センタースピーカーの実力の程は?-3~Klipsch RC-62
2024年7月 5日 08:00
オーディオ&ホームシアター道楽を封印する直前に購入し、ほんの数カ月間使っただけでトランクルーム行きとなったセンタースピーカーの名機Klipsch(クリプシュ) RC-62(2007年発売、定価6.8万円)です。
クリプシュ RC-62
このセンタースピーカーは大きさもさることながらド迫力で息を飲む程のボイス(映画でのセリフ音声)が迫ってきます。
オーディオ道楽復活で動作確認を兼ねて、現行のホームシアターシステムに繋いで試聴してみましたが音圧で勝ってしまってアンプのチャンネル間レベル調整だけでは追いつきません。
同じアンプにRC-62とオンキョーの名センタースピーカーであるHTS-C10を左右に繋ぎ、双方を縦にして音質チェックを試みたのですが、音圧が違いすぎてかなりバランスをHTS-C10側に傾けないと比較できない程でした。
ホームシアター音質認定THX取得のHTS-C10が完全に押され気味なのです、特にボーカル再生での中高音の張り出しがまったく次元が異なります。
サイズ的には大きな差は無いのですが、音質の差は極めて大きな差となって現れました。
このクリプシュRC-62は、センタースピーカーであるにも関らず、ハイエンドな本格的コンプレッションドライバー+15Cm角ホーンを使ったホーン型ツイーターを搭載しており、高域の力強い張り出しは半端ではありません。
またウーハーには、逆ドーム型銅合金製コーンの16Cm口径を2発使い、ダブルフロントバスレフ方式で50Hzまで力強く低音域を伸ばしています。
金属皮膜コーンはコーン自体の歪が少なく力強い音を発することで知られています。
最近では、新時代のブランドであるマークオーディオやHIVI(ハイビィ)などの高級スピーカーユニットメーカーが好んで使っています。
紙や布に比べて若干重くなる金属皮膜コーンを軽々とドライブするには、それなりの強力なマグネットを使わなくてはなりません。
大きさも規格外で幅60Cmとセンタースピーカーの領域ではなく、縦に2本使えばトールボーイ型フロントスピーカーの領域のエンクロージャー容積になります。
また、センタースピーカーでは有り得ない98dB(デジベル)の高音圧は同程度のフロントスピーカーを合わせなければなりません。
ちょっと年代物になりますが日本製のホームシアター用トールボーイでは、セットで40万円というダイヤトーンVS-900F辺りがスペック的に相棒に相応しいスピーカーとなります。
実は、封印前にRC-62と合わせていたのがダイヤトーンVS-900Fで、重量も半端なく超が付く程の最大級の巨大すぎるトールボーイスピーカーです。
尚、クリプシュRF-82というトールボーイ型フロントスピーカーとサラウンド専用に作られたRB-51が本来の相方です。
2020年3月、待望の後継機フロントトールボーイ型R-820F及びサラウンドR-51Fが発売されましたので、タイミングをみて購入予定を立てています。
そんな規格外のクリプシュRC-62、本当にそこに人がいてしゃべっているかのようなリアリティ溢れるボイストーンを醸し出してくれます。