
ジェネシスブロック(genesis block)とは、和訳のとおりでブロックチェーンにおける始まりである最初のブロックを指して言う言葉です。
ブロックチェーンのブロックはマイニングによって作成されます。
では、マイニング開始前の一番初めのブロックは誰が作ったのでしょうか?
ビットコインの場合は、サトシ・ナカモトがジェネシスブロックを作ったというレジェンドが残っています。
実際の話ですが、多くのブロックチェーンでは運用開始前に技術者によってセルフマイニングして生成されます。
現在は、かなりの余裕をみて複数のジェネシスブロックが初期状態で作成されてからパブリックに開放しています。
稼働後、数日間のブロック消費量とマイニングによって生成されるブロック数のバランスを見て、マイニング難易度を調整するのが一般的になっています。

ガスとは、ブロックチェーンを動かすためのエネルギー源です。
具体的に言うと、イーサリアムをベースとしたブロックチェーンは、全てイーサーコインを消費してブロックチェーンによってトランザクション(取引情報)が生成されます。
つまり、ガスであるイーサーコインが不足すると、新たなブロックが生成できずに取引のトランザクションを作る事ができなくなります。
イーサリアムのスタンダードである「ERC20」を使ったトークンは、必ずガスとなるイーサーコインをそのブロックチェーンの管理用のイーサリアムウォレットに保有していないとブロックチェーンを動かす事ができないと覚えておくとよいでしょう。
無料で、スマートコントラクト付きのブロックチェーンのスタンダードを使わせる代わりに、利用料としてイーサーコインを購入させるというイーサリアムの戦略は極めて見事な経営戦略であると高く評価できます。
また、この戦略の凄さは、結果的にイーサーコインの価格の下支えともなっており、これほど多くのERC20をベースとしたトークンが存在する現在、暴落するリスクも低いと判断できます。
逆に言うと、イーサーコインが高騰した場合、ERC20をベースとしたコインやトークンを発行する組織の維持コストの問題が急浮上してくる可能性が否定できません。

半減期とは、ビットコインにおけるブロックチェーンのシステム上の発行コイン数が現段階においては4年に1度半減する事をいいます。
ビットコインは、10分に1度新規コインが発行される仕組みになっており、2009年の最初の段階では10分毎に50BTCが発行されていました。
その後2012年には25BTCとなり、2016年に12.5BTCとなっています。
この10分に1度の発行タイミングを競い合っては、誰よりも早く獲得する事をマイニングと称しているのです。
ただし、4年というタイムを計測しているのではなく、発行されたコイン数で半減期が設計されており、最終的には2100万BTCで枯渇することになっています。

オーファンブロックとは、孤立ブロックを指して言います。
ブロックチェーンのシステム上発生するチェーンでは、繋がれていない孤立したブロックが存在します。
ブロックチェーンの書籍などでは、「枝分かれ」などと表現される事もあります。
このオーファンブロックは、2つ以上のノードが同時にブロックの生成を行った場合にのみ起こるものです。
ブロックチェーンのシステムは、継続したチェーンの方を有効として扱い、孤立しているブロックは不正なブロックとして削除していきます。
また、プライベート型ブロックチェーンでは、システムがセルフマイニングを行いブロックを生成していきますのでオーファンブロックは生成される事はありません。

スケーラビリティとは、ブロックチェーンにおける取引(処理)が過密化してくることによるシステム上の対応を指していいます。
この問題の対応策として、ビットコインでは原論文(Satoshi Nakamoto, 2008)に記載されていながら、いまだ実装されていないSegwit(Segrageted witness)と呼ばれるる技術を開発者側が導入しようとしました。
これはブロックチェーンの容量を見かけ上増やすもので、電子署名部分をブロックから分離して管理するという、今までの仕様と互換性を保ちながら行うシステムの上位互換性のあるアップデートです。
対して、世界最大のマイニンググループであるAntPoolが支持したのは、ブロックチェーンの容量を完全に増やしてしまおうという解決策です。
現在のブロックチェーンのブロック自体は、約3000の取引記録が納められ、その容量が1MBと決められています。
この容量を8MBにまで増加させようというものですが、今までの仕様で作られてきたブロック(取引台帳)は反映されず、事実上全く新しいブロックチェーンができることになってしまうのです。
前者の互換性を持ったままでアップデートを行うことを「ソフトフォーク」、後者の新しい仕様で、新しいブロックチェーンを作ってしまうことを「ハードフォーク」といいます。
中央権限を持たない非中央集権型システムでは、しばしばこのソフトフォークとハードフォークの対立が起こることは否めません。
ビットコインもイーサリアムも、どちらもハードフォークによって複数の仮想通貨に分裂しました。