自然をよく観察すると実に大きな学びがあります、その一つにいかなる事項も必ず遅延という事象が存在している事実が理解できます、一日を考えると太陽が最も高い所に昇る昼時よりも少し過ぎた午後になり気温が最高潮に達します、年間を考えると昼が最も長い立夏過ぎて暑さを増してきます、同じように夜が最も長くなる立冬過ぎて寒さが増してきます。
人間の体調も夏の疲れは涼しくなってきた秋に現れます、同じように冬の寒さを凌いだ疲れが温かくなる春以降に現れます、ビジネスも人が行うものであるなら必ずそこには遅延が発生すると考えるのが自然の摂理どおりではないかと思うのです。
事実全社一丸となっての事業推進では行動の結果は行動のピークを過ぎた後に現れてきます、したがって行動しているときには結果をじっと待つ余裕が重要となってくるのです、資金繰りなどの計画は行動と結果との遅延を意識して最初から織り込んでおかないと結果が出るのを待つことができずにガス欠で動けなくなります。
事業推進だけではありません、販売実績も実は忘れたころに徐々に結果が現れることなど珍しいことではありません、動けば直ぐにも結果が現れると考えるのは早計で何事も結果が出るのを楽しみに待つくらいの余裕が重要です。
どんなことも「行動した結果は遅延して現れる」、これを先に念頭に入れて計画に織り込んでおくことです、そうすれば結果が出ないと慌てることも焦ることもなくなるでしょう、常に心にゆとりを持ってビジネスしたければ、何事も最初から結果は遅れて現れることを意識してほしいと思います、「果報は寝て待て」の本質はこういうことです。
ただ何もしないで待っていても当然結果は何も起こることはないのは言うまでもありません、先ずは「待つ期間を考慮して資金調達する」、そして「やるべき事を手抜きせずプロセスを踏んでしっかり行う」、最後に「寝て待つ」、これが極めてシンプルな成功の方程式です、そしてこれを別事業で複数同時に並行して行う、こうすればどこかの事業で常に結果が継続的に表れていることになるのです。
「ビジネスは常に5年・10年先を見て今を考える」、これは一環とした私のビジネスに対するポリシーの一つです、これが「未来思考」であり今と未来しか考えていないということです、更に人に対しても適応していて他者の過去にはまるで興味がありません、過去にどんな事をやっていてどんな栄光があろうが今の状況がどうであり未来にその人がどうなるのかということに興味があるのです。
「未来思考」の例をあげれば一見バラバラに存在しているように見えるIT法人のサービスメニューですが、これらをメニュー化する際に思考していたのは「ワンストップ化」というキーワードです、これによってシステム導入コンサルティングからシステム構築、そして導入後のメンテナンスとアフターフォローまで獲得したクライアントを長期に渡り安定優良顧客として維持できます、そしてクライアントも安心して事業に専念できます、つまり双方にとって有益な各種利益をもたらすのです。
また過去のメイン事業であった経営コンサルティング事業では起業前のコンサルティング・起業支援・起業後の実務支援と経営者育成という一連のサービスによりワンストップ化を構築していました、またその間のピンスポットサービスとして資金調達や事業計画策定などの側面メニューも用意し実施してまいりました。
一旦は休眠した事業ですが近未来においてターゲットを高齢者に絞って再構築させたいと考えています、更には海外事業での多くの経験を生かして海外展開支援や企業成長や成長拡大には欠かせないM&A(買収合併)なども加え、起業前からIPO(上場)という出口戦略まで行える総合経営コンサルティングファームを複数の事業法人によって縦横無尽に展開させることができる方法を水面下で計画しているのです。
この流れを解りやすくするためにデジタルマーケティングツールを今以上に多用して数年先を見て準備を行おうとしています、これによって当初は一見バラバラに見えるサービスメニューが5年後には実はワンストップサービスの流れの中にある各セグメントに過ぎないということが明確になります。
多くの企業は一つのサービス体系を数年間という膨大な時間と費用をかけて作り上げ細かなニーズに応じて細分割した廉価版のサービスを提供するという手法を用いています、私の「未来思考」でのやり方はまず未来の在るべき最終形を設計し、それに必要な要素を抜き出して先に個別メニュー化して実施しブラッシュアップを図って行きます、そして各要素が成熟した数年後にタイミングを見極めて最終形を一気に組み上げるのです。
このやり方によって各要素単位で先に収益を上げながらブラッシュアップが図られるので時間と費用と労力の無駄が一切発生しません、また最終形が出来上がった時には、既に軌道修正や内容の組み替えなどのフィードバックの必要がないほどに完成されていますので成長拡大させることに全力を上げられるのです。
ビジネスは今を見て未来を考えるのではなく未来を見て今を考えることが重要です、まして過去を見て今を考えているようではゴールは永遠に見えることはありません、人もビジネスも今から未来にしか進みません、どんな素晴らしい過去があっても過去に戻ることはできないのです、現実をしっかり見詰めて最終形であるゴールを目指して未来を見て進むことです。
人生成功の証の一つとして以前から私が提唱する一つに「不労所得を得る」というのがあります、ここで「不労所得」とは何かということですが言葉の意味そのままで「働かなくても収入が得られる権利」を指しています、そんな都合のよいものなどこの世の中にあるのだろうかと首をかしげている人もいるでしょう、それが実は山ほどあるのです、だから私はあえてできるだけ若いうちに得ておくことを薦めているのです。
まず最も誰もが思いつくのは家賃収入です、ただし家賃を得られる不動産を運よく相続するか購入するということが前提になります、ただし不動産は得るのと同時にリスクが付いて回ります、それは形あるものには必ず存在する失うリスクです、災害などで購入した投資用の不動産が逆に大きなマイナス資産になってしまうことなどは極普通に存在すると考えた方がよいでしょう。
ではリスクが無い「不労所得」などこの世にあるのでしょうか、それがあるのです、ほんの少しだけ紹介しますと一つは特許や商標などの知的所有権です、これは経済的余裕のあるうちに取得して使用してくれる人と契約しておけば何もせずに権利使用料が転がり込んできます。
アメリカのクアルコム社は特許収益だけで年間数百億円という「不労所得」で有名な大規模チップメーカーです、こんな会社は世界には数万社と存在しています、ただ商標は既に考えられるものは殆ど大手企業がこぞって抑えてしまっていますので可能性があるとしたら特許か意匠登録でしょう。
もう一つは「商権」で独占販売権や代理店などの権利です、成功事例を上げるとタバスコが売れれば売れるほど利益が入るアントニオ猪木氏は有名な話しです、他にも海外から得た商権で大きな財を得た人は何万人と日本に存在しています、有名なチェーン化しているコーヒーショップにハンバーガーショップと大手のチェーン店のほとんどが海外から得た商権で成り立っているのです。
今からでも遅くはありません、元気なうちに是非とも小さなものでも「不労所得」の種を得ておくことをお奨めします。
「言いたいことが言えない」と悩み苦しみカウンセラーに駆け込む人が近年増えているといいます、思うに言いたいことが言えない人が増えてきたのではなく、それを自分が駄目な人間だと思い込んで悩む人が増えてきたのだと考えています。
そもそも論での話ですがビジネスでもプライベートでも言いたいことをあえて言わないでおくのが正常なる大人の対応だと思います、言いたいことが言えるのは子供であって大人になれば相手のことを考え言いたいことも言えなくなってくるものです、つまりこれが正常に成長した大人だということです。
にも関わらず言いたいことを言えないのは損すると考える人が増えてきています、世はそんなギスギスした時代になったということかもしれません、確かに言いたいことが言えなくて、また言っても相手に伝わらないということでストレスを抱える人は多くなったと思います。
しかし核家族化や年功序列の崩壊などで個の主張を通すことが自身を守る殺伐とした世の中になってきて言いたいことを考えもなしに言う人が多くなっただけです、だから正常な思考で言いたいことをあえて言わない人が損をするような状況が生まれ、それが逆にストレスを感じるようになってしまったということではないでしょうか。
言いたいことが言えない、これは大人なら当然です、私は言いたいことを考えもなしに言える人は自立した大人として如何なものかと考えてしまう古いタイプの人間です、でも私はこの言いたいことをあえて言わない謙虚な人とビジネスを一緒に行いたいしプライベートでも楽しく過ごしていきたいと思っています。
そしてもう一つ、ビジネスを行っていて果たしてストレスが無い人なんているのでしょうか、言いたいことが言えるようになったら自分はスッキリするかもしれません、しかしビジネスでは信頼感を維持できずに仕事は激減します、ビジネスのストレスはビジネスで跳ね返すことです、一番スッキリするのはビジネスで成功して言われなくてもいいことを言われた相手を見返すことしかないのです。
世はまさに二極分化の時代が到来しています、年収300万円以下の世帯層が急伸している半面で1000万円以上の高額所得者層も年々増加傾向にありバブル経済期を超える高額資産家層を形成し始めています、戦後からバブル経済期までの半世紀に渡る「国民総中流」と言われた平和な時代は既にはるか昔のことで現在は逆に中流家庭の空洞化現象が進んでいます。
どの業界を見ても昔のような大手3社+準大手10社+中堅企業という理想的なピラミッド型のパワーバランスの取れた業界構造は崩壊しました、1強全弱という平らな角棒に摘みだけが飛び出している文鎮型の偏ったパワーバランスがあちらこちらで見てとれます。
こんな両極端な時代に重要なことは自分は二極分化のどちらの極に向かっているのかという正確な状況把握です、「自分は勝ち組に向かっている」とみなさんは考えるでしょう、しかしそれを証明できる確かな根拠は何でしょうか?
少なくても昨年よりも良くなった程度では根拠としてはゼロに等しくもっと厳しいことを言えば低位安定の中での若干の上下のブレの範囲だと思った方がよいかもしれません、どちらの極に向かっているかは自身では冷静に判断できないかもしれません、「そう思いたい」という自己防御意識が働いてしまうからです。
自身の状況は冷静に解らなくても自身の周囲にいる人の状況を見れば一目瞭然となります、何故なら同じ種の人は同じ種の人と共存するように選択と淘汰がなされていくからです、これは自然の摂理であり人もまた摂理に従い自然にそういう状況に流れていくのです。
つまり自身の周囲にいる人の流れの方向はどちらの極に向かっているのかを冷静に見極めれば明確に解ることです、その流れをしっかりと掴んで何を優先して誰と組むかは極めて重要な決定事項だということだけは確かです。
成功者は常に状況を正確に読んで同じ種の人かどうかを長期スパンで見極めています、逆に言えばこれができるからこそいつの間にか強固な組織ができ上がり成長を遂げていくのです。