皆さんは、いろいろなビジネスに関わっていると思います。
その中で多くの顧客を抱えていると思いますが、どちらかを優先しなければならなくなった場合に古くから取引のある顧客と初めての顧客のどちらを優先しますか?
商社であれば在庫が100個しかないとします、古くからの顧客から100個、同様に新規取引の顧客からも100個の注文が入りました、そしてどちらも急ぎだと言います。
この場合、皆さんはどちらを優先し納品しますか?
レストランの場合でも同様に、常連客と一見の客の双方から同時に同じ内容のオーダーがありました、どちらを優先に料理を出しますか?
これも、いろいろな人の価値判断によって異なると思うのですが、私は「新規取引の顧客」を優先するようにしています。
その理由ですが、古くからの取引先はお互い信頼関係が既に構築されています、それに甘えると言うわけではありませんが事情を正直に話すことによってある程度の理解が得られると思うからです。
対して、せっかく当社を指定してもらった新規の取引先に最初から我慢してもらうわけにはいきません。
ビジネスはすべて最初がすごく肝心で、それによって二度と取引出来なくなる可能性もあります。
更に常連客はそういうことは1度や2度ではないと思いますし、他の客を優先して我慢してもらうことも、「常連客への特別な意味での信頼感を示すサービス」として理解してもらえると思うのです。
ただ、これもその企業やお店によって異なります。
何時も買ってもらったり利用してもらう客を優先する、という考えもあると思います。
こういうところでも、大きく「価値観」」が分かれるところです。
私的には「古くからのお客さんに我慢してもらう」、これは一つの大きな特別なサービスだと考えて意識的に行います。
それを理解して頂けないのであれば、例えどんなに長い付き合いであっても離れて行かれることを拒みません。
何故なら、私は自身の持つ価値観を共有できる人が自身にとっての最大の信頼できる人だと考えているからです。
世に言う「強運な人」は決して与えられたチャンスを逃しません、未来を予見して躊躇なくそのチャンスを自分のものにしています。
「自身を含めた周辺に在る波を正確に見極めて、善い波に上手く乗った人が結局は成功している」、私はこれをずっと思い続けています。
どんな人も勢いというものがあります、しかしどんな人もずっとその勢いが継続できるわけではありません。
同様に、自身や他者との関係性において時の波という気運の流れが存在しています。
晴れの日が続かないように雨の日もまた続きません、どこかで天候は変化します。
そして重要なのは天候そのものではなく、天候の変化をいち早く見極めその後の予測ができるか否かということなのです。
肉体でいう風邪を引くのと同じように、精神的な勢いや周辺の気運の流れが突然変化することがあります。
自分では同じペースのように感じていても、やはり思考の精度が鈍っているのが各所に現れてきます。
人によって異なるのですが、このような波は必ずある種の時系列的パターンが存在しているのも確かです。
つまり、その精神的な勢いや周辺の気運の流れを肌感覚で感じられるか、そしてそれを正確に見極めることができるかが重要なのです。
そして、上昇の波や気運の流れを見極めたら躊躇せずに来たチャンスに阿吽の呼吸で乗ること、その思い切りのよさが重要なのです。
更に、一度でも乗ったら未来を信じて結果が出るまで何が起きても継続させること、これは最も重要なことなのです。
余談ですが、上手くいかない人は「上昇の波や気運を見極められない」、「絶好のチャンスに乗れない」、「もし乗ってもそれを些細な事を理由に継続できない」という人なのです。
「上昇の波や気運を見極める」、「上昇時に来たチャンスに確実に乗る」、「乗ったら最後まで継続する」、この3つが揃っている人は全てにおいて上手くいきます。
つまりは、結果的に「運が良い人」となるわけです。
「目の前に来た成功行きのバスを見逃さず、来たら躊躇せずに乗る、乗ったら目的地まで信じて乗り続けること」、この連続が身体に成功法則をしみ込ませることになります。
生まれ持って「運が良い人」なんてこの世にはいません、「運が良い人」にはそれなりの明確な理由と法則が存在しているのです。
私はある有名デパートで腕時計を買いました、ところが近くの量販店にまったく同じメーカの同じ品番のものが30%も安く売っていました、でも私は「損をした」とはまったく思いません。
何故なら、私は確かに有名デパートで提示してあった金額で買ったという「絶対価値」が保障されているからです。
その意味とは、デパートで買った時計は何時でも修理できますし保証書も付いています、メーカの無償保障が1年に対して3年もあります。
つまり、私は有名デパートというブランドと保障に対しての安心という「付加価値」をその時計に求めた結果購入したわけです。
対して、その話を聞いた友人はまったく逆の意見でした。
同じ時計なら、「何処で買おうが安い方が良い、見る人も何処で買ったかは判らない」ということです。
つまり、その友人と私の「価値観」は大きく違っているのです。
私は、安心感という見えない「付加価値」に、友人は時計そのものの「物理的価値」に対して「価値観」を見出しているのです。
起業当初に先輩から言われたことを、20年以上もかけて自分なりの回答を見つけることができた事項があります。
その言われたこととは、「最も簡単に成功したいのなら成功している人と組むことだ」という言葉です。
当時は、成功や夢の達成というものは自分の努力や能力に付いてくるものだと信じ込んでいました、正直他者のふんどしで相撲を取るような考え方に賛同はできませんでした。
したがって、真の意味は何なのかとも長期に渡り考えようとも思わなかったのです。
しかし、時が経つにつれ百戦錬磨の強運の人との交流を通して真の意味が解ってきたのです。
先輩が話した時に「成功する人とはどういう人?」と考えればよかったのです、成功する人は決して運なのではないのです、成功している人の背景やその人間性をよく観察すると見えないところで人一倍の努力をしています。
共通することは24時間365日仕事をしているという感じです、飲んでいるときでさえも人の話を良く聞いています、ヒントになることを常にキャッチしているのです。
また、実にいろいろな事項を常に勉強しています、だからどんな業界の人の話でも合わせることができます。
なぜそんなことまで知っているのかという詳細なことまでも、極めて専門的に且つ簡素にそれを説明できます。
これらは、いろいろな情報を正確に把握するための最低限必要なファンダメンタルズというものです。
自分が所属している会社の業界事情を、「良く解らない」と開き直り学ぼうとしない人とは大違いです。
私はよく若い経営者に言います、「足し算もできない人が商売始めたら会計のことが解るようになる、それは生きていくために必要だからだ、自分の業界の事を学ばないというのはこの業界で生きていこうと思ってない確たる証拠だ」と。
成功や夢を達成している人、それは人一倍の努力をして自分の成功や夢の達成に不可欠な人材を見極め、そして彼らを強力なブレインにできる人間力があります。
どのような人であれ、それなりに会話し能力や思考を把握できなければ人を見極めることはできません、つまりそれを見極め検証できる能力を持ち合わせている人なのです。
つまり先輩はそういう人を自分のブレインやメンターにすること、それが成功への最速でゴールへ到達するショートカットバイパスだと言いたかったのです。
世間では、ありえない事を簡単に成してしまう人を見て「運が良い」と言っては片付けてしまい、その背景やそれまでの行動にあまり関心を示さない人がほとんどです。
私は逆に歴史的人物も含め世間に「運が良い」と言われている人の結果よりも、その人の背景や行動に強い関心を寄せます、そういう人を詳細に分析するとこれもまた面白いほどに共通点を見いだせるのです。
先ず、言えることは「その瞬間での適切なる判断」です。
例えば、会話をしているときは1分間に15回以上の判断が入ると言われています。
相手の話を聞いて自分の意見や話をするタイミング、関心や合意を示す動作、話の内容から適切な言葉と言い方を選択するのもこれに当たります。
この瞬間に相手の伝えたいことを100%理解しなければ、重要な事を得られないばかりか正確にその状況や空間を把握できません。
「運の良い人」は瞬間的にそれを極めて正確に判断し、上記の話すタイミング・表情・仕草・内容調整が極めて適切に対処できています。
次に、常に状況の把握に努め冷静で的確な決定事項を導き出し行動を起こしています。
大きな問題が発生し慌てる社員を尻目に一人冷静沈着であり、社員をまず落ち着かせてその問題の経緯から現在の状況までを正確に情報収集し、完全に把握するまでは少なくてもどんな決定も行動も起こすことはありません。
その場の感情に任せて後先考えずに行動を起こすなどは愚の骨頂と言えます、これでは運どころか人間性まで疑われてしまいます。
他にも沢山あるのですが最後に一つだけ重要な事項があります。
それは、「運の良い」と言われる人は皆同様に付き合う人を選びます、組織でいえば人事が極めて適格だと言えます。
自分の周囲にどんな人材を置くかで社内外の反応が確実に変わります、逆に言えば社員やパートナーを見ればその会社や経営者の素質までも解る人には解ってしまいます。
こういうことがすぐ解る人は結局強運であり他者に運をもたらす人であり、そういう徳のある人から見放されたら結局は成功者には成りえません。
有名な話しとしてマッカーサー元帥の人事があります。
マッカーサーは自分が最高司令官となった瞬間に、それまでの経験重視から「運が良い人」重視で部隊長や艦長を決めました。
彼は当然解っていたのです、「運が良い人」とは「常に感情を抑え冷静で適確な判断と行動を行える人」であることを。