2023年12月29日 00:00
今年一年の経済動向を振り返ってみて思うに3つの事象が今後の日本企業における経済課題になると考えています、その3つの事象とはアフターコロナ戦略、インボイス制度の導入、消費者物価の高騰です。
アフターコロナ戦略は言うまでもないのですが3年間の新型コロナウイルスパンデミックにより生活スタイルや就業スタイルなど多くの生活様式や価値観の変化が見て取れます、特に今年の下半期以降には3年間凌いできた外食産業をはじめとしたB2C企業が鬱憤を晴らすように財務体質を改善しています。
その反面で消費者の価値観が変わり衰退していくB2C企業も散見されます、まさに戦略無き企業は衰退していくのです、新型コロナウイルスパンデミックは世界中に平等に齎された危機です、そのなかでアフターコロナ時代という未来を読んで戦略を立て改善してきた企業が大いに活性化し戦略無き企業が衰退していく、いつの時代も大きな事件の後と同様だと思います。
さて次の今年10月から施行されたインボイス制度の導入問題は3年後に影響がピークを迎えると思います、取引先が適格事業者でない場合にはこの3年間は仕事を出したほうが実質的に20%分の消費税を請負側に代わって支払う形になります、これが3年後には50%、更に6年後には100%となりますので業務委託先を確実に選択する時代になります。
そもそもリーマンショック後の政府の起業支援によって年商1,000万円以下の法人はこれまで消費税を貰うだけ貰っておいて支払わなくてもよいという税制面で大きな恩恵を受けてきたのです、それを本来のフェアな状態に戻していくだけであり小規模企業は早々に適格事業者登録し年商を1,000万円以上にすれば全員が同じ土壌となり何の問題も無いのです。
ただこのインボイス制度の導入により極めてフェアな税制社会となりますが年商1,000万円以下で適格事業者登録を行わない小規模事業者は適格事業者との取引が行えなくなります、したがって同類の非適格事業者や個人事業主間での取引に甘んじるようになり存続が危ぶまれる企業が増大します、つまり確実に勝ち組と負け組みというバブル経済期に起きた企業デバイドが確立されてしまいます、特にこの数年間は小規模企業の倒産が相次ぐと予想されます。
最後に消費者物価の高騰ですが実は私は大歓迎しています、なぜならこれまで30年間の日本の物価は他の先進国に比べて半分以下に留まっておりこれがGDP低迷の元凶だったわけです、これを解消するには消費者物価上昇に合わせて賃金を上げれば済む問題です。
強い経済力を得るには市中にお金を回す必要があります、当面は出る一方の苦しい状況が続きますが一巡して収入が増え高騰した価格にも慣れてくれば日本全体の生活水準は自然に上がっていきます。
バブル経済期前夜とは押しなべてこういうものです、経済危難の状況下では抗うよりも慣れて今の状況を未来志向で楽しむことが肝要だと思います、私の年代の人は昭和の時代に何度も何度もこういう状況を乗り越えてきて今があるのですから大きく悲観する人もいないでしょう、30年間の日本の経済低迷期がようやく終焉するときが来たのだと喜べばいいのです。