ギャングエラーとは小音量時に起こる左右の音量がばらつく現象を言います、時には左右のどちらかが無音になることもあります。
これは、ボリュームの可変抵抗の特性上発生する自然現象です。
高級アンプに使われているステップ式の固定抵抗を切り替えるロジックによるものではほとんど起きませんが、可変抵抗だけのエントリークラスのアンプなどでは確実に起りえます。
これを防ぐ方法としては、アンプにアッテネーターが付いている場合はアッテネーターをオンにしてボリュームツマミを上げると防げます。
アンプに付いていない場合は、CDプレーヤーなどの入力とアンプの間に単体のアッテネーターを入れる必要があります。
アッテネーターとは、電流を絞り込む装置で音質を変えずに電流値だけを下げる役目をします。
ギャングエラーが起こらず安定になるボリューム位置は、だいたい9時の位置から上です。
この位置より下げて聴く時に、左右の音量がふらついたり途切れたらギャングエラーを起こしているのであって故障ではないので安心して下さい。
掃除に良く使われている化学雑巾、埃を綺麗に吸着し拭いた後も何か光って良い感じです。
昔から床や家具の掃除には何かと重宝されています。
しかし、オーディオ製品には天敵なので絶対に使わないようにしましょう。
この化学雑巾は油成分によって埃を吸着しているのです、だから拭いた後は表面の細かな凸凹に油成分が染み込み輝くのです。
この油成分ですが、時間が経つと酸化作用により金属表面に薄い皮膜のようなものを形成させ濁ったような色調を残します。
オーディオの中古市場では、この状態を「クスミ」と呼んでいます。
金属は経年経過で少しずつ酸化し自然にくすんでくるものですが、そういった自然なくすみかたとは違い薄い皮膜のようなクスミが付くのです。
自然なくすみは何をしても取れないのですが、皮膜によるクスミは軽い場合はアルコール、強力な場合はベンジンで取る事ができます。
ただ、細かいところまで綺麗にするのは綿棒を使ったりで大変な労力を要します。
また、オイルは絶縁体です、コネクタなどに皮膜がこびりついた場合は接触不良を起こさせます、これがオーディオ製品を劣化させる最大のリスクです。
更には、この皮膜が梅雨の時期に湿気と暑さでベタ付くこともあり更に汚れを吸着しやすくなります、また使用感もよくないものになります。
オーディオ製品の掃除には、必ずマイクロファイバークロスを使いましょう。
マイクロファイバークロスは、細かい繊維によって埃や油成分の汚れを絡み取るもので薬品は何も塗布されていません。
金属やガラスの表面に付いた手垢(皮脂汚れ)も綺麗に落とせます。
電化製品を売っているお店には必ず置いてありますから、何枚か買っておくと何かと便利です。
電化製品だけでなく、使い込んで捨てる前のマイクロファイバークロスで窓ガラスの仕上げ磨きに使うとピッカピカになりますよ!
オーディオ製品の中で、最も外気の影響を受けるのはスピーカーです。
スピーカーユニットのコーンは、多くが紙・布・ゴムなどの天然素材が使われています。
これらは熱や紫外線、また湿度に極めて弱い性質を持っています。
例えば、夏場に直射日光にさらされると1シーズンでユニットのエッジがボロボロになります。
また、湿気によってカビが生えると同様に1シーズンでボロボロになります。
故障とまではいかないまでも、直射日光でエンクロージャ(箱=ボックス)やサランネットが日焼けして見栄えが悪くなります。
また、レコードプレーヤやCDプレーヤーなどの可動部のあるものも熱には極めて弱いです。
可動部には、精密部品やピックアップなど熱に弱い素材が使われています。
オーディオ製品にはなるべく直射日光に当てない事、湿気と乾燥には注意する事が長く楽しむ秘訣です。
また、スピーカーにはサランネットを必ず付けることをお奨めします。
例え直射日光が当たっても、かなり緩和する効果とユニット自体を埃などから守る効果があります。
更に、指でユニットをつい触ってしまいシミや凹みから守る効果もあります。
サランネットを外すのは、メンテナンスなどでのユニットの状態の確認兼ユニットの掃除の時だけにしましょう。
スピーカーケーブルを切って使うのが面倒くさい、もしくはもったいないということで長いまま丸めて使っている人がいます。
でも、これが音を悪くする原因になります。
導線を丸めるとコイルになります。
コイルは高周波ほど交流抵抗が高くなる特性を持っています。
つまり、巻き方によっては巻き数が増して高音域が小さくなって音が悪くなります。
また、長いとケーブルそのものがコンデンサの原理により、やはり高域や低域に影響する交流抵抗が生まれてしまいます。
ということで、スピーカーケーブルはできるだけ短く最適な長さに切って使うようにしましょう。
広い部屋で、5m以上と長く引く場合にはオーディオ専用のスピーカーケーブルを使う事をお薦めします。
スピーカー専用ケーブルは高価なのですが、長く伸ばしても交流抵抗が生まれづらい作りになっています。
ケーブル代をケチると、オーバーな話しミドルクラスのアンプがエントリークラスにハイエンドのアンプがミドルクラスの音質になってしまいます。
たった数千円をケチって10万円以上の音質損をする、これでは本末転倒ということでしょう。
※交流抵抗は、スペック上「インピーダンス」と示されています。
オーディオ製品は部屋の中に機械を飾るようなもので、装飾品との兼ね合いから違和感を与えてしまうことに繋がります。
そういったオーディオ製品の設置で、特に気をつけたいのがコード類です。
私は、出来るだけコード類が見えないように配線の設計を行います。
特にホームシアターですと多数のスピーカーを使いますので、どうしてもスピーカーケーブルが部屋の中を這うようになります。
高い位置に置く場合は、ケーブルをむき出しにするのではなく、モールなどで綺麗に配線するようにしてほしいと思います。
また、ホームシアターなどでシステムの反対側の壁にスピーカーを置く場合にも、若干遠回しになっても家具の後ろ側を回すなり表面に出ないようにしたいものです。
この気遣いは実はトラブルを未然に防ぐためにも重要なのです。
例えば、スピーカーケーブルが歩く場所に出ていた場合には踏んでケーブルを傷めてしまうし、躓いてスピーカーを棚などから落としてしまう事もあります。
とは言え、電源タップのコードやCDプレーヤーなどのラインケーブルとスピーカーケーブルを一緒に纏めてしまうとノイズの原因になりますし、他の電気製品の電源を入れた途端に「バチッ」というノイズを拾ってしまう事もあります。
電源コードとオーディオの各種ケーブルは平行に這わせないということを鉄則とすると安全です。
また、オーディオラックの裏側を見て下さい。
各種ケーブルがぐちゃぐちゃになっていませんか?
こういうだらしない配線は、空気の流れを悪くして埃を貯め込んでしまい、その埃にダニが発生してアレルギーの原因を作ってしまう可能性もあります。
細かなとろろにまで気を配ってこその道楽というものです。