2024年5月31日 00:00
円安が止まりません、ついに先月末には対ドルの瞬間値で160円をつけてしまいました、つまり2年前に比べて40%も一気に加速的に円安が進行しています、その煽りで輸入品は1年で倍になり賃上げ分は瞬間的に水の泡と消えました。
このスーパー円安を受けて海外観光客の伸びも著しく観光名所ではインバウンドバブルが起きています、そして寿司屋をはじめ外食産業で大幅な値上げが発生し日本人からどんどん高級食材が遠のいてしまう結果となっています。
そんなスーパー円安は経済指標にも現れています、それは国の経済力を示すGDPです、日本は昨年ドイツに抜かれ4位に転落しました、そして2030年ごろと予想されていたインドにも来年度に抜かれ5位になる公算が出てきました、次いでイギリスにも抜かれることは疑う余地もありません。
ちなみに先進諸国でGDPの伸びが右肩下がりなのは日本だけです、一時期低迷していたヨーロッパ各国も新型コロナウイルス禍を他所に右肩上がりの状況です、いずれにしても2050年には10位以下となるのは必至で今更何を講じたところで人口減少が止まらないのですから改善の見込みは期待薄です。
むしろ上位で無理してGDPを伸ばそうと国民に負担を強いるよりも、国力は低位でも豊かに暮らせる国にしてほしいと願います、政府は海外協力投資よりも国内投資に資金を向けてほしいです、まあ遅からずGDP10位ともなればそうせざるを得ないのですから甘んじてGDPの降下を受け入れ静観しましょう。
ところでこのスーパー円安を受けて巨万の富を得ている国があります、それはずばり日本です、何故なら日本は世界一の外貨準備高を誇る国だからです、世界的にGDPの約5%の平均値に対して日本は驚くことに25%の外貨保有率を誇ります、政府も日本銀行も危機的な円安になっても円安を容認しドル売りのタイミングを図る余裕すら見せています。
ちなみに円安を追い風に23年度の日本の経常収支は25兆4,000億円と突出の過去最大額となり22年度より16兆円も増加しているという事実があります、ということで為替介入には消極姿勢となり当面円安は続くでしょう、ただし一旦円高にトレンドが振れた場合は日本銀行は絶好の好機と捉え一気にドル売りをしかけ130円近辺まで戻すと思います。