「ゼロサム」とは、総数の和が常にゼロになる事象を指し、経済や経営などにおいての基本的な数理理論として用いられています。
「売上=原価+コスト」で利益ゼロ、というように計画指標とするなどにおいて多用される経営思考の原点でもあります。
また、会計上のPL/BS(貸借対照表/ 損益対照表)は、このゼロサム理論によって貸し方と借り方の総和をゼロにするようにした手法です。
投資の世界でも「ゼロサムゲーム」などという言葉が使われる事があります。
例えば、外貨取引における為替の場合は、為替レートとそれぞれの通貨の発行数により、相互にゼロサムとなるように計算されています。
株や仮想通貨には、その特性上ゼロサムという理論は適応できません。
その為、全員が得をする、全員が損をするという状況も生まれてきます。
「ゼロサム」という言葉と理屈を理解していると、資産構築や運用に何を対象にするのが良いかも、その人の個性ともいえる思考に合わせる事ができます。
ドルコスト平均法とは、金融商品を定期で定額的に購入する方法で、値上がりも値下がりも気にせずに資産を構築し運用する事ができる方法です。
有名なのは、金やプラチナの購入があります。
一定期間で一定の金やプラチナを得る事ができ、長期展望で見れば多くの場合に資産を増やす事に成功しています。
リスクを考えずに資産構築できる方法として、かなり昔から好まれている方法です。
現在は、金やプラチナに加えて、株式、外貨など多くの金融商品でサービスが提供されています。
途転(ドテン)とは、金融商品の取引全般に用いられる手法で、ポジションを反転させることを指しています。
簡単に言うと売りポジションを買いポジションに、買いポジションを売りポジションに意識的に変えるわけです。
使い方としては、売りに転じた場合は「ドテン売り」、買いに転じた場合を「ドテン買い」と言います。
特に乱高下しているときなどにこの手法は多用され、値動きが激しい時ほど大きな利益を一瞬にして収める事ができます。
しかし、裏目に出てしまった場合はマイナスもまた拡げる事となり、専門的な知識と読みが必要となります。
投資機関などでは、上値と下値を指してのアービトラージ取引をAI化し、ボックス圏内で乱高下しているときなどは一日で数十億円を稼ぎ出すこともあります。
カウンタートレードとは、大多数の投資家が行う方法とは真逆の投資方法を行うことを言います。
世の中には、何時の時代にも「天の邪鬼」(あまのじゃく)と称する人がいます。
でも、その人は他者動向に惑わされることもなく、あくまでも自分の信念を貫いている人なのかもしれません。
そして、多くの場合、投資の世界では「天の邪鬼」が継続して勝利を収めるのです。
つまり、過日解説した「ハーディング現象」、これは自身が正しいと思っても、大多数が向かう方向を正しいと認識して動いてしまう心理現象です。
でも、「天の邪鬼」には、ハーディング現象など起こりえません、何故なら常に他者の行く裏を行くのですから。
投資の世界とは、摩訶不思議な世界なのです、ビジネスと同じで理屈でも理論でもないのです、全てが結果次第なのです。
ハーディング現象とは、自分が正しいという結論が出ているにも関わらず、大多数の人がその反対の行動に出た場合に自身の判断が誤っているのではないかという不安が起こり、結局大多数の判断と同じ行動を起こしてしまうというものです。
経済や投資で一番難しいのが、参加者の判断の読みだと言います。
特にこれらを総称して「マインド」と呼んでいますが、このマインドのトレンドを正確に読む事が投資では特に重要になります。
極めて面白い行動心理に「群集心理」があります、中でも「ハーディング現象」は大きな判断ミスを起こす事項として最重要となります。
そもそも「流行」や「マーケットメーク」とは、ハーディング現象が引き起こす行動心理であり、共感性の高い人たちを意図的にマインドコントロールする心理学を応用した現代マーケティング手法の一つなのです。