今回の改修の初期から代表のイメージにあったものの一つに、観葉植物や盆栽の研究スペースとしてのサンルームがあります。
最初は茶室前の1ヶ所だけだったのですが、打合せをするにつれ、
「広縁の前も」と・・・。
そうこうしているうちに工事は進み、足場を組むころになると
「裏も!」と・・・。
表と裏では日照条件や温度変化が違ってきます。
植物の種類や植え方の他、環境条件の違いを作ることにより様々なサンプルがとれます。
とは言え、工事側は悩みます。
工事としては雨戸の戸袋が障害になるので雨戸一式を撤去しなければなりません。
材木屋さんは
「雨戸撤去しちゃっていいの?」
と、心配してくださります。
代表は、
「問題なし!」
と、回答は明確です。
戸袋撤去後は左官補修が必要ですが、今回の器用な左官屋さんはお手の物。
戸袋撤去から補修まであっという間でした。

↑ 茶室前(補修前)

↑ 茶室前(補修後)
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↑ 広縁前(補修前)

↑ 広縁前(補修後)
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↑ 裏廊下前(補修前)

↑ 裏廊下前(補修後)
きれいにモルタル補修を仕上げていただきました。

外壁に使われていないメタルの電話線が残置されています。
ご存じの通り今はインターネットやテレビとともに固定電話も光ケーブルが主流です。
それどころか、固定電話は不要という方も多く、2021年の総務省の調査では固定電話の保有率が66.5%に下がっており、30代で15.5%、20代では9.5%です。
前の住民の方が住まわれていた時から、メタル回線は不要だったので、代表から当然のごとく撤去の指示。

電話線引き込みに利用していた木製の盤がありますがこれも撤去の指示。
よく確認すると、取れなそうだなぁと思ったので、棟梁や電気屋さんに相談。
埋め込まれているので撤去しない方がよいとのことなので、塗装できれいにすることに。

足場を組み立て終え、現場が少し落ち着いた感じになったところで、よくできているなぁと壁を見ていたところ、
「よくできているだろ。これをやった左官屋は凄い腕がよかった!」
と、棟梁が隣から声をかけてきます。

何を見ていたかといいますとこの母屋の外壁はクラックがどこにもないなぁというところを見ていました。
「補修したのですか?」
と、お聞きしたところ、
「してないよ!」
とのことです。
外壁がモルタル仕上げの建物で40年を超える建物となると、窓の角から斜めにクラックが入ってくるので、補修の有無をお聞きしたところ、やってないと。
棟梁と協業してきた左官職人の中でも相当の技量を持っていたようで、棟梁もたくさんの現場でお願いしたようです。
今まで大きい地震もなかったことや地盤がよく基礎をしっかり造っていた建物ということもありますが、数十年後も当時の仕事ぶりがわかるのは見事です。
代表が購入した理由を改めて実感しました。

建物は材料が劣化します。
また、建物の周囲は時が経つにつれ、地面が下がり、構造の支点となるところは写真のようにひび割れが発生し、建物の基礎との境目には隙間ができます。
建物の構造に影響する部分ではないので、エポキシ樹脂等で補修することに。
母屋の住宅設備が次々に無くなっていきます。
洗面所の洗面台、洗濯パン、壁を撤去しました。

キッチンの壁と同様に断熱材は入っておりません。
床の大きい穴は洗濯パンの排水のところ、小さいほうの穴は洗面台の排水管ががあったところ。
給水は壁からなので、壁に上水の配管が立ち上がっています。
改修後のこのエリアは水を使わないので、給排水共に塞ぎます。

白いクロスの裏側は黒カビがありましたが、壁内部まではカビは浸透しておりませんでした。
風呂に近い床は湿気で腐食しているので、下地から交換します。