2025年9月14日 09:00
樹高は2~4mほどになり、葉は互生で先端が3つに浅く裂けることが多く縁には粗い鋸歯があります。
暑さで人や植物が元気のなくなる季節に涼やかで大きな花を次々にたくさんつける貴重な存在で、色は白、ピンク、紫、赤、青など多彩で、形も一重咲きや八重咲きなど様々です。
一日でしぼんでしまう一日花ですが、新しい花が毎日咲き続けるため、長期間にわたって愉しむことができます。
南国を思わせる花ですが耐寒性が非常に強く北海道でも地植えにすることができるほどで、非常に丈夫で刈り込みにも耐えることから街路樹としても利用されます。
実は花の後にできる蒴果(さくか)で卵形や球形、熟す前は緑色で晩秋から冬にかけて茶色く乾燥し硬くなります。
熟すと先端が5つに割れて星のような形になり、中には平たくて小さな種子が多数入っていてそれぞれに毛や翼(よく)が生えているので風に乗って遠くまで運ばれる仕組みになっています。
漢字では「木槿」と書きます。
ムクゲの名の由来は、中国名の「木槿(ムージン)」の音読みから「モクキン」に変化した節や、韓国名の無窮花(ムキュウカ・ムグンファ・ムキュウゲ)が変化した節など諸説あります。
韓国では国の繁栄を意味する花として国花になっています。
栄華のはかなさに掛けたことわざで「槿花一日の栄(きんかいちじつのえい)」や「槿花一朝の夢(きんかいっちょうのゆめ)」といったムクゲの花が一日でしぼんでしまう刹那的な言葉もあります。
同じアオイ科フヨウ属のフヨウと見た目がとても似ていますが、一番簡単な見分け方は葉の形にあります。
ムクゲの葉は小さめで形は鋸歯で切れ込みが入っていて深緑、フヨウは大きな葉で手のひらのような形で明るい緑色をしています。
樹形は、ムクゲが直線的で垂直に立ち上がるので硬質な雰囲気、フヨウが放射状に広がるように伸びるので柔らかな雰囲気があります。
代表の本丸の玄関脇にあるムクゲは改修時に障害となりそうなので、少なくとも相当な剪定が必要になりそうです。
学名:Hibiscus syriacus
分類:アオイ科フヨウ属
開花時期:7~10月