伊東久雄

昔から自分の事を「大器晩成」だと言う人がいる。

しかし、これは二度と言わない方が良いと思う。

「今まで成功した事がない」ことを自ら認めているから。

そして、結果に対する原因を潔く認めていないから。

何事も過去の原因が在って今の結果が起きている。

今現在の小さな達成に対して大いに満足し、

人生の大きな目的の未達成を不満足とすること。

勝者は「満足の陰陽バランス」を上手く取れる人。

事が起きて咎められると、

「真否を説明したい」と再考を促す人がいる。

真否を説明したところで事実は変わらない。

多くの場合は真実か否かが問題なのではなく、

他者に疑われるような人間性に問題がある。

先ずは、それを真摯に受け入れるべきだ。

一度たりともクロだと疑われた者は、

潔白が証明されたところでシロにはならない。

良くてグレーと受け取られるのもまた真実。

常日頃から正しい人としての道を歩むことが肝要。

詐欺だインチキだと言われる人は、

綺麗に言い訳を並べても疑惑は更に深まるだけである。

「人生これをやったら終わり」という致命的な事項が存在する。

学歴詐称・経歴詐称、誇大広告・比較広告・釣り広告、

過大請求・架空請求、無免許・無資格・無許可・無認可、

特許侵害・商標侵害・意匠侵害・著作権侵害、知財盗用、

守秘義務違反、個人情報漏えい、契約不履行、債務不履行、

詐欺、横領、贈収賄、粉飾決算、脱税（無申告含）と・・・。

これらは金額や規模の大小に関わらず全てが犯罪である。

犯罪とまではいかなくも他者の不安や共感を煽り、

小銭を稼ぐビジネススキームは如何なるものか？

生きるためだと開き直るのもよいが、

やらない方が良いことは世には数多く存在している。

人生は思った以上に長く、世間は思った以上に狭い。

憂いを後世に残す人は極め付きの人生の敗北者である。

お金と時間の関係を陰陽で思考すると、

不思議なことに自身の置かれた状況を冷静に受け入れられる。

生活に困窮するほどお金が無くて時間だけはたっぷり有る、

これは何かにつけて邪（よこしま）なことを考えるようになる。

生活するに困らないお金が有って好きな事に割く時間が無い、

これは自覚の無いままにストレスが溜まるようになる。

生活に困窮するほどお金が無くて好きな事に割く時間も無い、

これは必死に働くしかないが現状を受け入れられず逃避する。

どんなことでも陰陽のバランスが肝要なのだ。

愉しく人生を送りたいなら適度なお金と時間を有することだ。

ただ生活に困らないお金が有って道楽を楽しむ時間も有る、

これは幸福だが意外なことに些細な事を悩むようになる。

まあ些細な悩みが有るのはある意味では成功者でもある。

これといった憂いも無く悠々自適に過ごせている証なのだから。

笑顔で日々過ごせることは最高の幸せだ。

人は何故イライラしたりムカムカするのだろう？

それは善き流れが何者かによって乱されるからだ。

ビジネスにプライベートに、

何事も善き流れを感じていれば常に笑って過ごせる。

他者の何を知ったとしても余裕で流せ、

何かしなければという強迫観念から解放される。

すべてが善き流れなら毎日を笑顔で過ごせる。

笑顔で毎日を過ごせていないなら優先すべきはたった一つ。

自身の理想郷構築の障害を早期に取り除くことだ。