2026年7月 9日 10:00
スピーカーの一番上にある小さなツイーターは高音を専門に鳴らすユニットでありその構造には特有の工夫が詰め込まれています。一般的なドーム型はお椀をひっくり返した形状でボイスコイルが外周の淵に直接接着されています。これにより超高速で振動させても振動板がたわむ分割振動を防ぎ正確に空気を押し出すことができるようになっています。また高音は真っ直ぐ進む指向性が強いため小さなドーム状にすることで部屋全体へ音を拡散させる役割もあります。
この振動板の素材は音色を大きく左右します。主に絹や布を用いたソフトドームとアルミやチタンなどの金属を用いたハードドームに分かれます。前者は余分な響きを吸収するため耳に刺さらない滑らかな音が特徴であり、シルク布などが採用されたツイーターなどがあります。後者は圧倒的な解像度とキレのある音が魅力ですが設計が悪いと金属的なシャリシャリ感が出やすくなります。アルミは柔らかく(マイルドな音)、チタンは硬く(シャープな音)、それぞれの特徴を生かした音になるようです。
この繊細なツイーターを動かす上で絶対に欠かせないのがネットワーク回路で低音を遮断することです。ツイーターは高音用に極限まで小さく軽く作られています。ここに大きなエネルギーを持つ低音の信号がそのまま流れ込むと小さなボイスコイルは耐えきれずに一瞬で焼き切れてしまいます。そのためコンデンサなどを挟んで低音を完全にシャットアウトしデリケートなユニットを保護しながら澄んだ高音だけを安全に響かせています。