2021年10月23日 00:00
「寄生」、「片利共生」、「片害共生」という生命体同士の関りについて話してきましたが、ここで「共生」とはそもそもどのような現象なのかという話しを復習しておきたいと思います。
生物学において、異種の生物同士が何らかの関わりを持って共に生存する現象を「共生」と呼んでいます。
ここで重要なのは、「共生」には利害関係から4つのパターンに分けられるという点です。
これらを理解することもまた、地球全体の生物生態を理解する為には極めて重要になるのです。
さて、生物学的に「共生」の利害関係から分ける4つのパターンとは以下に分類されています。
1つ目は、「相利共生」であり双方が利益を得る関係。
2つ目は、「片利共生」であり片方のみが利益を得る関係。
3つ目は、「片害共生」であり片方のみが害を被る関係。
4つ目は、「寄生」であり片方が利益を得てもう片方は害を被る関係。
このシリーズではあえて4つ目の「寄生」から一つ飛んで「片利共生」、また戻るように「片害共生」という順で話を進めてきました。
実は、話しの流れを考えて一つのストーリーとしてまとめようとした際に何度やっても何故かこの順となってしまうのです。
また、最後の理想の生態系である「相利共生」の話しの後で徐々に一つの解に辿り着きたいと考えています。
ここで、生物の理想の関係は1つ目の「相利共生」のみであることは一目瞭然です。
しかし、視点を変えると他の「共生」は本当に一方的な関係なのでしょうか?
私はこのシリーズを書こうと思って以来、寝る間も惜しんで膨大な量の情報を調べました。
そして調べれば調べる程に、各種の「共生」は全てが意味の有る関係になっているとしか思えなくなってくるのです。
確かに局部を見ると「寄生」や「片害共生」であっても、生態系全体を見ると一定の法則が有るように思えてきます。
「全ての地球に存在する生命体は、他の生命体と何らかの関係を持って共存している」
それが私が最初に考えたある一つの答えの裏付けとなり、当初の考えが確信に変わったのです。