2025年8月 3日 09:00
石の陰に小さく可憐に咲く花、その名も
大犬の陰嚢(オオイヌノフグリ)
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大きい犬の睾丸!?
なぜ、そんな名前を・・・。
しかも小さいのに、なぜオオイヌ?
名前の由来は、調べてみるとなかなか面白い。
明治初期に渡来したヨーロッパ原産の帰化植物で、もともと日本に自生していた「イヌノフグリ」という植物に似ていて、それよりも大きいことから「大」が付き、果実の形が犬の陰嚢(フグリ)に似ていることから「フグリ」が付けられました。
草丈は10~30cmほどで、茎は地面を這うように広がり先端が立ち上がりますが、横に広がる性質が強いため密集して生えることもあります。
葉は卵形から円形で、縁には不揃いの鋸歯(きょし)があり、表面にはまばらに粗い毛が生えていて、下の1~2対が対生し、それより上は互生します。
花はコバルトブルーで小さく、花冠は直径約1cmで深く4裂していて下のほうが短い筒の形をし、花弁が4枚あるように見えますが基部はつながっています。
花弁には濃い青色の筋が入っていて中心部は白っぽいことが多く、花の中心には雌しべが1本、雄しべが2本あります。
花が終わるとやや扁平で幅の広いハート形の果実ができ、この実が犬の陰嚢に似ていることが名前の由来とされています。
果実の中には8~15個の小さな種子が入っていて熟すと弾けて種子を散布します。
日当たりの良い湿った場所を好みますが、非常に丈夫で耐寒性や乾燥にも比較的強く、種子だけでなく茎が地面を這って根を張ることでも増え、在来種のイヌノフグリを駆逐する勢いで広がっています。
外来種であるこのオオイヌノフグリに影響され、日本の在来種の「イヌフグリ」は数を大幅に減らし、絶滅危惧Ⅱ類に指定されています。
オオイヌノフグリは、現在では日本全国の道端、畑の畦道、公園など全国いたる所で普通に見られる野草で、他の植物がまだよく伸びていないころに花を咲かせるので見つけるのはやさしく誰でも目にしたことがあると思います。
風の冷たい早春の日だまりに小さなコバルト色の花をたくさん咲かせ、太陽の光に反応して開き、日が暮れるとしぼむ「一日花」ですが、次々と新しい花が咲き続けます。
この小さく青い花が、まるで星のように見えることから『星の瞳』という美しい別名も持っています。
代表のオフィスの庭を観察していると勉強になります。
学名:Veronica persica
オオバコ科クワガタソウ属
開花時期:2~5月