2024年3月 1日 00:00
「ついに日本はドイツに抜かれ名目GDP世界ランキング4位に転落」という報道がされています、でもこれは既に10年以上も前に予測されていたことなので大きな話題でもないように感じるのは私だけでしょうか、ちなみに大方の有識者の予想では2030年までにインドにも抜かれて5位に転落すると言われています。
基本的に言いますと名目GDPは確かに国の総生産を現していますが米ドルに換算した数字でしかありません、超円安の現在ではドル建てで計算すれば4位となるのは当然でしょう。
この名目GDPよりも重要なデータは一人当たりのGDPです、名目GDPは人口が多ければ多くなる傾向になりますが一人当たりのGDPは国民一人当たりの生産性を表すので指標としては現実的な数字だと思います、その一人当たりのGDPでいうと日本は31位という悲観的な順位となります、でもこれが現実の日本の経済力の姿だと思います、つまりけっして裕福な国ではないということです。
一人当たりのGDPが高い国は中東の地下資源を有する原油国や国を挙げての国家事業として漁業・林業・農業を推進している国です、国家事業で国益を上げている国はヨーロッパによく見られます、オランダは面積辺りの収益性は世界一位であり少ない国土を有効活用して少ない労働力でも最大限の収穫を上がられるように巨大な工場のようにシステム化しています。
日本は世界有数の海洋国家であり海底資源としてのハイドロメタン(固体ガス)など期待の海底資源を有しているものの、それを具体的に海底から引き上げて収益化するには気の遠くなるほどの年月と資金が必要であり現時点では期待薄でしょう。
更に海洋資源でいえば高度成長期を影で牽引したクジラ漁も今では各国の非難を浴びて禁止され壊滅状態です、ノルウェーのような国家事業としてマグロやサバ漁をシステム化すれば期待はできますが大きな既得権などの障害が存在していますので簡単にはいきません。
少子高齢化が進む日本では今後総人口と就労人口の急激な減少は避けられず、一人当たりのGDP向上を国を挙げて推進しなければ先進国とは名ばかりの極貧国に転落していくのは目に見えています、未来志向で本当のイノベーションを起こせる強いリーダーが求められる日本ですが真に国の未来を考えイノベーションを起こせる人材がいるかどうかが最大の課題でしょう。