プロの匠の技シリーズ。
みんな大好きなチーちく。
思い浮かべると誰しもが想像するチーちくの姿があります。
でも、そのイメージしている姿自体が固定観念かもしれません。
基本的にプロの料理人には固定観念がありません。
通常イメージするチーちくやちくキュウの姿ですが、小さく切ることで、中のチーズやキュウリといった具材の両サイドを少しずつ、少しずつ、小さくすれば積み重なって大幅に少量で済ませることができます。
原価を安くしたい居酒屋などでは通常この姿でしょう。
そこでお客さまを喜ばせるプロの技。
中のチーズがはみ出ています。
たったこれだけの計らいでも、出されたお客さまはみなすごく満足し嬉しい気持ちになります。
チーズは極ありふれたプロセスチーズでなく、
高級なレッドチェダーチーズをブロックでこれでもかというほどの大きさにしています。
また、ちくわは、表面をこんがりと焼き、ちょっとひと手間で香ばしくしています。

プロの匠の技シリーズ。
今回は煮卵。
出汁にショウガを使っています。
テーブルにお出しする際、そっと横に小さくショウガが添えられています。
そうすると、そのまま煮卵がドンと出てくるよりも、ショウガを使って煮込まれているんだな、と手が込んでいるのが伝わりますし嬉しい気持ちになります。
和食のお皿がないので、取りあえず形だけとなりますが・・

さらにこちらはどうでしょう。

じつは出汁に焼ちくわも使っているのですが、ここまで出してしまうと、
メインはどちらなのかと・・ちょっとやりすぎになってしまいます。
わからないところ(隠し味)があるからよいというのもあります。
何が使われているのかわからないけどとても美味しい、といった部分も残しておくことも大切なのだそうです。
みんな大好きなパスタ。
スーパーなどに並べられているパスタの裏面の原材料名を見ると、多くのパスタに「デュラム・セモリナ」と書かれています。
デュラムとは、小麦のなかでもパンや天ぷら粉などに使われる小麦とは品種の違うもので、デュラム小麦のことをさしています。
地中海沿岸、中近東、アメリカ、カナダなどの各地で生産されています。
デュラム小麦は生の状態では透き通った黄色の麦で、たんぱく質含有量が多く非常にかたく、通常の小麦のようなパウダー状には加工せず、粗く加工するのが通常です。
製粉工程で小麦をかるく粉砕することによって、胚乳を細かくしないで、ざらめ状で採り出します。

そして「セモリナ」というのは、挽き方の名前で、先述したように粗く加工した「粗挽き」という意味になります。
そのため、原料に「デュラム・セモリナ」と書かれます。
なぜこのように、「デュラム・セモリナ」を原料としたパスタが生まれたのでしょうか?
粗挽きにした「デュラム・セモリナ」を原料としたパスタは、特長として、良質のたんぱく質を多く含み、弾力性に富んでいるので生地の形成がしやすく、ゆでてもコシが強く形がくずれにくいことがあげられます。
このあたりは良く知られていますが、
その他にも、あまり知られていない重要な理由があります。
「デュラム・セモリナ」を原料とした本場イタリアのパスタは、何年持つかご存知でしょうか。
なんと、50年にもなると言うから驚きです!
見た目での判断としては、乾燥してヒビが入るまでは食べられる状態、とされています。
パンや天ぷら粉などに使われる通常の小麦や、また粗びきでなくパウダーにすると、すぐに乾燥しこのヒビが入ってダメになってしまいました。
そこで困った当時の人々から考えられたのがデュラム小麦を使ったセモリナという製法だったのです。
世界中どこの国でも、古くから知恵として受け継がれている食の保存法があります。
長期保存できるだけでなく、食材が熟成し、うま味成分を増加させたりまろやかな味わいに変化するものもあります。
パスタにも、食感や味や栄養や見た目だけでなく、食糧の保存、という古人の知恵が詰まっていたのです。