2024年7月16日 06:00
自分の思ったように組織や周辺にいる人達を動かそうとする支配欲、これと似ていて若干異なる欲求に征服欲というものがあります、支配欲は男女ともに起こる欲求ですので女性にもある程度は理解できるのですが征服欲はなかなか女性には理解しがたい男性特有の欲求です。
解りやすく言えばライオンの群れの中心に居る雄ライオンや猿山のボス猿になろうとする心理です、周囲に自分が自由にできる群れを作り自分をトップとして崇められたいという欲求心理であり、政治や経済界そしてスポーツや芸能界でも解りやすい人は沢山います。
この征服欲を露骨に出してくる人の思考を指して私は「てっぺん主義」と呼んでいます、お山の大将になろうとする思考という意味です、実に解りやすい言葉なので皆が使っているのかと思ってググってみたのですがどうやら私特有の言い方のようです。
この征服欲は子供のころからどんな男性にも備わっています、なので男性同士は子供の頃から互いを意識してパワーバランスを取ろうと努力し合うのが現代男性社会の紳士的礼儀でもあります、しかしときどき「嗚呼、勘違い!」な行動を起こす輩がいるのです。
ある程度の年齢になった男性に多いのですが過去自分を中心とした組織を作ったことが無いのでしょう、そこで老いる前に一度でいいから気持良い経験をしてみたいと思うのかもしれません、そしてその願望がそれなりの立場を与えられた瞬間に抑え込んでいた欲望が爆発してしまうのです。
女性社員は全員自分の秘書かお手伝いさんだというような扱いをし男性社員には頭ごなしな指示を出しては自己満足でのボス感を出し社内のムードを壊していきます、まあこんな例は私も過去多数見てきているのでしばらくは看過しますが流石に社員から不満が爆発し煙が火に変わったら鎮火せざるを得ません。
そもそもですが自分のミスは社員のミスにして社員の成果は自分の成果にするような周囲の誰からも尊敬されない人が群れの中心にいられるわけがないのです、そして内心では自分は何もできない人だと周囲が思っているのではないかと常にビクビクしているのです、だからそれを打ち消すように「デキル男アピール」することに始終します、本当に救われない人だと思います。
征服欲丸出しでお山の大将になりたいのであれば先ずは周囲から尊敬される人であってほしいと思うのです、更に社員以上に厳しい業務を日夜問わず休日返上で自らこなし大きな商談を獲得し事前の資金調達を行い社員の生活を絶対的な力量勝負で保障することです。
尊敬できない人についていく人など皆無です、尊敬されて初めて周囲に認められるのです、認めてほしければ男の器を磨いてほしいと思います、本当の意味で人の上に立つトップとは実に謙虚なのです、見えないところでしっかり社内の全てを把握し適切な処置を陰で事前に講じているのです、まさに平時は空気のような存在でなくてはなりません。
群れの中心に居る雄ライオンや猿山のボス猿を見てください、平時に自ら目立った行動をするでしょうか、いざという時以外は寝ているか食べているだけです、つまり「デキル男アピール」している時点で既にボス失格だということです。
このような解りやすい例とは真逆なもう一つ周囲に無意識のうちに「てっぺん主義」だと思われてしまう男性の存在があります、その人は常に受動的で自ら進んで発想し行動することはありません、しかし何故周囲は「てっぺん主義」で上から目線な話し方をすると受け取るのでしょうか?
それは幼いころから周囲が何でもやってくれて自分で物事を判断し解決してこなかった人なのです、そして更に結婚することによってそれが助長されていきます、「周囲の人は自分の身の周りの世話をして助けてくれる存在」、そういう無意識なる強烈な他者依存の潜在意識が自然に芽生えてもおかしくありません。
そんな人の口癖は「感謝」です、でも口先だけで実は周囲の人が自分を助けてくれることを無意識の中で待っているだけなのです、正常なる思考の男性は「感謝」という言葉はおそらく生まれてこれまで使ったことがないと思います、感謝の気持ちを素直に表す時は「ありがとうございます!」だからです。
ちなみに先述の征服欲丸出しの人も同様に「ありがとうございます」を言いません、実に解りやすい思考回路だと思います、このような思考の人が何でも自分で判断し行動するような前向きな人の集団に入ってしまうと徐々に「あの人のミスをカバーする為に自分たちが存在している」というストレスになってきて「てっぺん主義」だという判を押されてしまうのです。
本人はそんなつもりはありません、でも姿勢や行動の結果は先述の征服欲丸出しの人と何も変わらないのです、それに早期に気付いて修正しないと同僚から征服欲丸出しの人と同様に「組織に居てはいけない人」という括りに追いやられてしまうのは至極当然の結果でしょう。