オーディオ製品は部屋の中に機械を飾るようなもので、装飾品との兼ね合いから違和感を与えてしまうことに繋がります。
そういったオーディオ製品の設置で、特に気をつけたいのがコード類です。
私は、出来るだけコード類が見えないように配線の設計を行います。
特にホームシアターですと多数のスピーカーを使いますので、どうしてもスピーカーケーブルが部屋の中を這うようになります。
高い位置に置く場合は、ケーブルをむき出しにするのではなく、モールなどで綺麗に配線するようにしてほしいと思います。
また、ホームシアターなどでシステムの反対側の壁にスピーカーを置く場合にも、若干遠回しになっても家具の後ろ側を回すなり表面に出ないようにしたいものです。
この気遣いは実はトラブルを未然に防ぐためにも重要なのです。
例えば、スピーカーケーブルが歩く場所に出ていた場合には踏んでケーブルを傷めてしまうし、躓いてスピーカーを棚などから落としてしまう事もあります。
とは言え、電源タップのコードやCDプレーヤーなどのラインケーブルとスピーカーケーブルを一緒に纏めてしまうとノイズの原因になりますし、他の電気製品の電源を入れた途端に「バチッ」というノイズを拾ってしまう事もあります。
電源コードとオーディオの各種ケーブルは平行に這わせないということを鉄則とすると安全です。
また、オーディオラックの裏側を見て下さい。
各種ケーブルがぐちゃぐちゃになっていませんか?
こういうだらしない配線は、空気の流れを悪くして埃を貯め込んでしまい、その埃にダニが発生してアレルギーの原因を作ってしまう可能性もあります。
細かなとろろにまで気を配ってこその道楽というものです。
私は多い時には3匹の猫を飼っていたのですが、オーディオ製品の最大の天敵は間違いなくペットです。
特に猫は要注意です。
買ったばかりのスピーカーのサランネットで爪とぎされて、1日で終わってしまったことなどは珍しい事ではありません。
酷い場合は、スピーカーユニットのコーン(振動板)を猫パンチで凹まされたり破られる事もありました。
これらは、ジャンク屋さんに大量に出せれています。
「ツイーターに凹みあり」などの張り紙を見たら、ほぼ90%はペットの被害ですね、残り10%は子供の悪戯か酔ってメンテナンスとしかして凹ませたかです。(あくまでも私の想像です)
もっと酷いと、アンプの上で毛玉を吐かれたり、スピーカーにスプレーされて廃棄するしかない場合もあります。
これが高級品だと本当に本当に涙が出る程ショックなのです。
また、抜け毛は隙間があればどこにも入り込みます。
アンプなどの定期的なメンテナンスは欠かせなくなります。
オーディオ製品を設置する部屋には、確実にペットを入らせない施策が重要になります。
ペットも家族、オーディオとの住み分けによってどちらも平穏に暮らせてあげたいものです。
オーディオで一番の怖い話をします。
それは「見えない銅線」という存在です。
スピーカーケーブルはしなりを良くするために、細い銅線を何十本もより合わせて作られています。
そして、スピーカーやアンプに結線する際は、ビニール皮膜を剥いて銅線をより合わせて結線するのですが、ときどき数本はみ出してしまうことがあります。
このより合わせからはみ出している銅線は普通の人にも見えずらいもので、特に目が悪い人や老眼の人は眼鏡をかけても殆ど見えないものです。
そして、このはみ出した銅線が時々物凄い恐怖を呼び起こすのです。
何かの拍子にこの銅線が隣のコネクタに接触してしまった場合、スピーカー側だろうがアンプ側だろうが、ものの数分でアンプの出力段が焦げ臭い臭いを残して飛んでしまいます。
ジャンク屋さんにはこういうアンプが山と積まれています。
「片側、音出ません!」と紙が貼ってあるアンプはほぼこの見えない銅線の餌食になったアンプでしょう。
さて、これを解決する方法は面倒でも結線部分を半田付けするか、コネクタがバナナプラグ対応ならバナナプラグをかしめる(圧着)か、そうでないならY字プラグをかしめるかですが、多くの人は手でよるだけです。
まあ、一度経験すればこの恐怖から注意するようになるでしょう。
ちなみに私は、1000回を越える結線をしていても1度だけです!(自慢にはなりませんね)
先端をハンダ付けした各種実験用に使うスピーカーケーブル
オーディオに結線ミスは付きものです、何年やっていてもミスする時にはミスしてしまいます。
私の中で一番多いのがスピーカーの左右の結線ミスです、セッティングの際にアンプを後ろ向きにして結線するのですから左右をクロスさせないといけないのですが、ついクロスさせずに結線してしまいます。
同様にスピーカーのプラスとマイナスの結線ミスです、音出ししてみればすぐ解るのですが、耳慣れしていない人にはすぐには解りません。
左右両方間違っている場合は中音域の張りがなく、片方だと聞くポジションにより特定の音域だけが抜けます。
せっかくのオーディオ製品も、この違和感ある音に気付かずに長年聴いている人もいます。
結線しているのに音が出ない、映像が出ない、これは多くの場合に故障ではなく機種間のケーブルの結線ミスです、アンプの入力スイッチを切り替えればすぐにも解るボンミスです。
オーディオ製品をラックを使わずに重ねて設置する場合は、放熱に充分注意しましょう。
放熱量の少ない機種を必ず下にしないと、熱で故障してしまいます。
例えば、アンプとCDプレーヤーなら、CDプレーヤーを下にアンプを上に重ねることが基本です。
これが逆だと、アンプの熱がアンプ内に籠り発熱する部品どころか周辺の部品もやられてしまいます。
更には、下からの熱で上のCDプレーヤーが故障してしまう事もあります。
セパレートアンプでは、プリアンプが下でパワーアンプは上にします。
カタログなどの写真では、パワーアンプが下でプリアンプが上になっている場合が多いです。
これは見栄えの為であり、決して真似をしてはいけません。
ただし、パワーアンプはかなり重いのでプリアンプとの隙間が3Cm以上取れるようならパワーアンプを下にしてもかまいません。
製品によっては、重ね置きを想定して設計されているセパレートアンプもあります。
また、埃よけの為にランチョンマットのようなクロスをアンプにかける人がいますが、これも同様に故障の原因になります。
必ず、電源を入れる時にはクロスを取りましょう。
何のために上部にスリットが開けられているのかを理解する必要があります。