2023年3月16日 00:00
「故にその疾(はや)きこと風のごとく、その徐(しず)かなること林のごとく、侵掠(しんりゃく)すること火のごとく、動かざること山のごとく、知りがたきこと陰のごとく、動くこと雷霆(らいてい)のごとし、郷を掠(かす)むるは衆を分かち、地を廓(ひろ)むるは利を分かち、権を懸けて動く、迂直の計を先知する者は勝つ、これ軍争の法なり」
孫子兵法書にある最も有名な計で軍争編に収められています。
これを解りやすい現代風の文章にすると。
「作戦行動とは、疾風のように俊敏に行動したかと思えば林のように静まる。猛火のごとく襲撃したかと思えば山のごとく微動だにしない。暗闇に身を隠したかと思えば雷のごとく暴れまわる。組織を軽く見れば人は散り強固にすれば利益を分かつ。状況判断に基づいて行動する。臨機応変に計を用いれば必ず勝つ。これが勝利の鉄則である」となります。
この計は、武田信玄の旗印である「風林火山」のヒントとなった計としても知られています。
信玄の作戦行動の基本であり、また織田信長や豊臣秀吉など多くの武将も「勝利の鉄則」として作戦の基本としました。
ビジネスも同様で策は単発行動では効果は限定的です、複数の策を臨機応変に内外に同時多発的に反復して用いること、つまり陰陽を織り込んだ「波動作戦」が重要なのです。
解りやすく言うと、「押したかと思えば引く、引いたかと思えば押す」というような陰陽関係にある行動を反復させることを「波動」と言います。
そして何事も「策多ければ勝ち、少なければ負け」ということになるのです、有効な策を多く用いる者が勝つ、何時の時代も変わらぬ鉄則なのかもしれません。