2023年10月 6日 00:00
いよいよインボイス制度が実施されました、ここで驚くのが1年以上も前に施行が決まり内容を開示していたにもかかわらず今更ながら反対や延期の意見が大挙して出始めていることです。
私のメイン法人やグループ法人は早々に準備を行い適格法人の届出を行いました、そしてこれまでと同様に得た消費税から支払った消費税を引いた金額を納税すれば何事もなく済むわけです。
ところが大騒ぎをしている人たちは何故反対しているのかというと、これまで法人で1,000万円以下の売り上げであれば消費税を得ても納税しなくて済んでいたからです。
それが今度は適格法人の届出をした瞬間に1,000万円以下であっても得た消費税から支払った消費税を引いた金額を納税しなければならなくなります。
では届出をしなければよいかというとそこには厳しい現実が待っています、それは取引相手が取引に応じなくなる可能性があるからです、何故なら適格法人の届出を行っていない事業者との取引には支払い消費税分が減額されるからです。
これは何を示唆しているのかというと、適格法人でない事業者が本来支払わなければならない消費税を肩代わりして国に納めなくてはいけないことになります、したがって適格法人でない事業者との取引を敬遠するようになるのです。
つまり、これまで消費税を貰っていながら収めなくてもよかった法人が売り上げに関係なく貰った消費税から支払った消費税を引いた金額を納税するようにするか、それとも売り上げ減少を覚悟して届出をせずに適格法人でなくても取引してくれるところとだけ取引するかという二者択一となります。
私が思うに売り上げ規模に無関係に全ての法人は貰った消費税から支払った消費税を引いた金額を支払うべきだと思うのです、それが公平なるフェアトレードの精神というものです。
それを消費税率を上げる際に一時的な処置として売り上げ1,000万円以下の法人に消費税の納税を免除してきたわけです、これまでが低収益法人の納税に対して寛大過ぎたわけで正常に戻すだけの処置だと思うのです。
ただインボイス制度の導入は正直全ての法人の会計が面倒になります、この中途半端な方式導入に異を唱える法人が出て当たり前だと思います。
政府は小規模法人の反発を恐れて消費税の免除を取りやめる方針を出さずに、代わりに中途半端なインボイス制度という仕組みを作り上げたのです、この覚悟の無さが取りやめ以上に反発されるのを予想できなかったのでしょうか。
事業を行ったことも無い人達が考える事とは、いつの時代も現実離れした空想の範囲でしかないと言われても返す言葉もないでしょう。