大工さんと一緒に動いてくれているとりまとめ役の材料屋さんから電話があります。
「母屋のキッチンはすでにカバー工法で施工してあるよ。この床板剥がせそうだから剥がしていい?」

改修計画検討時は、既存のままでよいとか、やっぱり剥がして張り替えた方がよいとか、いろいろ検討いたしましたが、この床の上に新たにフローリング材を張る予定で落ち着きました。
ただ、この場合、敷居から床が12㎜ほど高くなるので、敷居との間に見切り板を付けるなど工夫が必要なうえ、最終的には段差ができてしまい、実は収まりがよくありません。
そんな状況のなか、母屋のキッチン設備を撤去すると一度床をカバー工法で回収している形跡がみられたのです。

↑ キッチンを撤去した右半分が竣工当時の床です。
竣工時は塩化ビニールシートの仕上げだったようです。
時が経つにつれ汚れてきたからか別館を増築したついでかはわかりませんが、カバー工法で床の改修工事をしたようです。
材料屋さんに詳しく聞くと、接着剤はそれほど強くなさそうなので手間もそれほどかからないし、新しく張ろうとしていた床材と同じ厚さだし、剥がして張った方がきれいに仕上がるから剥がそうと・・・。
反対する理由はありません。
代表も「そうしましょう」と即答です。
懸念していた一つの問題が解消され、ほっとしました。
改修工事のこの建物は二世帯住宅なのでキッチンも2つあります。
もちろん、片方は不要となりますので母屋側の流し台は撤去です。

改修工事の方法は現場により様々で流し台などの撤去は誰がやるか状況に応じて判断します。
流し台の交換だけなら水道屋さんの工事になりますが、今回はこのキッチンの床も改修するので、大工さんの工事となります。
レンジフードや換気扇、給湯器なども不要なので撤去・廃棄です。
なお、こちらは撤去後、小さい流し台を設置することの指示が代表からあります。
前回からの続きです。
棟梁から
「風呂の方はどうする?」

改修後に風呂としては使わないことは決定しています。
水は使いますがお湯は使いません。
また、この部屋(風呂)で長時間の作業をするわけでもないので、
代表からは換気扇は無くして問題ないとの指示です。
この建物の設計図は手書きの平面図しか残っていなく、
設備がどのような設計になっているかは不明ですが、
工事をしながら必要なものを追加していったのではないかと想像します。
改修工事中にまた棟梁から電話があります。
「外から取っている換気扇の電気配線はどうする?」
最初はどこの話をしているのかわかりませんでした。
通常、内部の配線は内部で完結します。
しかしながら、歴史あるこの建物において、設計時にトイレの換気扇を付ける仕様ではなかったのか又は工事の途中で換気扇を付ける仕様変更をしたのかわかりませんが、外部コンセントから内部の換気扇の電源を取っています。

このトイレは一体的空間の一部になるため、換気扇は撤去し器具がついていた穴は塞ぐことに。
当時の裏技を垣間見ました!
実はこの改修建物、トイレが3つあります。
母屋に1ヶ所、別館の1階に1ヶ所、別館の2階に1ヶ所。
母屋側は一体的な何もない広い空間にするので、母屋のトイレは撤去です。

また、代表からは、排水管から臭気が出てこないようにしっかり蓋をするよう指示が。
臭気や虫が出てこないよう水道屋さんに防臭キャップ等で配管を封鎖していただくよう伝えます。
水道屋さんもよくわかっているので、この辺の工事はお手の物です。