最近は如何なる業種であっても「コンサルタント」と名乗る人が大手を振るようになり、コンサルタントの価値そのものが薄れてきたように思います。
そもそもコンサルタントとは企業における顧問を指します、コンサルティング企業の定義は企業の経営業務における問題の発見・課題の解決(ソリューション)・経営戦略の策定提案などを主な業務としクライアントである企業の業務効率化と営業拡大化を図ることを生業としている企業 のことを指します。
アメリカからコンサルティングというサービススキームが導入された時点では、公認会計士や中小企業診断士、また法務という専門分野では弁護士がその役割を果たしてきました。
しかしバブル崩壊後は通常の企業経営や法務の経験だけでは対応しきれない様々な課題が発生するようになり、経営・会計・法務などを統括してサポートできるコンサルティングが望まれるようになり、そういったニーズに呼応してコンサルティング企業が生まれました。
その意味では、コンサルティング企業には少なくても公認会計士と弁護士が在籍しているか嘱託として契約していなくてはなりません、加えて現代においては知財を扱える弁理士とデジタル化を促進するIT技術者が必須です。
コンサルティング企業に望まれる業務とはM&Aや権利問題などの外的要因への対応、新技術や新分野での最新の情報提供、経営者の意思決定の補助など経営者が誰にも相談できないことを経営者と一体となって経営課題を解決していくものです。
ここで法的にコンサルタントやコンサルティングと名乗ることはできない職種があります、それはクライアントが個人の場合と他の商品や商材を売るための相談業務を行う場合です。
例えば保険や不動産、旅行や健康食品など、相談や提案を無料とする代わりに本来のサービスや商品を売ることが最終目的である場合は営業行為そのものであり、それをコンサルティングと名乗ることは消費者に混乱を与え不利益な取引行為であり不法行為となる可能性があります。
また個人相手(代表者一人の法人や個人事業主も同様)のサービスの場合はそもそもコンサルティングの定義から外れていますので名乗ること自体が大変問題です、個人相手やサービスや商品を売るのが生業の人はアドバイザーに留めておくのが無難だということです。
何でも「**コンサルタント」という表示はそろそろ手を打たないととんでもないことになりそうです、本来の法人向けの経営向上を保証するコンサルティング企業は一般社団法人を設立し「コンサルティング」の定義化を行い似非コンサルタントへの警告や「コンサルタント」の使用禁止を訴えるべく連携を固めつつあります。
コンサルタントと名乗る人に各種業務を依頼しようと考えている場合は、これらのことを念頭に置いて相手をよく調査してから決定するようにしたいものです。
10年ほど前に地方拠点化を推し進める計画があり面白い調査をしました、それは全国の同業者と自治体や地方銀行などの中小企業支援団体とのコンタクトで、一つの地区で大小の企業や団体5~8社ほどと接触しました。
その調査方法は「もし当社がこの地で営業活動しようとしたら協業できますか?」と言う質問で、その反応が見事に面白い結果となりました。
同業他社が多種多様に犇めく地域と、ほとんど同業他社がいない地域は「大歓迎」ムードで協力的です。
そこそこの数の同業他社が存在する地域は露骨に難しい回答になります、更には10社以上に申し込んで1社も面談さえ受けてもらえない地域もありました。
少ないサンプルから結論は出しづらいのですが、ビジネスが絡むと上手く人間関係が構築できないこともあります。
ただ本気でその地にビジネスを生み出し貢献したいと思っています、その意味では歓迎されないところでビジネスをしたいとは思わないです。
もう一つ発見したことがあります、全国を飛び跳ねていて解ったことに地図の距離と移動時間はイコールではないということです。
飛行機で行けるところ、新幹線が通っているところ、双方無いところでは距離感と時間感覚がおかしくなるほど合わないです。
関東エリアの某地域へ行くのと、九州や北海道の中心的都市へ行くのと同じ時間で行けるというのを実際に経験してみると当たり前のことなのですが改めて交通インフラとは重要だと思った次第です。
地方拠点化や地方への転出の際には、その地を充分に調査することを念頭に置く必要がありそうです。
「高き志と覚悟を決めての起業」だと起業する際には皆さん熱い思いがあったに違いありません、ただ残念なことに起業する意味を勘違いしている人がいる現実があります。
「起業は夢実現のゴールではなくスタートである」、夢の実現を考えると起業はゴールではなくスタートに過ぎません、起業してからが本当の起業の意味と覚悟が問われることになるのです。
起業してからは本当の夢実現に向け粛々と各種の準備と有効な活動をしていかなくてはなりません、そしてその結果において自身のやりたいことで事業推進し利益を生んでいかなくてはならないのです。
起業することが目的ではありません、起業は目的達成の為の一つの入口に過ぎません。
起業して社長と呼ばれ、それだけで成功したと思い込み起業する前と同じ生活習慣と行動パターンに始終する人もいます。
それは本物の経営者マインドではありません、運が良くて一時のパフォーマーで終わります、起業したら本物の経営者を目指してほしいものです。
経営者とは資本家です、事務所を構え人を雇い経済循環を興し納税して社会に貢献すること、それが数年間もできないのであれば法人化する意味も必要もないと思います、事務所も構えず一人で稼ぐだけなら実質的にはフリーターと何も変わりません。
起業は人生のお飾りではありません、パフォーマンスに明け暮れ人気者になりたいだけの人や起業事実を別の意味での利益目的に利用している人がいる事実には悲しくなります。
名だけの起業家は、真面目に事業推進し社会に貢献しようとする資本家予備軍の人にとって害になっても利益にならない存在です。
かなり前の話になりますが、2009年7月に申請開始となった「家電エコポイント制度」では2年後の2011年の打ち切り間際には家電量販店は長蛇の列となりました。
同様に、2011年の地上デジタルへの移行の際もアナログ放送終了の1ヶ月前から家電量販店はごった返しの状況でした。
私はこういった政府主導のお得なキャンペーンには、上記以外にも住宅取得減税だのいろいろ有りましたが一切乗らないことにしています。
何故なら、経験上これらのキャンペーンが終了後には対象となった商品やサービスが大暴落するからです。
つまり、エアコンも液晶テレビもキャンペーン中に買って面倒な申請をしてキャッシュバックがあったとしても、その後に大暴落すればキャッシュバックされなくてもトータルでは買い手市場となり安く買えるのです、更にはガラガラの店内でゆっくりと買い物ができます。
メーカーは、キャンペーンが終了すると中身が全く同じ商品を若干のデザイン変更やリモコンを変えるなどで品番を変え定価自体を安くするのです。
何時の時代もみんなと歩調を合わせるマジョリティ(多数派)は損をして、他者の真似をせずに自分の判断で生きるマイノリティ(少数派)は得するようになっているのです。
成功者になりたければ群集心理と政府指導のキャンペーンなどを冷静に見極める必要があります、自身の方法や考えを群集心理や政府の思惑に踊らされずに徹底する、これが成功する経営者マインドであり「みんなと同じことをやらない選択」を潔くできる人が成功するのです。
自分が目標を作り進めてきたものが計画通りに実現すること、所謂これが「達成」というものです、しかし「達成」の本質を理解していないと思わぬ事態に翻弄させられてしまいます。
「達成」とは、「一つの自身の能力や選択の正誤が試されるきっかけに過ぎない」という意識が肝要です。
例えば進学・就職・結婚など人生において多くのイベントとその時点での選択があります、そして自分が望む学校に入学できた、望む会社に就職できた、望む人と結婚できた、これらも自分が望んだ通りになったという一つの「達成」です。
しかし「達成」した喜びは次の瞬間に自分の置かれた現実を目の当たりにして大きく変貌します、「達成」によって得られた結果とは自分にとってその目標が良かったのか悪かったのかがはっきり表面化してしまうことを意味します。
つまり「達成」とは、それまでの一連の行動の一つのゴールでもあり同時に一つの試練へのスタートに過ぎないのです。
解りやすく言うと「達成」とは相撲の力士が土俵に上がることだと思うのです、上がってしまったら引き下がる訳には行きません、引き下がるということは敵前逃亡という卑怯者のレッテルを貼られます、したがって勝つか負けるかの勝負を必然的に行わなければならないのです。
勝った場合は「達成」が「満足」に変わり本当の喜びとなり、負けた場合は「後悔」に変わり自分の無力・無能・未熟さに失望します。
「達成」とは実のところ、超現実的な結果が嫌がおうにも現れる一つの試練の幕開けに過ぎないとはこういうことです。
計画や目標の「達成」にわく喜び、それは決して悪いことではありません、大いに喜び祝うが良いでしょう、しかしそれはその一瞬だけに留めるべきなのです。
自分との戦いの幕は達成と同時に上がっているのです、土俵の上はごまかしが一切効きません、真の実力が表面化する場でもあるのです。
事業提携や業務提携などの契約締結、契約してからが本当の試練が始まるのだと強く意識することが肝要です。
上手くいかない人は契約達成で安心し本来すべき債務の履行を怠るのです、だから契約した時点よりも状況が悪化してしまうのです。