け更には絶対零度でも放射能を浴びても死なないのです。
つまり、宇宙空間でも生き続ける事ができるという生命体なのです。
この実証を行う目的で、人類は月に現代の科学・文化を示すタイムカプセルと共に「クマムシ」数千匹を置き去りにしようと考えました。
長い年月を経て未来の人類が自由に宇宙空間を行き来できるようになったとき、月に置いてきた過去の科学・文化を知る遺品と「クマムシ」を発見してもらい、地球環境に戻して生き返るかどうかを検証させようというのです。
ただし、この実験は残念なことに機器の故障により実現することはなかったのですが、再度どこかで行われるものと思います。
「クマムシ」は、宇宙から何らかの方法で地球に飛来してきたとする仮説も根強く有り、その解明のための置き去り実験は高等生物発祥のヒントを得るものであり意味のあるものだと思います。
さて、この「クマムシ」ですが何と動物でありながら植物や菌類のDNAも持っているのです、更には複数のDNAを持っている事も解りました、その数は平均で6種類以上にもなるのです。
なんと「クマムシ」は、摂食した生命体のDNAを自身のDNAに取り込む武器を獲得した生命体だったのです。
これが、驚異の環境適応能力と生命力を発揮しているメカニズムの基なのかもしれません。
そして、この植物を含めた複数のDNAの合成、これがもしかして遠い昔から脳の無い植物や菌類が動物の生態を知るソースになっていたと考えるのは飛躍しすぎでしょうか?
これはあくまでも私の推測でしかありません、答えは科学者達が近いうちに出してくれるでしょう。
ただ、この「クマムシ」もまた「真核生物」であり「ミトコンドリア」によって生態が形成されているのは事実です。
このように、少なくても地球生命体のうち「真核生物」である植物・動物・菌類を支配しているのは「ミトコンドリア」である、と考えるのが自然なのではないでしょうか?
寄生先の「真核生物」は、環境により姿形を変えながら環境に合わせ進化と淘汰を繰り返していきますが、「ミトコンドリア」だけは「真核生物」の中で発祥から一切進化せずに種の保存を行っているのです。
何かが犠牲になっても、何かが生き残れば「ミトコンドリア」は種の保存が継続されるのです。
地球上に誕生した多くの種が絶滅していきました、一時期地球生命体の頂点に君臨した恐竜は絶滅し現在は人間がその地位を継承しています、これが永久に続くと誰が保障できるでしょうか?
地球上の「真核生物」のすべては、「ミトコンドリア」の繁殖目的によって誕生し、そして進化しながら生かされているのではないでしょうか?