毎年バジルだけは必ず苗を買ってきてプランターに植え付けて水をあげるだけの放置栽培を実践しています、肥料は何もあげずに土の力だけで栽培できます。
大き目の発泡スチロールを使い冬の間に乾燥させておいた野菜やフルーツの皮などの有機物を土の中に混ぜ込みます、こうすることである程度の寒い冬でも温度が保たれ有機物が醗酵して窒素分を土中に作ってくれます、つまり肥料も与えずに植物が育つのです。
地力の高い土壌を使うと苗1本でお化けのように大きく育ちます
高さは80Cm、幅は60Cmもあります

どれだけ大きくなるかというと葉の長さも最大で18Cmと市販のバジルの葉の3倍です

夏には毎日収穫しても翌日には新しい葉が生まれます
毎日のように料理に使っても使いきれないのでドライバジルにしています

地力のある土も毎年増えていきますので観葉植物の鉢にも新しい土に混ぜて使います、地力が高いとは有機物を分解できる菌が豊富ということです、買ってきたばかりの培養土には菌がいませんので地力を上げるに時間がかかります。
自宅で地力の高い土を作っておくと観葉植物の鉢植えだけでなく野菜のプランター栽培などにも有益に活用できます、その意味でも毎年こうやってバジルを自家製培養土で育てているのです。
冬の土壌作りとして前回畑の中に有機物を入れて糸状菌による醗酵分解を促し土壌に窒素分を増やすことを行いました、そこで春を前にもう一施策を行っておくと完璧です。
それは天地返しという作業で土壌の上部20Cmほど掘って天地をひっくり返します、これを行うと枯れた雑草類が有機物となって土壌の窒素分を豊かにできます、更に雑草の根が日光に晒されますので古い雑草を枯らすことができます。
また土壌に紛れていた雑草の種が上部に上がりますので新たな雑草が芽吹き土壌の団粒構造を促すことができます、ただし自然農法を実践してなく雑草が生えていない畑はこれを行ってもあまり意味がありません、あくまでも自然農法を実践している畑で有効な施策です。

冬の間にしっかり土壌の団粒構造を維持し窒素分を作っておけば春以降に耕起することも肥料を追肥することも不要となります、気温が下がったときは糸状菌が有機物を醗酵分解するに適した季節です、これが温度が上がるとカビの原因となってしまいます、近年の農業は経験や勘ではなく根拠を持ったテクニックが重要になるのです。
液体肥料も不要で水だけで栽培可能な超簡単水耕栽培を実践しました、それはスプラウトニンニクです。
水にニンニク塊の下部を浸しておくだけで芽を出しどんどん葉が成長し1週間で収穫可能です、収穫したスプラウトニンニクは芽を出していないニンニクの数倍栄養価が高く糖度も高く大変美味しくなります、オリーブオイルでソテーするだけでおつまみに最高です。
100均で買ったプラ容器に水を張ってニンニク塊を浸すだけ
容器についてくる蓋の真ん中を切り取るとサイズ感もぴったりです

10日後でこんなに葉が伸びてきます
ただし室温が20度以上ないと発芽しないし伸びません
実験では25度以上あると成長が早いので夏場はエアコンをつけない部屋に置くといいです

オリーブオイルと塩でソテーしたものを試食しました
比較のためスプラウト化しないものと味比べ
スプラウトの方が甘くて味が濃厚です

水耕栽培キットを使うと水耕栽培を手軽にできますが栽培の量に限りがあるのと、1クールづつ全部セットして次の栽培を最初から開始する必要があり連続して栽培を行うことができません、したがって水耕栽培キットで常に野菜を収穫しようと思うと4セットほど必要となります。
そこで本格的に水耕栽培を行おうと思う人向けにナローバンドLEDの光を有効活用できるグローテントの使用をお薦めします、ただし設置場所に加えて作業場所も確保しようと思うと最低でも2畳ほどのスペースが必要ですのでスペースに余裕が無いとできません。
これを使うと半水耕栽培でニンジンやダイコンも水耕栽培できます、もっともこれを行うにはそれなりのノウハウが必要です。
葉野菜ならスポンジに種を植えて液体肥料に浸しておくだけで勝手に発芽し勝手に成長してくれます、あとは液体肥料の追加と収穫するだけでほぼ放置栽培できます。
各種の野菜をこれを使って栽培しました、順次それぞれのノウハウやコツを記事で紹介していきますので参考になれば幸いです。
ラボに所狭しと置かれたグローテント
思った以上にスペースを取られます。

グローテントの内部
植物育成用ナローバンドLEDを使った各種野菜を水耕栽培の放置栽培中
右は二十日ダイコンで左はルッコラ

二十日ダイコンはちょっと形は悪いけどしっかりカブになってます

水耕栽培を手軽に始められる水耕栽培キットが20年ほど前から市販されています、発売当時は10穴ほどで3万円もしたものが現在では12穴の装置で1万円以下でも購入することができます。
装置としては植物育成用LEDライトと根腐れ防止の水中ポンプが付いておりボタンで全て設定できますので操作は簡単です、ただし詳しい育成用の説明書は付いてないのでカット&トライで工夫しなくてはいけません。
手軽とは言うもののコツを掴むまでは立派な野菜を育てることは難しく最初はなかなか発芽しなかったり徒長してヒョロヒョロした野菜になってしまいます、何事も経験しながら学んでいくということでしょう。
コツを掴めば種を植えて2ヶ月目ごろから収穫でき毎週のように育てながら収穫できます、ただし楽しみながら野菜を育てるという気持ちであれば充分に機能しますが収穫を期待すると初期費用すら回収できずに期待外れに終わります。
種を植えて2ヶ月目の状況

3ヶ月目に入ると成長著しく毎日葉野菜が収穫できます

いろいろ実験してみましたが、上手くいく野菜はチンゲンサイ・ルッコラ・サンチュ・サラダ菜などが失敗が少ないと思います、意外やレタス類は上手く育ちません、勿論のこと葉野菜以外は栽培できません。
この他に液体肥料や交換用の専用スポンジなど思った以上に費用がかかります、育てて楽しみながら新鮮野菜を食べるという愉しみを味わうならよいのですが、野菜を安く手に入れたいという人であればお薦めできません。