7年ほど前に菌の性質に心惹かれて以来自身で麹菌や乳酸菌を自然発生させたり培養させたり、またそれらを使って発酵食品を作ったり、新たな漬物の方法を編み出したりして大いに愉しんでいます、なかでも大興奮したのは糠床を使わない糠漬けを発案し種菌を一切使わず乳酸菌を自然発酵させて成功した時です、自身の理論が正しかった証明でもあり、これをきっかけに更に菌の世界に魅了されていきました。
菌を知ると冷蔵庫などで保存している食材の状態が明確に解るようになります、例えば腐っているのか過発酵しているのか、食材の表面にできる白っぽいものが有毒なカビなのか無害な麹や酵母なのかなども手に取るように解ります、多くの人が食材に異物が発生すると腐ったりカビが生えたと思って捨てています、逆に例えば生ハムやナチュラルチーズなどの食材が最も美味しくなるマックス状態だとしたらなんともったいないことをしているのでしょう、でもこれが世間一般の現実なのです。
それでも何年も菌生活していても未だに未知の状況に遭遇します、でも各種の状態や状況を多数経験していると初めての状況でも匂いや触ってみただけで味見することなく的確に腐敗と発酵が判断できるようになります、7年前は近寄るのも恐る恐るだった菌との共生活でしたが今では菌を自分の都合に合わせて自在にコントロールし発酵食品のアレンジが思いのままにできるようになりました。
先日も梅の塩漬けの表面に白い幕が張りました、その状況を見てすぐ「産膜酵母」が発生していることが解りました、産膜酵母そのものは無害であり正常に発酵している証拠でもあるのですが放置すると食材が過発酵によって著しく味が落ちたりその状況が過ぎると本当にその上にカビが生え腐敗してしまいます、したがって漬け汁を捨て梅を洗い直して新たに塩度を上げた漬け汁で付け直したのです、こういった判断と処置が瞬時に行えるのです。
また野菜栽培にもカビの仲間である糸状菌の存在が必須です、この菌が土壌に適正数存在すると地力が高いといい存在しないもしくは存在数が少ないと地力が低いといいます、この糸状菌は面白い性質を持っており植物の根と絡み合って根に栄養素を伝達するのです、しかし多くなりすぎると植物を分解して枯らせてしまいます、ここにも土壌の状態から見えない菌の存在や状態を見極め菌をコントロールできるノウハウが重要になります。
これも全てベランダ菜園を通して何度も何度も実験を繰り返して自身の目で確認した結果において糸状菌をコントロールできるようになったのです、そしてこのノウハウを農地栽培に応用して新たな野菜作りの方法を編み出せたのです、少ない面積でしかも短期間に大量の野菜を作るにはどうするか、見た目はただベランダで発砲スチロールやペットボトルで遊んでいるようにしか見えないでしょう、でも私なりの考えが正しいかどうかを時間をかけて何年もかけて実証していたのです、菌は本当にすごいパワーを秘めているのです。
各種の菌の性質を知って自由に扱えるようになると本当に愉しいです、オーバーな話ですが食生活を何倍も価値あるものにさせてくれます、同じ食材でも菌の力と待つ時間を惜しまなければ極普通の肉や野菜が高級食材に変わるのです、そして食べて美味しく健康と長寿の薬に変わるのです。
本丸の庭に果樹園や畑にはたくさんの野草や樹木が生えています、徐々にこれらの植物を写真を撮っては調べているのですが、調べれば調べるほど薬膳茶として利用できる植物が多いことに驚きます、まさに本丸は薬膳茶の宝庫です。
私は中学生の頃から大のコーヒー好きで社会人になってからは1日にレギュラーコーヒーで5杯は飲んでいます、ところが冒頭に書いたようにお茶になる植物の宝庫でそれぞれ生薬として効能が謳われているものばかりです、なかでもタンポポ・ナズナ・ドクダミ・スギナなどは漢方薬にもなっているし健康茶として売られています。
そんな感じでお茶の宝庫であることが解り今後は健康茶を研究してみようかと考えています、道楽を通してみんなが健康になればそんな喜ばしいことはありません。
ということでこれまでドクダミは実際に試しているし時々飲んでいるのでスギナ茶を今回作って試してみました、思いのほか甘くて美味しいのです、これコーヒーの代わりに飲めばきっとよく眠れるようになるのではないでしょうか、精神安定にデトックス、そしてなんといってもアンチエイジングに効く成分と鉄・リン・カルシウムなどのミネラルもたっぷり入っています。
今年は既に時期遅しでしたが来春はナズナを試してみようと思います、また野草だけではなく樹木としても柿・栗・桜などがあり昨日ビワの木が手に入りましたので数年後には葉をお茶にできます、花ではモクレンなどお茶にできる植物も豊富にあります、梅などの果実に加えてお茶になる植物と、まるで私の老後は生薬に囲まれて暮らすようです。
大自然の中で暮らすということは大自然に生息する植物や動物との触れ合いも必ず付いてきます、動物では野鳥やカナヘビなどは当たり前ですが昆虫類も多数遭遇します、蟻や蚊に始まり蜂にバッタ類と子供の頃に草原や山で遊んでいた時のことを思い出します、もう見ることも無いだろうと思っていたキリギリスやトノサマバッタとの遭遇は興奮すら覚えました。
毎回お手伝いで参加する女性陣も昨年はカナヘビや蜂にかなりビビッていましたが今では慣れたのか平然としています、ただ蚊とブユだけは受け入れられないようです、今春も早々に蚊とブユの洗礼を受け意気消沈気味になっていました、私はというと子供の頃にいろいろな動物を飼っていましたのでどんな昆虫や爬虫類などの生き物が生息しているのか興味津々です、植物と同様にこの地に生息する動物も記録していきたいと思います。
ネットで調べてみるとこの地には意外にも絶滅危惧種の昆虫類が多いようで是非とも実際に見てみたいと思っています、この地に住むようになったらあちこちの山へ散歩がてらに探索したいと考えています、またビオトープを庭に造ろうと考えているので各種の爬虫類や昆虫類が生息していることは実にありがたいと思うのです、何故なら庭に池を作るだけでビオトープが完成してしまうからです、ちなみにビオトープとは自然の中にある池や沼などの水中と陸上の動植物の小さな空間を指しています。
東京でビオトープを行おうとすれば大きな水槽などで閉じた空間を創り人工的な池や自然を創り、そこにメダカや昆虫類を買ってきて放さないといけないのです、私はいつか自然の中で自宅の庭にビオトープを創りたいと思っていたのでまさに本丸はぴったりの空間なわけです、いままではここに生息する野草を気にしていましたがこれからは昆虫類にも注目することにしましょう。
このところ梅の話ばかりになってしまうのですが、結局今年は硬い若い青梅から完熟した梅まで計5回に渡り約80kg収穫しました、4回めと5回めだけで40kgで1日おいての収穫となり洗ったり加工したりの処理に2人がかりで2日もかかってしまいました。
完熟梅は生食でも食べられる希少な存在ですが日持ちがせず1日か2日で傷んで食べられなくなってしまいます、その意味で若い青梅のように1週間も放置できません、それでも買うことができない貴重な完熟梅を生食したり加工して長期保存可能にできたことは今後の良い経験となるでしょう。
若い青梅は種が未熟なので塩漬けにしたりピクルスにすると種を取らずに丸ごと食べることができるのでおつまみなどには最適です、また抗酸化や抗菌作用が優れているのでアンチエイジングのサプリになったり糠床のカビ防止などにも有益に使えます、更には若い青梅の梅酒が本当にさっぱりしていて美味いのです。
完熟梅は天然の海塩で漬けると柔らかいまろやかな味の梅漬けができます、買うと1粒100円ほどしますが毎年自家製を造れるのはうれしい限りです、しかも無農薬且つ防腐剤も入っていませんから安心してご飯のおかずに焼酎割に使えます。
梅を使った加工食もいろいろ造りました、梅酒・梅の塩漬け・梅ペースト・梅ジャムにシソを使った練り梅は絶品でした、今後こういったレシピなども研究していきたいと思います、中国では梅は長寿の薬として定着しています、なるほど調べれば調べるほど効能が素晴らしいです、梅で健康に長生き出来たら本当に素晴らしいことだと思います。
昨年はオフィスにある休耕畑を利用して実験的にサツマイモを植えて放置栽培してみました、これが意外や上手くいったので今年は本格的に自然農の研究を始めています、オフィスの畑の中に人口畝を意図した自然木の枠で作ったレイズドベッドを設置しジャガイモ・プチトマト・長ナスなどを植えました、また少し肌寒さが残る3月中旬にもかかわらず畑の真ん中にカボチャも4株植えました。
先日ジャガイモの葉が枯れており収穫のサインが発生していました、まさかと思ったのですが何と通常の半分以下の期間で思いのほかたくさんのジャガイモを収穫することができました、いろいろ調べて独学で編み出したレイズドベッドを使った自然農が大成功を収めたのです。
また本丸の畑には時期をずらしてのカボチャ4株に加えて唐辛子4種8株に水ナス4株を植えました、加えて水耕栽培の実験で余っていた10種ほどの種を適当に撒いておきました、自然農は育った野菜から種がこぼれ落ちで翌年自然に芽が吹いてくることを理想としています、その意味で人間が手厚く世話をしては意味が無いのです。
そういう意味では勝手にここに定着する野菜は何かを見極めるヒントになればと考えていろいろな種類の野菜の種を撒いたのです、2週間後の結果はほぼすべての野菜の芽が吹き順調に育っていますが一番定着すると思っていたルッコラが元気がなく意外な結果でした。
ルッコラは元々は野草です、なので一番放置栽培に向くと考えたのですが現在売られているルッコラの種は人工的に改良された野草そのもののルッコラとはだいぶ違っているようです、新芽は全て虫にやられて見るも無残な姿になっていました、まあこれも全てが実験です、いろいろな実験と結果を通してこの本丸の地に最適な自然農を生み出していきたいと思います。