2024年12月31日 06:00
繁華街の場末に民家を改造した小さなビストロがある。
メニューは「本日のコース」しかなく料理だけで1万円。
旬の食材を活かした料理で全てがシェフのお任せ。
何度か足を運ぶが同じ料理が出てきたことがない。
飲み物代入れて平均客単価はかなりの額になる。
全席予約制で1か月以上も予約が埋まっている。
こんなビストロをどんな人が経営しているのだろうか。
調べてみたらオーナーシェフは靴製造会社の現役の会長である。
料理好きの道楽で始めたビストロなのだそうだ。
ところで経歴を誇るだけの料理人とは何だろう?
料理は食べてみないと解らない。
そこに食材だの経歴などは無関係である。
単純に美味しいものを気分良く食べたいからそこに行く。
プライドだの拘りだのを出しているうちは三流もよいところである。
結果が出なければ経験も技術も意味のないお飾りに過ぎない。
プロと言うなら現実を直視することだ。
料理に限らず全ての世界のプロに言えることである。
※従心(じゅうしん)とは、孔子論語の「七十にして心の欲するところに従えども矩 (のり) をこえず」という節を起源とする70歳代の呼び名である。