2024年3月 8日 00:00
2024年2月22日、日経平均株価はついに終値で3万9,000円を超え1989年12月29日というバブル経済絶頂期につけた3万8,915円を34年ぶりに高値更新しました、個人投資家の多くは「失われた30年」の終焉を口にしていますが本当に「失われた30年」は終焉し強い日本経済が復活するのだろうか。
そのニュースが流れた1週間後、今度は大手製造業の大幅なリストラのニュースが相次いで流れました、不思議なことに業績不振でのリストラに混じって最高益を叩き出した企業も大幅なリストラをこの段階で実施しようとしています、このアンマッチな状況をどう分析したらいいのだろうか、いったい日本経済は今後どっちの方向に向かおうとしているのでしょうか。
こういう状況の時には表面的な状況だけを見て判断していると取り返しの付かない事態に陥ります、表面には見えていない事実を正確に掴む必要があります、例えばこの時期での好業績企業の大幅なリストラの裏にはDX(デジタルトランスフォーメーション)の導入が進んでいるという事実があります。
DXとはこれまで人間が行っていた業務をAIや全自動化無人システム(ロボット)に行わせようとする施策であり、これらは24時間265日休み無く稼動できるため多くの余剰人員が発生します、つまりその結果においての早期退職制度の導入ということが解ります、早期退職制度には莫大な費用がかかります、つまり好業績で得た多くの余剰資金を使って企業のスリム化を前倒しに進めているということです。
ではその結果において今後日本の景気は上向いていくのでしょうか、私は二極分化が極まり部分好調&全体不調のシナリオに向かうのではないかと考えています、その分かれ目となるキーポイントは少子高齢化と為替の変動にあります。
一部の企業は円安を追い風に現在は最高益を叩き出せています、しかし2年前の110円前後に対ドル価格が戻ったら輸出企業は一気に大赤字に転落します、少なくても景気予想は一部を見て全体を論じたところで意味が無いということを理解すべきです。