2022年3月31日 00:00
「目で見るを見(けん)と言い、心で見るを観(かん)と言う」
柳生新陰流の地位を確立した柳生宗矩は、剣術家にして戦略家としても名を馳せます。
徳川幕府で最初の大目付役になった剣術家であり、後に政治にも参加し一族から将軍を擁立するまでになります。
宗矩のこの言葉は、兵法を学ぶ者に実に相応しい言葉です。
兵法三十六計に「無中生有」という計が有り、「無いと思えば有る、有ると思えば無い、しかし実際にいざと言うとき有ればそれは真実となる」というものです。
つまりは、「見えるものだけを見て判断するなかれ、心の目で観て思考し真実を見つけることが肝要である」と言うことです。
多くの失敗は、目で見える物だけを見て追っているから、表面的な細かなことに囚われて物事の根幹を見落としてしまうのです。
今、自分に本当に大事な人は誰なのか、小さな私事を大事にして自身の成功にとって本当に重要な人を粗末にしていないでしょうか?
何故、その人は自分に声をかけてくれたのだろうか?
人は意味も理由も無い事はしないものです、そこには必ず意味が有るのです。
正しきを得るためにはその人の言葉や行動を見て判断するのではなく、目に見えない起きている事実だけを心で感じて判断することです。
他者への疑いは自分が信じられないから他者も信じられない、これが「心の鏡」という代物です。
見えないところに真実が有り、その真実を見極められる人が成功者となれるのです。
「何故、あの人なの?」
「何故、今ではないの?」
その疑問の解はその人が観ているのは今ではなく、5年後10年後の姿とビジョンを観ているからに他なりません。