
私は昔から病院へ行くのが大の苦手で、年一回の人間ドックでさえ当日の朝まで「行くの止めようかな?」なんて考えたりするのです。
なので、できるだけ症状から自分でネットや書店で調べて自己治療を行うようにしています。
また、こんな経験をたくさんしてくると自分の身体の個性が解ってきて対処方法も肌感覚で解るようになります。
ただ、「これは駄目だ」というときもあります、そんな時は流石の私も躊躇せずに病院へ直行です。
さて、そんな性格なのでオーディオも調子がおかしいときにすぐ修理に出すのではなく、まずは自分で修理することを考えるのです。
そんな経験をいろいろしてくると、オーディオ製品に多くの同様の症例があることが解ってくるのです。
最も多い症例が、しばらく使っていなかったアンプで久しぶりに音楽を聴こうとスイッチをオンしたら、ボリュームはゼロなのにスピーカーから「ガサガサガサ・・・」という虫が這うような音がするというものです。
耳にゴミなどの異物が入ったときのような音で、これを聞くと何とも不快な気持になります。
また、「ポツン、ポツン・・・」と2~3秒間隔くらいの雨の日に屋根から落ちる水滴のような音がすることもあります。
これらは全て同じ原因の症状です。
っで、直し方は極めて簡単です。
何もせずそのまま通電しておくだけです、人間の身体の症状を治すのに何もせずに寛解(かんかい)するのを待つのと似ています。
音が気になる人はスピーカーを外せばOKです。
私は、どういう風に音が変化して行くのかが知りたくて、一度ずーっと聴いていたことがあります。(よほど暇だったのですね)
定期的な「ポツン、ポツン・・・」を聴いているうちに寝入ってしまい、気が付いたら朝になっていたなんてこともありました。
ただ、起きた時には音は出なくなっていたので、おそらく半日くらい通電しておけば治るんじゃないかと思います。
原因は、長時間通電しなかったことによる電解コンデンサの自然放電です。
久しぶりに通電すると電荷が空になったコンデンサに単純に電荷が蓄積されていくので、その際の充放電によるノイズという訳です。
これ、実は高校(工業高校)の時にオーディオ好きな先生に教えてもらっていたのです。
身体もオーディオも、構造と原理を知っていれば対処もできるということです。
そして、オーディオを自分で修理するするようになると部品とか構造などが解るようになり、益々オーディオが自分の身体のように身近に感じるようになるのです。

手軽に音楽を愉しめるCDですが、長く使っていると手垢や自然に付着する油膜で音飛びを起こしてしまうようになります。
特に内側に付くと音データではなくメタデーターが入っている部分なので、読み込みそのものが出来なくなる恐れも出てきます。
再生する都度、CDの状態をチェックするように心がけましょう。
そして、ちょっと汚れが目立つという時にはクリーニングします。
もっとも手軽に、しかも完璧に行いたいなら高価なクリーニングキットなどは不要です。
私は、中性洗剤を付けて水洗いします。
CDはアクリルで出来ていますら、水やアルコールならジャブジャブ洗っても何ら問題ありません。
洗う時はスポンジは使いません、細かな傷が付く時があります。
だから素手でほんの少しの中性洗剤をつけて洗います。
気をつけたいのがそのまま乾かすと、水垢がついて落ちなくなるので大変です。
ティッシュペーパーでしっかり水分を拭きとります、その後自然乾燥させればこれで完了です。
素材を解っていれば手入れ方法も独自の方法を編み出せるのです。

オーディオやホームシアターで、壁にスピーカーや液晶テレビを設置する際には充分に取り付け方法と強度を考慮してほしいと願います。
先日、私のコンサルティング先のカレーレストランで、壁に取り付けられていた大型液晶テレビが落下して、もう少しでお客さんに大怪我をさせてしまった可能性がある事件が起きました。
壁にはすっぽりと穴が空いており、取り付け工事ミスだとすぐ解ります。
ちなみに居抜きの為、工事業者の責任は問えません。
さて、壁に取り付ける際にまず壁の材質を確認してください。
店舗やマンションの内装では1Cm厚程度のベニア合板を良く使いますが、これだとスピーカー程度は問題ありませんが、液晶テレビだと専用の取り付け金具だけでは32インチ程度までが限界です。
更には最近多い石膏ボードではスピーカーでさえも取り付け出来ません、石膏ボードは木ネジを止める時は締まっているかのように思えても、すぐに振動などでボロボロと削りだされて抜け落ちてしまいます。
こういった際にはちょっと見た目は悪いのですが、天井と床で支えるポールを立ててそのポールに取り付け版を固定して取り付ける方法があります。
またスタンドを自作する手もあります、市販品では超小型のスピーカー程度ならカメラの三脚のようなハイポジションスタンドが売っています。
これはマンションでは多用される方法で、壁や天井に傷もつきません。
また、店舗では壁そのものを裏面から厚い合板を当てて補強しなくてはいけません。
現在ではあらゆるニーズに在った取り付け金具が揃っていますので、壁の強度を確認したうえで適合した壁の補強と取り付け方法を選んでほしいと思います。

ギャングエラーとは小音量時に起こる左右の音量がばらつく現象を言います、時には左右のどちらかが無音になることもあります。
これは、ボリュームの可変抵抗の特性上発生する自然現象です。
高級アンプに使われているステップ式の固定抵抗を切り替えるロジックによるものではほとんど起きませんが、可変抵抗だけのエントリークラスのアンプなどでは確実に起りえます。
これを防ぐ方法としては、アンプにアッテネーターが付いている場合はアッテネーターをオンにしてボリュームツマミを上げると防げます。
アンプに付いていない場合は、CDプレーヤーなどの入力とアンプの間に単体のアッテネーターを入れる必要があります。
アッテネーターとは、電流を絞り込む装置で音質を変えずに電流値だけを下げる役目をします。
ギャングエラーが起こらず安定になるボリューム位置は、だいたい9時の位置から上です。
この位置より下げて聴く時に、左右の音量がふらついたり途切れたらギャングエラーを起こしているのであって故障ではないので安心して下さい。

掃除に良く使われている化学雑巾、埃を綺麗に吸着し拭いた後も何か光って良い感じです。
昔から床や家具の掃除には何かと重宝されています。
しかし、オーディオ製品には天敵なので絶対に使わないようにしましょう。
この化学雑巾は油成分によって埃を吸着しているのです、だから拭いた後は表面の細かな凸凹に油成分が染み込み輝くのです。
この油成分ですが、時間が経つと酸化作用により金属表面に薄い皮膜のようなものを形成させ濁ったような色調を残します。
オーディオの中古市場では、この状態を「クスミ」と呼んでいます。
金属は経年経過で少しずつ酸化し自然にくすんでくるものですが、そういった自然なくすみかたとは違い薄い皮膜のようなクスミが付くのです。
自然なくすみは何をしても取れないのですが、皮膜によるクスミは軽い場合はアルコール、強力な場合はベンジンで取る事ができます。
ただ、細かいところまで綺麗にするのは綿棒を使ったりで大変な労力を要します。
また、オイルは絶縁体です、コネクタなどに皮膜がこびりついた場合は接触不良を起こさせます、これがオーディオ製品を劣化させる最大のリスクです。
更には、この皮膜が梅雨の時期に湿気と暑さでベタ付くこともあり更に汚れを吸着しやすくなります、また使用感もよくないものになります。
オーディオ製品の掃除には、必ずマイクロファイバークロスを使いましょう。
マイクロファイバークロスは、細かい繊維によって埃や油成分の汚れを絡み取るもので薬品は何も塗布されていません。
金属やガラスの表面に付いた手垢(皮脂汚れ)も綺麗に落とせます。
電化製品を売っているお店には必ず置いてありますから、何枚か買っておくと何かと便利です。
電化製品だけでなく、使い込んで捨てる前のマイクロファイバークロスで窓ガラスの仕上げ磨きに使うとピッカピカになりますよ!