2023年2月 9日 00:00
「私にとって最高の勝利はありのままで生きられるようになったこと、自分と他人の欠点を受け入れられるようになったことです」
たった1本の運命ともいえる代役出演した映画によって、あらゆる名声と富を手に入れたオードリー・ヘプバーンのこの一言、大変興味深いものがあります。
子供の頃は戦時下という時期、合わせて民族問題もあり、長く辛い期間を成長期に過ごしたヘプバーンが、たった1つの偶然に齎された縁によって、その後の人生に大変化が起きた事は想像するに易しいものです。
当時のハリウッドスターは、今とは全然大きさが違います、別世界の人であり、まさに1本のヒットで大富豪に伸し上がることは不思議ではありません。
しかし、彼女は晩年「それは何の意味も無かった」ことに気づくのです。
意図的に作られた人生で主役になれたとしても、それは本当の自分の人生ではありません。
「手に余るほどのお金を得たところで、私の人生の時間は二度と返ってはこない」
自分の思うがままに生きられて、自分と他人の全てを素直に受け入れられるようになること、本当の幸福とはそういうことではないだろうか?
晩年のヘプバーンは、質素で穏やかに暮らし、そして本当に心許せる人達だけと自分の残り時間を楽しんだといいます。
この心境は、大きな成功を成し「自己実現」を果たした人だけが悟れる、「自己超越」の領域、つまり神の領域なのかもしれません。