本日はたんぽぽの蕾と花茎を食してみることにしました!
味と食感がストレートに伝わるアーリオオーリオ(ニンニクのオリーブオイル炒め)で試食しました。
まずは、蕾、花が咲き終わり綿毛に変わったもの、種が飛び終わったものなどを50本ほど採取してきました。
茎を痛めないように丁寧に流水で洗った後は、しばらく冷水でシャキっとさせます。

シャキッとしたら、5cmほどに切り分けます。

たんぽぽの花茎のアーリオオーリオの作り方はとても簡単!
フライパンにオリーブオイルを引いてにんにくスライスを軽く焦げる程度まで熱します。
そのオイルソースを作ったフライパンに、たんぽぽの花茎をそのまま投入します!

炒めながら塩を適量加えて火を止め1分ほど味を馴染ませてできあがり!

こちらの大きな綿毛化して種になったものを思いきって挑戦!

・・ジャリ、ジャリ・・。
綿毛と種はなかなかの存在感(笑)
美味しい!・・・とまでは言えない苦さと渋みでしたが、
栄養のつまった種を食してエネルギーチャージした気分です!
最後はバケットと乗せてブルスケッタでいただきます。
たんぽぽのほろ苦さとガーリック、そしてオリーブオイルがパンの甘みとなじんで美味しい。
これ、意外といけるかも!

今回食してみて、たんぽぽの花茎は葉ほどの苦みはなく美味しいです。
蕾、綿毛化した花、種はどの状態でもほぼ同じくらいの苦さで、葉よりもかなり苦いということがわかりました!
蕾は苦みとともに渋み、味にも食感にも存在感があるので、より工夫してレシピを考えていきたいと思います。
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タンポポの根の採取の際に大量の葉も採取できます。
そのなかに、幾つかの蕾の付いた花茎を発見、食してみることにしました!

ちなみにタンポポの種類は「西洋タンポポ」、つまりヨーロッパでは食用とされている種です。
この西洋タンポポか日本古来の在来種タンポポかの見分け方は葉では見分けがつかず、蕾を見るのがもっとも確実です。
蕾の外側の額に反りが入っているのが西洋タンポポで、反りが無いのがほぼ在来種ということになります。
さて、タンポポの蕾の味は?
花茎は無味、蕾は香りの無いカモミールのようでほろ苦く意外と美味しいです。
素の味を確認するため、調理法はオリーブオイルで素揚げ他の調味料は何も使いません。
それなのに若干の苦みに加えて甘みがあり調理方法によっては下手な山菜よりもはるかに美味しい食材です!
次回は、蕾、花、種を飛ばした後の額、それぞれの状態に応じた味と食感を確認したいです。

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春に提携農家さんに蒔いていただいたフランス産食用タンポポ、2年目の秋のサンプルを10月に送っていただき、その太く育った見事さには感動しました。
そして、根の状態を検証したところ、これ以上放置すると育ちすぎて根割れを起こしてしまうため、昨年蒔いた残りの株の根をすべて収穫することにいたしました。
根の収穫は冬前、葉が枯れてしまった時が一番栄養価が高いのです、春になると葉の成長にこの栄養を使われてしまいますから、その前に収穫してしまうことに決めました。
来年はこの5倍の量が収穫できます。
今回収穫した根は約60本、大きさも形もバラバラです。
これはタンポポが進化途上にある証拠で、同じ株から取った種でも全く育ち方も根の状態も異なります。
これほど成長の仕方のバリエーションが豊富な植物も珍しいと思います。
掘り出して直ぐに送ってもらった約60本の根、重さも6Kとずっしり!

掘り出して2日目なのにもう切った株から新芽が吹き出しています!
何という生命力!

大きな株は一つの根から20本余りの生長点が生まれていました。
この株の直径は6cm、根は約直径3cm、見事な成長ぶり!

生長点をカットしてみると、1つの芽から2つか3つに先ず株分かれして、さらにそこから脇芽が次々に生まれてきたことが解ります。
収穫2日目でどんどん葉が中から噴き出しています!

もう少し深く生長点を切ってみますと、根は1つであることが解ります。
それにしても太い!

これらを流水で洗います。
タワシとブラシで丁寧に、しかし複雑に絡まった根は洗いづらい、なんと3時間もかかってしまいました。
洗いたての食用タンポポの根。
長いものは50cm以上、髭根を入れると1m以上にもなるというのは本当ですね。

これを、天日で乾燥させます。
この季節は晴れ間が多くて空気も乾燥していて、また気温が低いので腐ったりカビの心配もなく最適ですね。

約1週間、まるで木の枝のように堅く乾燥しました。
表面には薬効成分が吹き出して固まっています。
細さは半分、重量は20%程度になりました。

乾燥した根は研究や各種の実験用に箱入れして保存。
漢方薬、「蒲公英」(ホコウエイ)の出来上がりです!
漢方薬として生産する場合は、薄くカットしてから乾燥させますが、こちらは研究用なのであえてそのまま乾燥させました。

次回は、根の形の違いについてお話しましょう。
冬の寒さにも負けずに葉を伸ばしていたタンポポですが、実は花を咲かせた後に冬眠することが解りました。
実験栽培中のタンポポは、花を咲かせる時期には40Cm弱と大きな葉を1ヶ月で1株から10枚以上出していましたが、花を咲かせ種を飛ばした後は一気に葉が枯れて新しい葉を出さなくなりました。
そういえば昨年5月に実験を開始した際も花を咲かせた後、なかなか新しい葉を出さないので枯れてしまったかと思ったくらいです。
推測ですが、夏から冬にかけてじっくりと養分を根に貯め込んで春先に一気に葉を出し花を咲かせるのではないでしょうか?
そしてその後はしばらく休息期間を置いてまた秋ごろに元気に葉を出すのでしょう。
街中のタンポポも梅雨から秋まではなかなか発見できません、おそらくこの推測は間違いないと思います。
つまりタンポポの冬眠期は梅雨だったのですね、これも全て実験栽培で解ったことです。
これは、食用タンポポの供給に関して大きな収穫でした。
花を咲かせる頃のタンポポ、大きな青々とした葉を何枚も伸ばしています(4月上旬)。

種を飛ばした後のタンポポ、葉がほとんど枯れて、新しい葉も萎れたような小さいものばかり。

協会のベランダで実験栽培中の西洋タンポポが最も寒い時期を頑張って越冬中。
先日の降雪で雪をかぶりペチャンコに、それでも葉を地面を這わせるように広げて冷たい風を凌いでいます。
できるだけ自然に近い形を再現して観測するために、あえて枯れた葉はそのままにしています。
葉が折り重なるように密集していますが、さてどのように春に葉を広げ花を咲かせるのか、楽しみでなりません。
共存共栄のタンポポですから、折り重なる葉をよけて新葉や花茎を伸ばす作戦を持っているのでしょう。
それをじっくりと観察していきます。
もう少しでタンポポの季節です、各種事業も花を咲かせます!
