2021年10月30日 00:00
私は、「共生」という植物・動物・菌類間での異種生命体相互の共存関係は、「真核生物」が地球に誕生した瞬間に生まれたのではないかと考え、地球に「真核生物」が誕生した過程を調べることにしました。
これは、脳の無い植物や菌類が何故共生相手の習性を利用できるのかという大きな疑問を解く目的でもありました。
そもそも、「生命体」とはいったい何を指して言うのでしょうか。
「生命体」は思想や宗教的な意味も含めると無数に定義が分かれます、ここでは本質に迫るということで生物学的見地によって科学的に話を進めることにします。
まず、生物学でいう「生命体」の条件は3つあります。
一つは「自己繁殖能力」で、細胞分裂なども種の保存という定義からすれば繁殖の一つです、簡単に言えば種を永代に渡り保存し自ら成長をしていくものと言えます。
もう一つは「エネルギー代謝能力」で、生きる為に必要なエネルギーの元を摂取し体内で必要なエネルギーに変換する能力を指します。
最後の一つは「恒常性」で、環境の変化にあっても生体を維持していけるという能力であり、体液濃度や成分の安定性や恒温動物では体温調節などもこれにあたります。
こういった観点で「生命体」を考えると、皆さんが考えている「生命体」という世界とはまったく別のものになってきます。
地球上の「生命体」は、植物と動物の2種類だと考えている人は実に多いと思います。
また植物から進化して動物になった、つまり生命の始まりは植物からだと考えている人も多いのではないかと思います。
しかし上記は全て誤りであり、生物学的には50年以上も前に「生命体」の分類と進化の過程はほぼ解明されています。
「生命体」という意味では、まず植物と動物は生物学的に見るとどちらも同じ地球上で最後に進化を遂げた最も新しい「生命体」です。
もう一つ、植物と動物以外のカビやキノコなどの菌類も含めて「真核生物」に分類され、細胞学的に言えばこの3種は同じカテゴリーの「生命体」ということになります。
また、植物と動物の発祥は同時期に突然的に地球に現れています、つまり植物から動物が進化したのではないのです。
ある一つの「生命体」からある時に植物と動物にそれぞれ突然的変異によって枝分かれして、それぞれがそれぞれの方法によって進化してきたのです。
その共通の祖先は何なのか、そしてその時に何が起きたのか、ここに「共生」の真実が隠されているのではないでしょうか?
さて生命体という観点で言うと、植物や動物は最後に誕生した「真核生物」ということですが、海や地中に生息するバクテリアなどは地球上の生命体全質量の80%以上を占めるとも言われています。
現在の地球上に生息する「生命体」は大きく分けて3種類です。
一つは「古細菌」、これは最近になって「真正細菌」からゲノム研究などにより分類されました。
「古細菌」は海中深くの海底火山の温水で発見されたもので、今では地球全土を覆う最も数も総重量も多い「生命体」と考えられています。
そして、「古細菌」とほぼ同時に地球上に誕生した生命体が「真正細菌」です、最近では単に「細菌」と表記されることもあります。
「真正細菌」はDNAがむき出しになっており「真正細菌」の世界ではDNAを他種の細菌に注入して種を増やすなどの発見もあり、我々が考える種の保存とは程遠い世界が繰り広げられています。
進化の最後に細胞内にその細胞とは異なるDNAを持った古細菌の一種であるミトコンドリアを取り込み、細胞核を持った「生命体」が地球上に現れます。
これが、現在我々が「生物」として認知している植物であり動物であり菌類なのです。
また「真核生物」は、DNAを持つ「真正細菌」から進化したのではなく突然変異的に「古細菌」から進化したことも解っています。