2026年10月27日 07:00
癌や生活習慣病を引き起こすとされている体内の活性酸素は何かと悪者扱いされています、ところで地球上に存在する植物や動物などの有核生物の細胞内には必ずミトコンドリアが寄生しています、多くの人は知る由もないかもしれませんが生命体の体内で発生する活性酸素は実はこのミトコンドリアが酸素を消費する呼吸によって生成される物質なのです。
では何故自分が寄生する宿主の生命を脅かす活性酸素をミトコンドリア自体が生成するのでしょうか、これが最大の謎であり科学者の研究テーマでもあったわけです、しかし科学や医学の発展とは恐ろしいスピードで謎を解明し現在ではほとんどが常識化されています。
実は活性酸素は真核生物に呼吸や飲食によって取り込まれたウイルスやカビなどの侵入者から身体を守る役目を担っているのです、つまり白血球の中のキラーT細胞やマクロファージが侵入者を攻撃する際に多くの活性酸素が利用されるのです、もし身体内に活性酸素が無ければ侵入者から防御できずにあっという間に侵されてしまうでしょう。
また脳内の神経細胞も活性酸素を用いて神経細胞を繋ぐシナプスの制御を行っていることが解ってきました、これは記憶や思考などの多くの脳機能に関わる問題であり活性酸素が不足するとシナプスが大量に生成され細胞を複雑に結びつけてしまうのです、これによって正常な脳機能を維持できなくなるという恐れがあります。
地球上の生命体は細胞内にミトコンドリアを共生させることで進化を遂げてきました、そしてミトコンドリアは自ら生成した活性酸素を武器に外部の侵入者から宿主を守り、宿主が常に正常な状態を維持できることで自らの種の保存をしていると考えることができます。
そう考えると活性酸素を悪者扱いにし抗酸化物質をサプリメントなどで過剰に摂取したらどうなるでしょうか、そういったことも今後は考えていく必要があるのです、何事も全てがバランスが最も重要なのです、適度な活性酸素は最大の身体の防御役となるし過剰な活性酸素は猛毒にもなるのです。
更には活性酸素が癌を作ると言われて久しいのですが、実は癌治療に用いられる紫外線や放射線は活性酸素を発生させる目的であることはあまり知られていません、細胞に紫外線や放射線を当てるとミトコンドリアが活発化し活性酸素が素早く生まれるのです。
これは極めて興味深い事実です、活性酸素によって生まれる異常細胞を活性酸素によって除去するというのですから、物事は一方向から見て考えてはいけません、あらゆる方向から見て総合して考えることが重要なのです、そして常に真実は一つなのです、自然界の真実を見つける作業が科学という学問なのです。