2021年9月24日 00:00
「我、兵を持って雌雄(しゆう)を戦いで決せん。 塩をもって苦しめることはせぬ」
雌雄とは白黒、もしくは勝ち負けなど陰陽の意味を表しています。
戦国の名将上杉謙信の実に情を感じる言葉です、是非とも心に刻んでいただきたいと思います。
この一言は、ご存知「敵に塩を送る」という諺の起源です。
武田信玄が3国同盟を破り今川に攻め入ったとき、それに激怒した今川が北条と手を組み武田領の周囲を閉鎖し物資の道を絶ちました。
これを聞き及んだ謙信は宿敵であるにも関わらず、武田軍に今の長野県松本市で塩を送ったのです。
この美談は、今もなお「塩の市」改め「飴の市」として松本市の中心街に受け継がれています。
この一件の後、信玄は謙信に命よりも大事にしていた伝家の宝刀を贈ったのです。
ちなみに上杉謙信は戦国武将一の名刀コレクターとして知られており、28もの名刀を残し国宝に指定されているものもあります、その多くは現在各地の博物館などに保管されています。
どんな時もどんな相手に対しても正々堂々と渡り合うこと、それが人の正しい道ということです。
そういう人には、何も言わなくも周囲は自然についていくものです。
言葉や外見で幾ら飾ろうとも、生き方やビジネスへの姿勢が醜くては人を心から魅了することはできません、周囲にいる人の立場を重んじて義を通すことが肝要です。