2023年12月21日 00:00
「自分を認めてもらいたい」、この承認欲求は誰にでもある正常なる欲求の一つであり、マズローの欲求階層でいう安全を確保されたうえで生まれる「社会的欲求」の段階です。
ただ必死に頑張ってきた人がなかなか対象の人や組織に認めてもらえないという状況が長くなればなるほど、それを自身で作り上げてしまおうとする突発的行動に出ることがあります。
記憶に久しい考古学者のねつ造問題もその一つです、またニュースにこそなりませんがローカルな組織内での他者を陥れてまで自身の立場を認めてもらおうとする行為なども現代においては日常的に起こりえます。
この裏には長年抑えられていた強いストレスにも似た鬱積が蓄積されていたと考えられ、これが対象の人や組織内でのちょっとした言動や状況がきっかけとなり「es」が自我を目覚めさせてしまうのです。
そして自我が肥大し自分ではコントロール不能に陥り、人としてやってはいけない行為に及んでしまうのです。
「es」により目覚めた自我に支配された自分は本当の自分の姿なのかもしれません、人は生まれ持っての環境により自身の都合の悪いことを何とか誤魔化しながら成長していきます。
その過程において、倫理観という「良い人でありたい」と思う表面意識により無理やり本来の自分を抑え込んだエネルギーが無意識の領域に貯め込まれていきます。
出世欲・成功欲・独占欲などは本来的には表面意識の正常なる欲求であり一つの生存本能とも言えるものです、したがって自身である程度コントロールが可能なものです。
「es」による自我の目覚めはこういった説明できる本能による欲求ではなく、また自身の表面意識でコントロールできるものでもありません。
昔から生まれ変わったかのように一夜にして人間性が変わってしまう人がいます、世間ではこれを「豹変」と称しています。
レディ・ガガのプロデビューのきっかけ、それは貧しいピアニストとしてバーで弾き語りをしていた頃に誰も聞いてくれないことに腹を立て服を脱ぎ捨て下着で演奏したことがきっかけでした、人生のリセットや生まれ変わりは「es」の成せる技なのかもしれません。