「大晦日(おおみそか)」とは、12月の31日の1年の最後の日を表す歴注です。
旧暦では毎月の最後の日を「晦日(みそか)」と言います、したがって月によっては28日のときもあります。
三十は「みそ」で日は「か」と読みそのまま語源は三十日のことであり、この三十日の1年の最後の三十日と言う意味で「大三十日=大晦日」となったのです。
ちなみに「晦」という字は「つごもり」と読み、三十日を旧暦では「月ごもり」と言い、それが訛ったものと考えられています。
これは、月が新月から30日目にはまた新月となり見えなくなる状態からであり、これに対して1日(ついたち)は月が見える状態となるため月立ち(つきたち)と言い、これが訛ったものです。
「節分(せつぶん)」とは、四季の季節の変わり目を指す歴注の一つです。
季節の変わり目とは「二十四節気」のうち「立春」・「立夏」・「立秋」・「立冬」の4つで、それぞれ春・夏・秋・冬の始まりを示しています。
そして、その前日を「節分」と言います。
これは、正月の前の「大晦日」と同様の意味付けとなります。
本来は先述したように年に4回の節分があるのですが、近年では単に「節分」というと「立春」の前日のことを言います。
日本の暦には、季節を表す指標として「夏至」や「冬至」などが記されています。
これらは全て中国から伝来した、「二十四節気(にじゅうよんせっき)」(節季でなく節気である点に注意)という季節を表す歴注なのです。
「二十四節気」は、太陽の1年間の地球を中心とした軌道(黄道)を5度づつ二十四に分割した、見かけ上の太陽が地球を回るポイントを表したものです。
「二十四節気」は、立春に始まり雨水・啓蟄・春分・清明・穀雨・立夏・小満・芒種・夏至・小暑・大暑・立秋・処暑・白露・秋分・寒露・霜降・立冬・小雪・大雪・冬至・小寒・大寒、と続き一年間の季節を24の単位で表します。
また、一つの「二十四節気」を更に3等分した、約5日間を「七十二候」と呼び、詳細にその季節の情景を表すようになっています。
そう考えると、先人たちの季節の移り変わりを楽しんでいた情緒豊かな感性を感じます。
また、農作業の指標や冬の準備など、生活のリズムを広く人々に伝えるように考え出されたものです。
「大寒」は旧暦でいう最後の「二十四節気」です、次は「立春」で1年の始まりを告げるおめでたい日となります。
「十二支(じゅうにし)」は昔から日本の暦で使われていますが、実は動物名をその年に当てはめているのではありません。
本来は、自然のリズムを示したもので近年になり覚えやすくするために動物の同じ音の漢字を当てはめたのです。
これに関しては、漢書にまとめられていて、要約すると以下の意味になります。
1.「子」
「子」は「孳」(し:「ふえる」の意味)で、新しい生命が種子の中に発祥する状態。
2.「丑」
「丑」は「紐」(ちゅう:「ひも」の意味)で、芽が種子の中に生じてまだ伸びることができない状態。
3.「寅」
「寅」は(いん:「動く」の意味)で、春が来て草木が生ずる状態。
4.「卯」
「卯」は「茂」(ぼう:しげるの意味)で、草木が地面を蔽うようになった状態。
5.「辰」
「辰」は「振」(しん:「ふるう」の意味)で、草木の形が整った状態。
6.「巳」
「巳」は「已」(い:「止む」の意味)で、草木の成長が極限に達した状態。
7.「午」
「午」は「忤」(ご:「つきあたる」の意味)で、草木が衰えの兆しを見せ始めた状態。
8.「未」
「未」は「昧」(まい:「暗い」の意)で、植物が鬱蒼と茂って暗く覆う状態、また果実が生じた状態。
9.「申」
「申」は「呻」(しん:「うめく」の意味)で、果実が成熟して固まって行く状態。
10.「酉」
「酉」は(しゅう:「ちぢむ」の意味)で、果実が成熟の極限に達した状態。
11.「戌」
「戌」は「滅」(めつ:「ほろぶ」の意味)で、草木が枯れる状態。
12.「亥」
「亥」は(がい:「とざす」の意味)で、草木の生命が種の中に閉じ込められた状態。
日本の暦には大安とか仏滅という記号があり、結婚式や葬儀などの日取りなどに使われています。
この先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口の6種類の記号は、「六曜(ろくよう)」という暦注の一つです。
対して月曜日や火曜日というのは七曜と呼びます、また六曜は七曜との区別から六輝(ろっき)と呼ばれることもあります。
「六曜」は1ヶ月を6で割り1ヶ月を5週として考え出せれたものです。
日本には室町時代に中国から伝わり当時は今の七曜と同じ使われ方をしていました、また現在使われている呼び名は約100年前に今の漢字になり、元々中国から伝わったときと、「赤口」以外は全て日本風に変わってしまいました。
江戸時代に入り吉凶の占い的意味が加わり、特に戦後はこの占い的神秘性が庶民に流行し以来七曜と併用されてきました。
六曜は先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口の順で繰り返すようになっています、ただし六曜には決まり事があり順通りにならないことがあります。
六曜では旧暦の毎月1日は次のように固定されているのです。
1月・7月=先勝
2月・8月=友引
3月・9月=先負
4月・10月=仏滅
5月・11月=大安
6月・12月=赤口
また、旧暦の月の数字と日の数字の和が6の倍数であれば、その日は必ず大安となります。
これらから、旧暦の8月15日の十五夜は必ず仏滅となり旧暦の4月8日の花祭りは必ず大安になるようになっています。
それでは、六曜の各意味について説明していきます。
1.先勝(せんしょう、さきがち)
「先んずれば即ち勝つ」の意味で、午前中は吉で午後は凶と言われます。
2.友引(ともびき、ゆういん)
「凶事に友を引く」の意味で、葬儀などを行うと「友も死の世界に引き込まれる」と言われます。
3.先負(せんぷ、さきまけ)
「先んずれば即ち負け」の意味で、午前中は凶で午後は吉と言われます。
4.仏滅(ぶつめつ)
「仏も滅するような大凶日」の意味で、六曜中最も凶の日とされ、婚礼などの「祝儀を控える日」と言われています。
尚、釈迦の死んだ日が旧暦の2月15日であり六曜の法則により必ず「仏滅」になります。
5.大安(たいあん)
「大いに安し」の意味で、六曜中最も吉の日とされ婚礼など祝儀が行われる日に最適と言われています。
6.赤口(しゃっこう、じゃっこう、せきぐち)
「火の元や刃物に注意」の意味で、午の刻だけが吉でそれ以外の時間は凶と言われています。
※午の刻=午前11時から午後1時。