花茎が伸び始めて1日後に横になったボトルタンポポの花茎ですが、その2日後の朝に再度ピンとなり、更に伸ばして30cmになったところで蕾は開花直前の様相になりました。
そして、その日の午後、念願の開花です!
ついにやりました~!
今回の収穫は、花茎を伸ばし始めて4日後に開花するということ、他の株も花茎が伸び始めました、つまり開花は4日後ということになります。
過去の研究報告をみると、みな同じタイムスケジュールで開花しています。
西洋タンポポはほぼ正確なタイムスケジュールを持っているようです、実に興味深い植物です。
西洋タンポポは、受粉によって結実するのではなくDNAのコピーによって結実する植物なのです。
つまり、地球上に生息するすべての西洋タンポポは同じDNAを持っているのです。
そして、このボトルでの実験を通して食用タンポポは水耕栽培できると判断し、次は本格的な実験装置を作る事を考えています。
いつかは、臨機応変に実験できるようにいろいろ研究してみます!


前回から1日たった水耕栽培実験中のボトルタンポポですが、20Cmほど花茎を伸ばした後、突然横になってしまいました。
日本古来種では、花を咲かせた後に次の花茎が伸びてくるのを邪魔しないように横になるという報告は各種有ります。
しかし、蕾の段階で横になるのは私も初めて見る現象で驚きを隠せません。
つまり推測するに、西洋タンポポは蕾の段階と花が咲いた後の段階の2度、花径を横にして次の花径が伸びてくるのを邪魔しないようにしているということではないでしょうか?
これは、過去の調査では記録にない非常に重要なデータとなります。
と言うことは、私の仮説が正しければ、開花は次の花径が伸びてきて横になった後で再度直線に伸ばし花を咲かせるというもの。
つまり、開花は後3~5日後位だと予測ができます。

実験栽培中の提携農家さんから研究材料として3株を初出荷していただきました。
寒さと乾燥で葉は、紙のように萎れてしまっていて、食材に向く葉はほとんど付いていませんでしたが、今回改めて驚いたのが根の大きさです。
フランス産の食用タンポポは、栽培実験4ヶ月で根が長さ30Cm以上、太さが1Cm以上にもなり、当社ベランダでの実験で少し心配もありましたが、自然栽培は予想を上回る成果が出ました。
この状態で3月になれば立派な葉が何枚も付き、春と秋は食材として収穫できるという確信が持てるようになりました。
フランスの気候は日本とよく似ています、この真冬の寒さと乾燥の中でも、根はすくすくと育っております。
さすが農業のプロ、当社のベランダでの実験栽培物とは比べ物になりません。
また、花茎が出る瞬間の株だったらしく、蕾ができ始めています。
ところで食用タンポポは今流行りの水耕栽培は可能なのか?
根が長く伸びるタンポポの水耕栽培の可能性と共に根の成長観察のため、ボトルに水を張り実験中!
この状態で花を咲かせ、葉が伸びてきたら水耕栽培の実験大成功!

今回も2回目として、ちょっとコーヒーブレーク的なタンポポに関連したウンチクを幾つか紹介します。
☆タンポポの種は冬眠する
タンポポの種には同じ花から出来た種にも関わらず、発芽時期をそれぞれの種が単独で何かしらの方法によって発芽時期をコントロールするメカニズムが備わっています。
これは、春一番に他の植物よりも先にその地を占領する部隊と、他の植物が先に生えていた場合は秋になり枯れるのを待ってから発芽し、その地を占領するという部隊が上手く役割分担しているのではないかとと考えられています。
☆タンポポの花は連携プレーを行う
タンポポは花を咲かせる際に蕾を形成しながら花茎を高く伸ばします、そして蕾は太陽が昇る頃に開花し夕方には閉じてしまいます。
これを3日間繰り返し4日目には完全に花を閉じて花茎をいったん寝かせて別の花が茎を伸ばし花を咲かせるのを邪魔しないようにしています。
そして、次の花が咲き4日目に横になりますので、今度は先に横になっていた花茎はピンと伸ばし種を一気に飛ばします。
同じ株の花でも順序良く開花と種を飛ばす完全な連携プレーを行い、花同士が花を咲かせ種を飛ばす動作の邪魔し合うのを防いでいるのです。
更には、この間欠的に種を飛ばすことで、風向きなどの違いから四方八方に種を飛ばす事ができます。
一斉に花を咲かせて種を飛ばしてしまったら、その時の風向きにしか飛びません、つまりこの連携プレーと間欠プレーによって四方八方に種を飛ばすタンポポの知恵なのです。
☆タンポポの花の奇形
タンポポの花の中には花茎が通常の数十倍という自転車のチューブのように太く平たい中空状になる奇形が昔から報告されています。
そして、このチューブの周辺に10個以上の花を連環状に咲かせます。
この種からは奇形は見られず通常のタンポポが育ちます、つまり遺伝するものではなく突然変異的に発生するものと考えられています。
現在、この奇形のメカニズムも理由も全てが謎のままなのです。
今回は、ちょっとコーヒーブレーク的なタンポポに関連したウンチクを幾つか紹介します。
☆タンポポの名前の由来
諸説あるのですが、一般的に言われているのが子供の遊びからというものです。
昔は、タンポポを「鼓草」と呼んでいました、タンポポの花茎の部分を切り、両端を細かく裂きます、それを水に浮かべると細かく裂いた両端が反り返り楽器の小鼓のような形になります。
それを見て子供たちは「タンタン、ポンポン」と言っては遊んでいたようです、それが何時しか短縮され「タンポポ」と呼ばれるようになったということです。
☆タンポポの花言葉
ヨーロッパではタンポポは花占いの花で、花弁を1枚ずつ抜いては「すき、きらい、すき・・・」と最後に残った言葉で占うというもの。
ここから、タンポポの花言葉が「愛の神託」、「神託」、「真心の愛」などという花言葉が付けられたようです。
また、綿毛(種)を吹いて飛ばす占いも有るようで、全て飛べば恋愛が実り、少し残れば心が離れて行くというもので、ここから「別離」の花言葉もあります。
☆白い花のタンポポがある
タンポポの中には白い色をしたタンポポがあります、日本古来の種では「シロバナタンポポ」などがそれに当たります。
ところで、この白い色したタンポポですが、実はオレンジ色の色素が無いのではなく、白い色のタンポポの花からオレンジ色の色素が抽出されます。
では何故白いのかというと実はオレンジ色の色素をあえて分解して白くしていることが解っています、その理由は研究段階のようですがきっと大きな理由が有るのでしょうね。