2022年3月 4日 00:00
3年前に12年ぶりの事業家に戻り事業家恒例の国内外のベンチャーキャピタル数社と会談していますが、日本のベンチャーキャピタルは世の中が大きく変化しているのにこの十余年で何も変わっていないことにはちょっと驚きます。
これだけ世の中の状況と価値観が変わり十数年前とは明らかに異なる分野が急成長を遂げているにも関らず相変わらずの安定成長期のままの投資スタンスと姿勢です、香港やシンガポールのベンチャーキャピタリストは非常にフレンドリーに接してくれますが、いざ会議に入ると詳細に技術やマーケティングを精査し納得すれば「是非、投資させてほしい」という姿勢に変わります。
そしてプロジェクトの一員としてマーケティングサポートを行い次世代商品に関する意見交換を積極的に求めてきます、ベンチャーキャピタルとはそもそも銀行ではないのです、リスクヘッジを重んじるのではなくて自らリスクを背負ってハイリターンを狙うビジネススキームなのです。
そしてどんなにバックに大手企業のスポンサーがいようがAIやブロックチェーンなどの新分野のIT企業と真に付き合って行きたいのならまずはスーツを脱ぐことです(物理的にも精神的にも)、杓子定規な姿勢では未来志向のIT企業の考えている事など理解できるわけがありません。
「審査担当が元々IT技術者なので、技術的に確かな目利きができるのが強み」と言われても何の根拠も見い出すこともできません、今の時代にサラリーマン技術者の廃れた過去技術の思い込み思考で未来の新分野技術と考案者の思想を正確に計れるわけがないのです。
ビジネスに外見は無関係と思われるかもしれませんが外見は確実に行動と思考を変えます、ラフなものを身に着けていると自由な発想になることなど多くの人が実感できているはずです、にもかかわらずそれを行おうとしないところが「善くも悪しくも、やっぱり日本のサラリーマンなんだな」と思うところです。
先の香港やシンガポールのベンチャーキャピタリストでスーツ姿の人は皆無です、投資先の技術者とフレンドリーに付き合わなければ本質的なものが見えてこないことを解っているのです。
今や購入も投資もP2P取引(当事者同士の直接相対取引)の時代です、不動産購入から第三者割当増資的な資金調達もネットで直接行える時代です、旧態依然の恐竜は地球規模での大変化の時代には生き残れないのです。
私のような幾許もない老兵だってこうして時代に合わせて日々変化順応しているのです、企業だけではなく老若男女問わず世の中の変化にもっと敏感になってほしいと思うのです。