

この別館の建物、まだ不思議なところがあります。
2階の出窓ですが、二つの部屋で一つの出窓を利用しているのです。
前住人の方の話では両室ともご子息が一人で利用していたことと、図面も出窓が二つの部屋にまたがっているので部屋の使い勝手からすると問題ないと思われますが、どのような意図でこのような設えにしたのかとても気になるところです。
そうとはいえ、この別館の建物の不思議なところを冷静に考えてみると、設計図面(単線の手書き)図面の壁の位置があまり正確ではないのと単線の平面図のみしか残っていないので、建設当時はとても急いでいて検討もままならなかったのかと・・・。
キッチンとバスルームにまたがってしまっていた窓もそうでしたが半間(910mm)ずつずらせばきれいに収まったと思うのは私だけでしょうか。
これはこれでおもしろく愉しく貴重な体験をしながら改修工事をさせていただいているので感謝です。
 
 

床にフローリングを張り、壁に杉目板を張ったり、壁や天井にクロスを張ったりし、ほぼ大工工事が完了するとのことで材木屋さんから現場確認をしてくださいとのことで、確認していたところ、手を付けていないところが・・・。
「ここは張らない予定でしたっけ?」
と材木屋さんに確認すると、
「完全に見落としていました!すぐ張ります!」
今回の建物の改修は追加・追加で工事をお願いしているのと杉目板を張る面積が相当ありますので、大工さんもややお疲れ気味だったようです。
こんなことも代表はご愛嬌でしょと言っていただき、まだ工事は続きます。
 
 

別館2階の不思議な設えの収納の内部が仕上がりました。
なかなかの仕上がりで違和感はほぼありません。
ボロボロだった窓枠(鴨居・敷居)は白木の新しい枠を付けてきれいに仕上げていただきました。

↑ 壁にクロスを張る前

↑ 白木窓枠カバー
白木の部分はクリア塗装します。
と、ここで代表から「棚板の染みはどうする?」
また、難しい課題が出てきました。
棚板を塗装するか検討します。
塗装屋さんに相談すると、トップコートを溶剤で剥離し塗りなおせるが木材に染み混んでいる汚れまでは落とせないけどかなり目立たなくできるとのことです。
他には、木目が隠れてしまうくらいのベタで塗装することは簡単ですが味気ない。
さらに、材木屋さんにも相談。
材木屋さんの目線では木目調のクロスを張ってしまうのも一案。
代表に確認。
壁と同じような柄のクロスなら問題なしとのことでクロス張りに。
職人さんも仕上がった後の代表の一言にはいつもドキドキです。
 
 

徐々に塗装も完了していきます。
電話線引き込みの使われない部品を撤去し、モルタルの壁に埋め込まれている木材の枠の部分は撤去できないのでそのままですが、塗装後の仕上げはそれほど気になりません。
軒天と外壁の見切り材も白く塗装していただいております。

↑ 2回目の塗装後 見切り材は白木のまま

↑ 不要な部品撤去時 
 
 

ベニヤ板で張られていた軒天(屋根の裏側の部分)は古くなっていて、風雨で一部腐食していたりしました。
この改修の際に耐水性のあるシージングボードに張り替えます。

工事の手順としては、材料を外したり大工工事で軒天の板を設置する際に加工したりするため、仕上げ工事である塗装前に張り替えます。

↑ 塗装後の状態
写真では穴が開いているように見えますが、天井裏に空気を入れる換気口で後日換気部材を設置します。
外部も明るくなってきて徐々に気持ちのよい建物になっていきます。