2025年1月23日 08:00
ホームシアターのCh数を示す時に使われる5.1Chとか7.1Chの「.1」Chはサブウーハー、つまり重低音域のチャンネルを示しています。
この重低音域を、通常のハイファイオーディオに組み入れた方式が「ステレオ2.1Ch」というホームシアターから流入した方式です。
これを実現するのは簡単で、現在のステレオにサブウーハーを買ってきて繋ぐだけです。
最近のエントリークラスのアンプの多くはサブウーハー専用のコネクタが付いていますので、このコネクタにRCAケーブルでサブウーハーを繋ぐだけで実現します。
この理由は、現在のエントリークラスの主流スピーカーは小型ブックシェルフ型で、この小型ブックシェルフスピーカーが一番弱い重低音域をサポートさせようとするのが狙いです。
サブウーハー専用のコネクタが付いていなくても、LR(左右)のスピーカーを一旦サブウーハーのスピーカー入力に繋ぎ、サブウーハーのスピーカー出力から左右のフロントスピーカーに繋げれば同じように現在のステレオがステレオ2.1Chになります。
ただし、この場合はスピーカー入力が付いているサブウーハーを買い求める必要があります。
テレビの音声も同じで、イヤホン端子からミニジャック/RCA変換ケーブルで繋ぐだけで実現します。
この場合、テレビの設定でイヤホン端子にミニジャックを挿してもテレビの音声が出るようにしておかなければなりません。
さて、このように手軽に実現できるステレオ2.1Chですが、この効果は絶大で殆どの人は依存性薬物のように、2.1Chでの重低音が無くては物足りなくなってしまいます。
ただし、この音に慣れ過ぎた耳は正確にオーディオの音質を評価できなくなってしまいますので注意が必要です。
例えば私は、ホームシアターシステムでCDなどのオーディオ音源を聴くのはたまにしか行いません。
ホームシアターシステムで聴くジャズライブCDは、まるでジャズクラブに居るようなリアルすぎる臨場感です。
拍手やグラスの氷をかき混ぜる音がリアルに後ろ側から聴こえ、バスドラを踏む足の響きがドスンドスンと床から響いてくるのですから。
こんな音を聴いていたら、普通のステレオ再生で本来のリアル録音での音楽を楽しめなくなってしまいます。
ホームシアターとはリアルな音の追求ではなく、かなりオーバーに色付けされた映画などを楽しむためのもので、自然界に存在する音の再現とはまったく次元が異なるものです。
映画館で異次元の音を体験するから現実逃避できるのです、ホームシアターはそういった映画館の音を自室に再現する為の装置であり、DVDやブルーレイの音はそういった音作りが施された音源なのです。
依存性のあるステレオ2.1Chサウンド、ほどほどにしておくのがよろしいようで。
また、音による現実逃避もほどほどにしておかないと、本当に現実に戻れなくなってしまいます。
ただ、PCオーディオなどのデスクトップオーディオやBGM用とか寝室用のサブシステムに使うのは実に理にかなっています。
それは小音量で聴くのが一般的であり、小音量では消えてしまう低音域を伸ばしてくれるのでアンプで音調整をしなくても自然な音として聴く事ができるからです。