2021年11月 6日 00:00
随筆「支配者」、いよいよ最後のまとめに入ります。
そもそも「共生」という生命体の関りは「真核生物」だけに見られる生態系です、そして「真核生物」は「古細菌」から突然変異して地球上に発祥しました。
その発祥の過程において、「古細菌」の一つである「ミトコンドリア」を細胞内に取りこみ細胞核を持つ細胞の塊である生命体となり独自の進化を遂げてきたのです。
ここで、生物学的にも「ミトコンドリア」を取りこんだのではなく「ミトコンドリア」が寄生したことによって「真核生物」が誕生したという説が根強く存在している事実があります。
つまり、「真核生物」の植物・動物・菌類は同じ「ミトコンドリア」が細胞内に寄生しているという見方もできます。
「ミトコンドリア」は「真核細胞」の中で独自のDNAにより分裂し、寄生先の細胞が分裂することにより種の保存を行っているのです。
人間で例を上げると、心臓や肝臓は「ミトコンドリア」比が高い細胞によって構成されています。
全身では1つの細胞内に数百個の「ミトコンドリア」が存在し、体重の約10%の質量が「ミトコンドリア」という比重になります、つまり体重60Kgの人はミトコンドリアだけで6Kgもの量になるということです。
また、「古細菌」は単細胞ですが「真核生物」は細胞結合を行い多くの生物を地球上に齎しました。
人間で言えば最近になって計算し直され、約37兆個もの細胞の結合によって構成されています。
つまり、人間1人の体内に生息する「ミトコンドリア」の数は平均で1京2000兆個となるのです。
またミトコンドリア比重が高い人はエネルギッシュでタフであるとされ、体温も高く生体電磁波も強力で病気知らずです。
この生体電磁波の大きさが他者に伝わると、「オーラを感じる」とか「圧を感じる」と表現されるのだと考えられています。
さて、ここで「共生」を再度考えて見ましょう。
「寄生」にしても「相利共生」にしても、どのような「真核生物」同士の関り合いであっても、必ず「ミトコンドリア」は何らかの「真核生物」内で生き続けるという事実があります。
何かが犠牲になっても、その犠牲の上で必ず「ミトコンドリア」だけは種の保存を行えているのです。
また、近年の研究によって「ミトコンドリア」は「真核生物」の細胞分裂やアポトーシス(細胞自殺)を制御していることも解りました。
これは極めて興味深く、研究者の中には「病死の多くはミトコンドリアが住みにくくなった環境を捨てる行為」だと言う人までいます。
動物の時間感覚や植物の同種同時開花などのシンクロナスティにも「ミトコンドリア」が関っていることが解りました。
時計も窓も無い部屋で1ヵ月生活するとどうなるかという実験が過去になされました、その結果被験者の全てが25時間周期の生活リズムになったのです。
この実験の結果、DNAに元々仕組まれている1日の時間感覚は25時間ということが解りました。
でも、人間が地球上に発生してから地球の自転周期は24時間である事が既に解っています。
ここから、研究者の中には25時間周期というのは「ミトコンドリア」の時間感覚ではないかという推測までなされているのです。
これらを総合して考えるに、食物連鎖や「共生」という地球上のエコシステムや個々の生態の全てが「ミトコンドリア」が種の保存を行うように作り上げられたシステムなのだと考えられないでしょうか?
「共生」という異種生命体同士の摩訶不思議な関係も、「ミトコンドリア」の種の保存による現象と考えると、そのように互いを進化するようにコントロールしてきたと考えると全てが理解できるようになります。
私の大きな疑問であった、脳の無い植物や菌類が相手に合わせて進化する疑問もこれによって明確に解けます。