2024年8月 9日 06:00
「ガラパゴス化」という言葉は2007年から使われだした記憶があります、きっかけは当時の日本の携帯電話方式の世界からの孤立を指していました、何故「2007年」というのをはっきり記憶にあるのかというと当時私の人生が一変した大きな出来事があったからです。
さて携帯電話先進国であった日本は高速且つ安全な独自の通信方式を幾つも構築していたのですが通信後進国の多くはアメリカで確立された方式をそのまま採用し通信網を構築しました、その結果において日本の携帯電話方式の全ての性能は桁違いに優秀なのに日本国以外では使えないものとなってしまったのです。
簡単に言うと日本の技術は超一流だったのですがグローバルマーケティングにおいてはアメリカに完敗したということです、これは何も携帯電話だけの話しではなく多くの先進技術事例でこういったことが過去繰り返されています、その孤立した状況を外部から閉ざされ独自の進化を遂げたガラパゴス諸島の生物に例えて「ガラパゴス化した日本携帯電話の末路」と各国が揃って報道したのです。
これと同様の状況に陥っている人を時々見かけます、つまり思考と情報記憶が若い頃に固まりその人の中だけで頑なまでに存在し続け世間の情報から孤立している人です、例えば会計基準や会計諸表は常に進化しています、ここ最近では2018年頃に項目の名称や表示方法などが変更されました、しかしガラパゴス化人間にはそれが受け入れられず一人で新しい会計方式に対して文句を付けては勝手に変えようとします、これでは笑い物にされるだけで世間には通りません。
また思考そのものがガラパゴス化している人も見受けます、新しい事項全てにおいて覚えようともしないし必死に努力しても自身でも自覚するほど記憶に残らないのです、世の中の変化についていけないガラパゴス化人間はどうして新しいルールや情報を受け入れられなくなってしまったのでしょうか、ここには脳の個性以上に心理学的なものが潜んでいます、それは仕事やプライベートの順調さに加えて経済的余裕があった最も輝いていた若い頃の記憶です、それが唯一の誇りでありその記憶による当時の幻想をいつまでも引きずっているのです。
では何故いつまでも過去の一瞬の栄光に囚われているのでしょうか、そうです輝いていたのはその一瞬だけでその後は鳴かず飛ばずの自身でも受け入れられない失望状況が続いているからです、こういった無意識なる過去の記憶を消せない心理的要因によって脳が古い情報を記憶と共に固定化し新しい情報を記憶することを拒んでいるのです、したがってその日は覚えていても次の朝には忘れてしまうのです。
笑い話のようですが現実にこういう人と一定の頻度で出会いますから相応の割合で存在していると思います、長年変化しないルーティングワークだけで行える業務は別にして多くの場合自身が歩んできた道以外では一切活躍できない人です、確固たる過去の実績があるのに転職で失敗する人の多くがこのガラパゴス化した人間なのです。
「自分を変えたら生きていけない」とまで脳が自己擁護と保身心理に侵されています、自分一人で生きているなら問題ないのですがビジネスは必ず相手が不可欠なカテゴリです、ガラパゴス化人間は生きているだけで自分が思っている以上に周囲にストレスを与え、その弊害は極めて大きなものであることを自他共に認識する必要があります、早期に心理的要因を解かないと一生過去の記憶でしか理解できない情弱者で終わってしまうでしょう、ガラパゴス諸島を離れた瞬間死に至るガラパゴス諸島の生物と同様に。
現在はウルトラ級の多種多様化時代です、常に新たなブームが巻き起こりルールやインフラが次々と変化していきます、全ての生命体は過去の記憶の中には生きられません、未来を生きる為に現実を受け入れ進化させる勇気をもってガラパゴス化の呪縛を解くことが唯一の明るい未来を構築する方法です。
ガラパゴス化した人間は自分が正常であって世の中の人がおかしいと頑なまでに思い込んでいます、これを自身が間違っていると修正するのは極めて困難だと思います、ちなみに私がガラパゴス化人間と気付き必死に指導して見事に修正できた人はゼロです、恨まれる前に嫌われても離別の道を自ら選ぶように誘導するのが精いっぱいだったのです。