理想郷を確立したいという目的の一つに自給自足という生活スタイルがありました、その目的の一つが早くも達成されつつあります、そもそも本丸をここに決めたのもその目的を達成したかったからに他なりません。
本丸には広々とした庭園に加えて畑と果樹園があります、この自然豊かな土地を思う存分に活かしたいと既に新たな果樹を植えたり自然農法で育つ野菜を自生させる準備を行っています。
果樹園は理想的な自然農を行う土壌です、毎年秋になると大量の枯葉が地を埋め尽くします、この枯葉は春までに熟成分解され窒素分を土壌に齎します、したがって肥料を与える必要はありません、更には雑草類がグランドカバーとなり根や葉によって土壌の保水性と団粒構造による排水性が確保できます。
これらの利点を生かして一度種を撒いたら耕起も水やりも肥料も不要な自然農で野菜を育てることができます、人間の仕事は収穫するだけです、今後春から秋にかけて継続的に収穫できる野菜の選定を行っています、自然農で育てられない野菜はほぼありません、芋類も子芋をあえて収穫せずに放置しておけば春には自然に芽を吹いてくれます。
様々な果樹は収穫してはドライフーズにして次の収穫シーズンまで楽しめます、野菜も保管方法を各種実験しており収穫しては乾燥・冷凍・漬物と種類別に加工すればこれも次のシーズンまで持つことが解りました、残るはタンパク源をどうするかということですが既にアイデアは豊富にあります、これらは順次準備していくことにしましょう。
最後に主食のお米や小麦をどうするかということに関してもお金も労力もかけずに確保できる方法が確立しています、どうするかというと田畑を別の農業法人に貸して田畑の賃貸料の代わりに収穫物で納めてもらうのです、田畑を購入すれば後は労せずして食べていけるのです、我ながら実に善いアイデアを考えたと思っています。
オフィスと本丸を手に入れたこの地でどんな愉しみごとを行おうかと日々思考しています、そんな中で生まれたのが農地を取得する目的で創設した農業法人を使った各種のアイデアでした、この農業法人でどんなことをやっていくのかを考えると本当にワクワクして眠れません。
そんな折に早くも隣接する農地の購入計画が進みだそうとしています、仲介の不動産屋から本丸のときと同様に計画書を出してほしいと依頼が来ました、隣接農地を取得すると現在の農地は50%増えいろいろなことができそうです、現在計画しているのはここにビニールハウスを創設したいと思っているのです。
この地は果樹の複数カテゴリで日本一の生産量を誇ります、そんな果樹の聖地で行うとすればやはり果樹が最も適していると思います、何故なら果樹生産のノウハウを持った生産者がたくさんいるからです、何を行うにも一人では限界があります、いろいろな意味で協力を仰がなくてはならないのです。
そしてこの地で数年前から栽培実験が開始されたのが国産レモンです、レモンといえば地中海原産ですから温暖な気候が求められます、しかしこの地はレモン栽培の北限とされる関東エリアに比べ年間平均気温はマイナス5度以上で関東エリアでも難しいと言われるレモン栽培は結構ハードルが高いのです。
そこでこの地が採用したレモンがリスボンレモンと日向夏(夏みかん)をかけ合わせて冬季に冷え込む気候でも栽培できるようにした璃の香(りのか)という品種です、ただこの璃の香(りのか)は大きくて甘いのですがレモン特有の酸味と香りが薄いのが難点です。
そこで私はこの地で本来のレモンらしい風味のリスボンレモンそのものの栽培に挑戦したいと思っているのです、その意味で露天栽培ではなくビニールハウスを使った温室栽培をと考えています、その実験などを行うために本丸の果樹園を増設したいと考えているのです。
またレモンを栽培して売るのではなく、この地の環境でも育つリスボンレモンの育成法を研究し栽培ノウハウを得て環境適合させた苗を販売したいと考えているのです、出来るかどうかは問題ではないのです、それを本丸のあるこの地で挑戦することに意味があると思うのです。
「強い意識は流れを呼び起こす」、昔から強く意識した事項は呼び寄せられるのか私がそのように動いているのか見事に現実化していきます、そんな意味で理想郷の本丸が決定直後のグローバル拠点化意識が早くも現実に向けて動き出しました。
先週のこと、IT事業のグローバル展開で訪れた某国はかなり前から考えていた正に候補地の本命国です、そして偶然にも一度視察したいと思っていた首都圏から高速鉄道で30分のところにある新都心に行くことになりました、この新都心は30回以上この国を訪問してきて「新アジアのシリコンバレー」と言われていたにも関わらずこれまで縁が無かった地です。
行ってみるや高層ビルやマンションが立ち並び公園も多く非常に整然としていて町全体に緑が多く静かです、工科大学や研究機関も多く自然豊かな静かな町で一度で気に入ってしまいました、日本の大手デパートやスーパーも多数出店しており生活するうえでも問題ありません。
この国の首都エリアは古い建物が多く脇道に入れば瓦礫やゴミの山です、対して新都心は対照的に新しく開拓したエリアだけにビルのほとんどが築10年ほどでファミリータイプのマンションは平均140㎡とオフィスとして使ってもまったく問題ありません、また各種のシステムが日本とほぼ同じというのも嬉しいです。
物価的には外食や衣類などは東京よりも高いのですが家賃は東京とほぼ同じです、そしてこの国の民度が高いのには驚きます、日本人の感覚とほぼ同じで電車やエスカレータに整然と並び割り込む人も電車に我先に乗り込む人もいません、皆さん親切で他者に思いやりがあるので安心感があります。
最高なのがこの国の気候です、年間を通して温暖で冬の最低気温が平均15度と高く夏は逆に最高気温が平均32度と日本よりも暑くありません、海風が気持ちよく湿度も年平均70%前後と健康には最高の場所です、夏季と冬季はこの地で過ごすなんていう生活スタイルになりそうです。
また近くに漁港があるので新鮮な魚介類が安価で手に入ります、野菜も日本とほぼ同じ野菜を栽培しているので食の問題もありません、ケーブルテレビでは日本のテレビ番組も観れますので部屋の中に居れば日本と同じような感覚でストレスなく生活することができます、まさに理想のグローバル拠点となりそうです。
桜が咲き誇る本丸の地に先週も新たな果樹の植え付けと各種の探索を行うために足を運びました、そこで果樹園などを確認してみたところ庭や果樹園に野草が群を成して自生していました、ほとんど草丈が低い一年草で嫌われ者のイネ科や蔓性の宿根性の野草は一切なく安心しました。
これらの野草類の多くは食べられる野草でナズナ・ホトケノザなどは春の七草でお浸しや味噌汁でいただけます、またフキが群生していて3月はフキノトウを収穫でき4月から10月まで葉や茎を収穫できます、子供の頃にフキ味噌をおにぎりの中に詰めてフキの葉で包んだフキおにぎりを食べたものです、ちなみに私はこの味が大嫌いだったのですが今では旬を感じる味だと思えるようになりました。
そういえば道楽ビジネスとして7年ほど前に食用タンポポの研究を行っていたのですが、その頃同時に食用になる野草類も研究していていろいろ食してみた経験が生きるときがきたように感じます、取り急ぎ3月末には大量のフキノトウを収穫し、今回はフキとナズナを収穫してきました、これらを使ってお浸しなどを作ってみたのですがナズナのお浸しはホウレンソウよりも美味しいです、まるで菜の花のような香りと味がします。
おそらく野草を研究していなかったらこれらの野草に気が付きもしなかったと思います、こんなところで過去の経験が生かされるのですね、今は春先で一部の野草しか確認できていませんが今後夏に向かってどんどん新しい野草の発見があると思います、そして前オーナーは果樹園は5年以上放置していたらしく農薬は一切使っていないということでした、つまり本丸はオーガニック野草の宝庫なのです。
食用になる野草は天然の漢方薬です、ナズナは根から花まで乾燥させると薺菜(せいさい)という万病に効く古くからの漢方薬です、特に下痢や嘔吐にデトックスなどに効果がありフィトケミカルの宝庫です、7年前を思い出して今後本格的に漢方薬を研究してみようと思います、何かきっと意味があってこの地を手に入れ、そしてこの地に薬草になる野草が豊富に自生しているのですから。
またシロザやオオバコなどの葉の柔らかい野草はホウレンソウのような食感と味で勿論食べても美味しいのですが鶏やインコをはじめカメやイグアナなどのペットの餌としてもよく用いられます、私もグリーンイグアナとギリシャリクガメを飼っていたころペットのおやつにハコベやギシギシを空き地や神社で摘んだものです、本丸の野草たちがそんな懐かしい時のことを思い出させてくれました。
近年ドライフルーツのブームが起きているのかデパートの食品売り場にも専門店がオープンしました、信州名産のドライアンズは栄養価が高く健康食として昔から親しまれてきましたが近年人気急上昇で入荷してもすぐに売り切れてしまいます。
私はショットバーでウイスキーのおつまみとして20代のころから時々ドライフィグ(イチジク)やドライプルーンを注文するくらいに天然の甘酸っぱさが欲しくなる時があります、こんな感じで昔から親しんできたドライフルーツですが果樹園を手に入れた今自分で各種のドライフルーツを作ろうかと考えるようになりました。
ということでフルーツの苗木を大量に購入し先月末に植樹してきました、苗木はホワイト系イチジク5株・各種ブルーベリー5株・各種クラブアップル(ヒメリンゴ)3株・プルーン2株・ブドウ(巨峰)2株に加えてアンズやプラムも植え、他に茶の木やローリエなどのハーブ類も植樹しました、更にフェイジョアやポポーなどまだ日本では定着していないフルーツも実験を兼ねて植えました、今からどんな結果になるのか楽しみです。
またドライフルーツ作りは天日干しでもいいのですが清潔且つスピーディに加工できるドライフルーツ専用の業務用乾燥機も導入する計画です、一回で300個以上のドライフルーツがあっという間に作れます、そしてこれらのドライフルーツは保存状態がよければ1年経ってもカビが生えないので非常食としても機能します、更には砂糖やミリンの代わりとして天然の調味料にもなるのです。
元々この果樹園には梅・栗・柿の木があり、特に梅の木は15本あり梅干しや梅酒などに加工しても自家用には多すぎるほどの収穫量になります、更に薬種やコンポートの素材として使える大きなカリンの木もあります、ただ私は栽培農家をやるつもりはないので収穫量の少ない老木から伐採し各種の果樹に切り替えていきたいと思います。
それはそうと植樹したのが3月27日でしたが梅が一斉に咲き誇っており果樹園一帯は壮観な景色になっていました、また畑の周辺にはフキノトウが100を超えるほどびっしりと出ていました、フキは今では野草類ではなく高級料亭やてんぷら屋向けに野菜として栽培化されています、フルーツと野菜を無農薬の自家製で賄えるとは理想的な老後生活を送れそうです。