時々「理念経営」という言葉を耳にします、企業にとって「理念=現実」となるような理念を作らなければ歯の浮くような素晴らしい理念を作って公示したとしてもそれはただの「絵に描いた餅」になってしまいます。
企業にとって「理念」とは簡単に言えばその「企業らしさ」でもあります、もっと言えば経営者の正直なその会社のビジネスを通して社会に存在を示す気持ちが表れていなければなりません。
その会社の商品らしさ、その会社のサービスらしさ、つまりその「会社」らしさを追求することで 経営者は前向きな姿勢で経営ができるというものです、「らしさ」を追求している経営者は脇目もくれずに自社のビジネスに邁進できています。
自社の「理念」を読んで何か自分らしくないと感じるのはおそらく他者や周囲の目を気にして応えようと無理をしているからではないでしょうか、その会社はその経営者がやりたいビジネスを通して社会貢献するという気持ちで創業させたと信じたいです。
であれば先ずは経営者自身が「自分らしさ」を追求することが肝要です、そしてそれを正直に言葉にした「自分らしい理念」を掲げることです、それができて初めて会社は次のステップへと成長していくことができるというものです、企業の「らしさ」を追求できてそれを表現できるのは経営者しかいないのです。
自社のビジネスが社会にとってどれだけの「価値」を産み出すことができたかは収益という数字に如実に表れてきます、では収益とは何によってもたらされるものなのでしょうか、それはその事業に関わる関係者全員の経済活動によってもたらされたものなのです。
更にはその収益は商品やサービスを提供されたお客様から支払われたものです、つまりは社会に貢献できたかどうかという指標というのはこの意味からです、事業に関わる関係者全員の活動により生み出されるものが収益であるなら、その収益によって生まれた利益はその企業の存在価値そのものと言えます。
企業は「利益が全てではない」と言われますが、しかし赤字を何年も継続し納税もしない企業にはたして社会にとって存在価値や存在する意義が有るのでしょうか、私は「企業とは納税することが一番の社会貢献である」と考えています、それは企業価値を象徴しているものだからなのです。
起業したら3年以内には黒字転換し納税する、そして企業の存在価値を世間に問う、これが正しい経営者マインドだと確信しています。
多くの企業にとって決算は一大イベントです、最大の社会貢献である納税とそれに伴う決算申告は避けては通れない事項の一つです、納税意義の他にも会社の状態を正確に判断したり、それに伴い予めの資金調達を検討したりと決算とは重要不可欠な経営事項でもあります。
ここで一つ明言させていただければ決算書とはあくまでも過去の状況でしかないということです、本当に経営に必要なのは「今」をどう判断し会社の未来をどう考え構築していくかが重要であり経営判断において決算状況は重要ですが囚われることでもありません。
未来の経営判断や経営方針のベースとなる現在の状況が明確に解る決算書は無視できない根拠でもあります、それに囚われてしまうのは致し方ないことなのかもしれません、ただ過去がどうであろうが経営とは明日何が起こるかは誰にも分からない代物なのです。
決算が良かったから安心することなく、また悪かったからといって落胆することもなく、決算内容を真摯に受け止めて冷静に明日を考えるのが成功する経営者なのです。
近年の住宅数は年々増加傾向にあり6000万戸を超えますが一方で空家率も15%に迫る勢いで総住宅戸数の伸び以上に増加しています、空家問題は都市部と地方では問題の本質は異なるのですが数年前から表面化しつつあるのに何故これが大きなビジネスにつながらないのでしょう。
真っ先に思いつくのは安価で購入しリフォームしてから賃貸にする発想ですが問題はそう単純ではありません、もしその空家に家族の思い出が詰まっている場合には売却と同時に遺産を廃棄するという行為そのものに躊躇してしまうでしょう。
また更地にして売却する場合は固定資産税が跳ね上がることになり、これも躊躇する理由の一つとなっています、住宅の撤去やリフォームに国や地方自治体が助成する制度はありますがあまり名の知れていない一般企業がこれらの話を空家オーナーにしたところで説得力がなく上手くはいきません。
結論を言ってしまえば空家オーナーが動かない一番の理由は様々な「厄介事」に巻き込まれたくないという事情からなのです、つまりこれらの「厄介事」をすべて引き受け収益を上げる構造を作り上げた人が「空家ビジネス」の勝者になれるということです。
しかし構想から実際にビジネスとして動き出した場合に想定以上の問題があらぬ方向からやってきます、経験が無いと伏兵が何処に潜んでいるかが解らないのです、ビジネスアイデアを思いつくのは簡単です、しかしビジネスの流れをリアルに想像しリスクとトラブルを考え実施するとなると普通の人にはかなり難しいと思います。
ビジネスを興すこと自体がリスクとトラブルは必ずついて回ります、 それらをいかに想定し事前に予防線を張れるかどうかが成功する経営者とそうでない経営者の分かれ道となります、発想と行動は大胆に計画は始終極めて慎重に細部に渡り熟考することが肝要です。
生活様式の変化から現在経済環境の大変化が起きています、こんな時代は状況の変化にいかに素早く対応し適応できる体質を作りあげられるかが求められます、状況の変化に耐えうるという点においては小さな企業に分があります、大企業には体力がありますが組織が大きい為の劇的な変化に対応するスピード感に欠けています。
恐竜が滅びたのは隕石落下のインパクトによる環境の変化に対応しきれなかったからであり体の小さい哺乳類が急激な変化に耐え抜き現在繁栄の時代を迎えています、つまり環境が急激に変化する状況において必要とされるのは強靭さでも体の大きさでもなく変化に耐えうる体質かどうかだけなのです。
大企業はこれまでのやり方に慣れてしまっているために変化に対応するとなると莫大なコストと労力を払わなければなりません、しかし組織が小さければ現在進行形で試行錯誤を重ねられるため状況に合わせて素早く形を変えていくことができます。
もし個人レベルの企業が大企業に勝つことができるとしたら経済環境が劇的な変化を遂げている今しかありません、未来思考で現状を正確に把握し会社の在り方を変えてゆけるかがこれからの時代の勝敗の分かれ道となります。
大企業が対応に追われている間に素早く順応し次の時代へ向かう準備とアクションを起こした企業こそが次世代のリーダーとなれるのです、中小企業や個人レベルの企業が大企業を飲みこむチャンスは今まさに目の前に迫っています。