
春先に代表のオフィスの庭でひょっこり顔を出しました。
雪解け直後に花を咲かせ周囲の木々が茂る夏前には実を結んで地上部が枯れる春の訪れを告げるスプリング・エフェメラル(春植物)の代表的な植物です。
太くて黒褐色の根茎とそこから出る多数の根を持ち、全草が有毒で特に根と根茎に毒成分が多く含まれます。
茎は開花当初は短く花が咲いた後に徐々に茎が伸びて葉も広がり高さ15〜30cmほどになります。
葉は互生し3〜4回羽状に細かく裂けた形ですが開花当初はほとんどなく花が終わる頃に大きく広がるのが特徴です。
花は直径3〜4cmほどの黄金色で光沢のある多弁花で、日差しを受けると開花しますが夜や曇りの日には閉じます。
花弁をパラボラアンテナ状に広げ中心部に太陽光を集めて花内部の温度を高め、密はありませんが虫を誘う役割があると考えられています。
実は長さ4〜5mmほどの倒卵形の痩果(そうか)で全体に短い毛が生え毒があります。
一番に春を告げるという意味で「フクツグソウ(福告ぐ草)」と名付けられましたが、ゴロの悪さからフクジュソウ(福寿草)になったとされています。
別名のガンジツソウ(元日草)やツイタチソウ(朔日草)は旧暦の正月(2月)頃に咲くことが由来です。
学名:Adonis ramosa
分類:キンポウゲ科フクジュソウ属
開花時期:2~4月

豪華な花が長期にわたって楽しめるのが魅力。

代表の本丸の玄関先にそっと地植えされています。
草丈50~80cmほどで茎は直立し、葉は緑色の光沢があり丸みがあります。
ピンク、白、赤、黄色など多彩な花色があり、甘く上品な香りを放ちます。
「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」という言葉に象徴されるように高貴な美しさを漂わせる女性に例えられるとても優雅で豪華な花です。
同属の植物でよく似ているボタンは木本(もくほん)で冬も枝が残りますが、シャクヤクは草本(そうほん)で冬は地上部が枯れ地中の根や芽で冬越しする点で区別できます。
日本へは平安時代以前に薬草として伝えられ根が漢方としての効能があり鎮痛などに用いられています。
また、観賞用として多数の園芸品種がつくられ、これらは「和シャクヤク」と呼ばれます。
シャクヤクは品種が多く、一重咲き、半八重咲きのほか、雄しべが花弁のように変化したもので変化の度合いや形によって金しべ咲き、翁咲き、冠咲き、手まり咲きに分けられ、他にもバラ咲きや半バラ咲きと呼ばれるタイプもあります。
学名:Paeonia lactiflora
分類:ボタン科ボタン属
開花時期:5~6月

代表のオフィスの庭で抜いても芽生えいつの間にか咲き続けています。
草丈は50cm~1mほどの多年草で温暖な地域では地上部が枯れても根(球根)が越冬し春に再び芽を出しますが、寒さにやや弱いため日本では一年草として扱われることが多いです。
花は夕方から咲き始め翌朝にはしぼんでしまうのが特徴的で、咲き始めた時間に濃厚で甘いオリエンタル系の強い香りを放ちます。
これは夜行性の蛾などの昆虫を誘引し受粉を確実に行うためのもので、植物が効率的に子孫を残すための戦略的な生態メカニズムです。
昼間は花を閉じて午後4時頃の夕方から翌朝にかけて花を咲かせる習性から「夕化粧(ゆうげしょう)」という別名もあり、英名でも「Four O'clock(フォー・オクロック)」とも言われます。
なお、学名にある「Mirabilis(ミラビリス)はラテン語で「不思議な」「素敵な」「驚くべき」といった意味を持つ言葉で、分類学者カール・フォン・リンネが1753年にこの植物に学名を与えた際、その魅力的な特徴に感銘を受けて名付けたと考えられています。
開花期には次々に花芽を上げて咲き続け、花の色は赤、白、黄、ピンクなど多彩で1つの株から複数の色の花が咲くこともあります。
花が終わった後には黒く丸い種子をつけこの種子を割ると中から白い粉(胚乳)が出てきます。
この白い粉がかつて女性が化粧に使っていた白粉(おしろい)にそっくりであったため、「オシロイバナ(白粉花)」と名付けられました。
この種子は有毒成分が含まれており誤って口にすると嘔吐や下痢を引き起こす可能性があるので注意が必要です。
非常に丈夫でこぼれ種でもよく育つので、環境が合えば何もしなくても毎年同じ場所やその周囲にたくさんの株が生えて雑草化することもあります。
学名:Mirabilis jalapa
分類:オシロイバナ科オシロイバナ属
開花時期:6~10月

世界中で愛され、その優雅で美しい花姿と甘く濃厚な香りが特徴の誰でも知っている植物。
代表の本丸の庭やオフィスの裏に突如芽生え、可憐に咲いています。
球根植物で鱗片(りんぺん)が重なり合ったような独特な形をしていて食用になる品種もあります。
茎は紫赤色を帯び高さが2m近くになるものもあり、平滑又はパピラ(乳頭状の突起)があります。
葉はまばらにつき、線形から狭披針形です。
花の形は、ラッパのような筒状、花びらが大きく反り返る反転、花びらの基部が透けて見える盃状などがあり、咲く向きも、上向き、横向き、下向きと多様です。
白、ピンク、黄色、オレンジ、赤など多彩な色があります。
特に、カサブランカなどのオリエンタルハイブリッドは、その豪華さと香りで人気です。
花びらは6枚に見えますが、外側の3枚は萼(がく)が花びらのようになったもので、内側の3枚が本来の「花びら」です。
日本には、ヤマユリやササユリ、テッポウユリなどが野山に自生しており、古くから愛され、庭植え、鉢植え、切り花に加え、ゆり根を食用にするなど、さまざまな楽しみ方があります。
晩夏に咲くタカサゴユリは台湾原産ですが、日本の道端などで旺盛に繁殖しているのをよく見かけます。
ユリはすべての部分(花、葉、茎、花粉、花瓶の水など)に毒性があり注意が必要です。
学名:Lilium
分類:ユリ科ユリ属
開花時期:5~8月

代表のオフィスの庭のフキとともに地面を覆っています。
葉は根元から生え長い柄があり卵円形から広卵形です。
細長い茎が地面を這うように伸びところどころで根を下ろして広がり、この様子から「ジシバリ(地縛り)」という別名もあります。
高さ8~15cmほどの花茎を伸ばしその先に直径2~2.5cmほどの黄色い頭花を1~3個つけ、タンポポのような形ですべて舌状花(ぜつじょうか)からなります。
果実は紡錘形で先端が細長いくちばし状になり、白い綿毛の冠毛がついて風で遠くまで運ばれます。
日本全国、朝鮮半島、中国に分布し、日当たりのよい山野や里山など比較的乾燥した場所に生え、岩場でも生育する生命力の強さと葉や茎に苦みがあることに「岩苦菜(イワニガナ)」の名前の由来があります。
学名:Ixeris stolonifera A.Gray.
分類:キク科ニガナ属
開花時期:4~6月